行政書士の三木ひとみです。どうぞよろしくお願いします。

全国対応で生活保護申請・相談業務を行っている岡・三木合同行政書士事務所は、日々全国のお客様や福祉事務所とやりとりしています。私共に生活保護開始申請書の作成・提出を依頼された男性のお客様は、審査も順調に進み、先日某市にて生活保護の受給が決定しました。

生活保護受給決定後に相続財産が転がりこんできた

ところが、受給決定後に思わぬ事態となったのです。近しいお身内が急死され、多額の財産相続権が発生したというのです。

「もう生活保護は決定して、行政書士さんの仕事も終わったところ相談していいのかわからないのですが・・・。」
と、電話で遠慮がちにお話されるお客様。
「当事務所経由で生活保護申請されたお客様のご相談は永年無料です。もちろんご相談いただいて構いませんよ!」
と私が返答すると、安心されご様子で、お話を続けられました。

相続放棄をしても生活保護の廃止事由にはならない

行政書士だけでなく、税理士や司法書士、弁護士にも、
「生活保護受給者が、相続財産を受け取らずに相続放棄をすることはできない」
と、まことしやかに誤解を招く回答をする士業者が多々いるようです。
しかし、相続放棄は法律用語で一身専属権の一つとされ、借金の貸し手側は借りた側の相続放棄を阻むことができないのです。
生活保護受給者だからといって、他人の意思に強制すべきではないと判例上される身分行為である相続放棄をしてはならないとする根拠は、どこにもありません。

今回お客様から相談されたことで、該当福祉事務所の上級行政庁に直接私が確認したところ、
「あくまでも行政側の立場としては、相続放棄はせずに相続をしてもらいたく、そのように行政指導をするかもしれないが、仮に相続放棄をしてそのことを福祉事務所に報告しなかったとしても、それをもって生活保護廃止事由にはならない」
と、明確な回答を得ました。

結果としては、お客様は法定相続分を相続して、生活保護は辞退するという選択肢を選ばれました。
「相続放棄をしてまでも、血税である公的財源に頼ることはしたくない」
というお客様の信念に基づく決断は、清く潔いものでした。

関連記事

働けるのに働いてないと生活保護は受けられないの?... この一週間も毎日、実に多くの生活保護相談がありました。特に今週は、20~64歳までの方、いわゆる稼働年齢層とされる方からの相談が目立ちました。一見若く健康に映る若い人が役所に生活保護の相談に行くと門前払いされるという、ネット上の情報に不安になったり、実際に門前払いされて私共の行政書士事務所を訪れる方...
2018年生活保護費の引き下げと世の中の誤解... 行政書士法人ひとみ綜合法務事務所で生活保護相談を担当している、行政書士の三木です。 生活保護費が下がることについて、皆さんはどう思いますか?政府が、生活保護を受けておらず、アルバイトなど生活保護費を下回る収入で生活している人達、いわゆる所得最下位層の人たちの消費水準にあわせる形で、生活保護費の...
家庭訪問時の不適切な言動を問うたら、「業務妨害で刑法に触れる恐れがある」と発言した大阪市生野区の生活... 生活保護法は日本全国、公平平等に交付施行が当然になされているはずだが、役所によって生活保護申請者や受給者に対してこうも異なる対応をするのかと日々驚かされる。 生活保護の実施運用は地域によって全く異なる たとえば、大阪府大阪市中央区。これまでの生活保護業務において、中央区では異性と...
生活保護申請中に病院受診を断られたIさんと役所の神対応... 行政書士の三木です。『神対応』などという流行語を、ドキドキしながら初めて使いました。 こうした若者の誇張表現を自分が使うことは、まずないだろうと思っていました。ところが、先日の生活保護申請中の私たちのお客様に対する役所の対応は、期待を大きく上回る驚くべき、まさに『神対応』だったのです。 ...