「弁護士JP生活保護連載」 第53回記事 令和8年4月27日
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→DVから逃げ“生活保護”を求める人が直面する「行政窓口ガチャ」の実態…役所の“水際作戦”から自分を守るための「知識」とは

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→DVから逃げ“生活保護”を求める人が直面する「行政窓口ガチャ」の実態…役所の“水際作戦”から自分を守るための「知識」とは

「DV被害で母子で家を失った。どこかれもたらい回しにされ、困っている」
1ヶ月半前、悲痛のシングルマザーの相談を受け、行政書士の私もSNSを駆使して窮状を訴えました。結果、多くの方がこの問題に関心をお寄せくださっただけでなく、支援の手を差し伸べてくださった市井の方が多かったことに心救わる思いでした。
今回は、その当事者のシングルマザーと、共に書いた記事です。
DV被害に限らず、思いがけない失職などにより住居を失った方々が直面する現実と、行政窓口での不当な申請拒否(いわゆる水際作戦)から身を守るための、実践的な法的知識について。
今回も弁護士JP/Yahoo!ニュースへのリンクとともに、執筆当時の熱量ままの「元原稿」をあわせて公開します。
※未編集の元原稿には、文字数や媒体の特性上、やむなく割愛された深い事情が含まれております。特に「2万円超」という家具什器費の支給額と現代の物価高との著しい乖離など、この国のセーフティーネットが抱える課題と、正当な権利を行使して生活を立て直すことの重要性について、より一層のご理解を深めていただけるものと思います。

住まいと生活保護~なぜ命綱に辿り着けない人がいるのか
DV被害、ストーカーからの避難、あるいはネットカフェ難民や刑務所からの出所者。さまざまな事情で住まいを失い、社会のセーフティネットを緊急に必要としている人たちがいます。
現在は社労士、行政書士として仕事をしている筆者自身もまた、過去に営業先の顧客からストーカー被害に遭い、母子でシェルターに入所した経験があります。
「今日の夜を過ごす場所がない」「明日の食事はどうしよう」
底知れない恐怖は、今も肌身に焼き付いています。予想もしなかったことは誰にでも起こり得ます。
日本には、「生活保護」という、国民の命を守るための法制度が確立されています。しかし現実はどうでしょうか。ようやく辿り着いた行政窓口で「たらい回し」に遭い、目の前にあるはずの命綱を掴めずに絶望する人も少なくありません。
最近でも、夫の暴力から着の身着のままで逃げ出した母子がいました。必死に助けを求めても、子ども家庭支援センターや児童相談所、駆け込み寺的なNPO、どこもパンク状態。
「大変ですね、でも次の電話が待ってますので」と、冷たく切電されてしまったといいます。
勇気を振り絞って、恥を忍んで窮状を訴えても、困っているのはあなただけではないから今置かれた状況でがんばってくださいと何の解決にもならない説教だけ。こうした対応によって深く傷つき、行政不信を未だに払拭できないといいます。
現代社会において、生活困窮に陥る人の多くは、人との繋がりが希薄であったり、頼れる先がありません。ようやく見つけた支援先でも、形式的な相談だけで実質的な解決に至らない。お金も頼る手立てもない中で、「自助(まずは自分で頑張ること)」ばかりを強く求められる。自立はもちろん大切ですが、そこにたどり着くまでの支援が必要なのです。
DV被害者に限らず、「住まいを失ったすべての人」が直面する現行制度の問題、それをどう乗り越えるべきか。
家を失うまえにしてほしいこと、そして、それでも住まいを失ってしまったときの選択肢とは何か。法制度のルールに基づいた、自分を守るための武器を、具体的にお伝えします。
「助けてほしかった」この国の理不尽
「シェルターでは携帯電話は禁止です。没収します。」
「通勤は認められません。仕事先に、居場所は事情を話すことも禁止です。」
これは、DV被害から命からがら逃げて、警察や行政経由でシェルターを頼った人たちがまず直面する冷たい現実です。
現代社会において、スマホを失うことは社会との繋がりを絶たれることを意味します。また、生活保護世帯であれば、一度解約した携帯を再契約するハードルは高く、リスタートを切るためのツールを自ら捨てろと言われているに等しいのです。
それでも、シェルターに入れる人は、まだ幸運です。
「命を守るための場所に、受け入れてもらえない」
最近でも、未就学児を抱えDV被害から逃れた過酷な状況の母子世帯が行き場なく路頭に迷う事態を目の当たりにしました。持病や夫の執着性による他の入居者へのリスクなどを理由に、受入先が見つからず、どこからも守ってもらえずに孤独と不安に耐えている人がいるのです。
加害者がのうのうと生活している裏で、被害者があまりに多くの理不尽を強いられていると嘆き、憤る声も聞こえます。加害した相手が「子どもと引き離された」と被害者面をする一方で、被害に遭った側は「今日をどう生きるか」を迫られ、それでも自己責任と言われる。これはいじめ問題において、いじめた側が追放されるべき事案であるのに、被害者が追放されているのと同じ構図といえるかもしれません。
本当に困った事案こそ、役所の職域の垣根を超えて担当者が寄り添いながら支援していくシステムを構築するべきですが、福祉事務所の窓口においては、残念ながら依然として「水際作戦」と呼ばれる違法な申請拒否・妨害も、以前よりも減ったとはいえ、問題が表面化しにくい手法で確かに存在します。
住まいを持たない人に対して「家がないと生活保護は受けられない」
一見して働けそうだというだけで「仕事を探してから来なさい」
一時的に生活困窮するも働く意欲がある人から働く術を奪うように
「車をまず処分してください」
などと、事実と異なる説明をし、追い返してしまうケースです。
しかし、これらは明確な法律違反です。たとえば、生活保護法第19条1項2号では、「居住地がないか、又は明らかでない要保護者であって、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの」に対して、その「現在地」の福祉事務所が保護を決定し実施しなければならないと定めています。つまり、ネットカフェにいても、路上にいても、「今いる場所」の役所が責任を持たなければならない「現在地保護」の原則があるのです。
さらに、厚生労働省の通知でも、「ホームレスに対する生活保護の適用に当たっては、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものではないことに留意」するよう、全国の自治体に強く求めています。
家がないから、あるいは働けそうだからといって、それだけで保護を拒否することも許されないのです。
住まいを失うまえに、覚えておきたい3つのこと
日本人は本当に真面目です。たとえば退職に伴って職場の寮を出なければならなくなった場合など、行くあてがないにもかかわらず、言われるがままに退去してしまい、途端にホームレス状態になってしまう方が少なくありません。 しかし、自ら退去してしまえば、過酷な野宿生活が待っています。あるいは、役所が案内してくれるのはその時にたまたま空きがある施設になりがちですが、中には集団生活を余儀なくされたり、食事が劣悪であるにもかかわらず、生活保護費の大半を「光熱費」や「食費」などの名目で不当に搾取されたりする施設(いわゆる貧困ビジネス)が存在するのも事実です。 だからこそ、今かろうじて寝泊まりできている場所があるなら、そこを失う前に、大事なことを知ってください。
1.家を失う「前」に急いで生活保護を申請する
なぜ「家を失う前」でなければならないのか。それは、居宅がかろうじてある状態で申請するのと、完全にホームレス状態になってから申請するのとでは、その後の役所の対応と、再出発へのハードルが天と地ほど変わってしまうからです。
すぐにも退去しなければいけない切迫した状態であっても、今の住まいがあるうちに申請をすれば、役所は生活保護法第30条1項が定める「居宅保護の原則」に照らし、申請者が野宿に陥るのを防ぐために早期に保護決定を行い、新たなアパートへ移るための転居費用(敷金や引越代等の住宅扶助費)を支給して、きちんとした住環境を維持させなければなりません。
しかし、自ら退去して完全にホームレス状態になってから窓口に行くと、どうなるか。多くの場合、役所は「まずは住所を定めるために」と、無料低額宿泊所などの施設を案内します。そして、言われるがままに一度施設に入ってしまうと、「とりあえず雨露をしのぐ場所は確保された」とみなされ、アパートへ移るための転居費用をすぐには出してくれなくなるのです。
施設からアパートへの移行を希望しても、役所は「アパート移行には順番がある」「先に施設に入った人がまだ引越費用を支給されていないのだから待ちなさい」「まだ単独で生活する準備ができていない」などと言い訳をし、なかなか転居を認めてくれません。
その結果、相部屋での集団生活や、食事も劣悪なのに保護費の大半を「施設利用料」等の名目でピンハネされる環境(貧困ビジネス)に耐えかねた人々は、手っ取り早くその施設から逃げ出すために、寮付きの派遣や住み込みの仕事を見つけて飛び出していきます。
しかし、そうした仕事は労働環境が過酷で長続きしないことが多く、結局仕事を辞めてしまえば同時に寮も追い出され、再び住まいと職を同時に失い、ホームレス状態に逆戻り。そういう人たちは前回の経験から、もう役所に頼ることを諦めてしまうケースも少なくありません。このような過酷な貧困のループを繰り返してしまう人を、私は嫌というほど見てきました。
受入施設が見つからずに他県に追いやられたり、劣悪な施設から抜け出せなくなるという過酷な状況に陥る前に、今かろうじて寝泊まりできている場所があるなら、そこを失う前に一刻も早く、今いる場所を拠点として保護申請を行ってください。それが、悪循環のループを断ち切り、公費で安全な住まいを確保して確実な生活の立て直しを図るための、最大の鉄則なのです。
2.「ゼロゼロ物件」に飛びつかず、公費による「引越費用・敷金」の支給制度を正当に行使する
住まいを失う危機に直面したとき、手元のわずかな所持金でどうにか当面をしのごうと、初期費用がかからない、いわゆる「ゼロゼロ物件」などに藁にもすがる思いで駆け込む姿が各地で見られますしかし、初期費用が無料である分、毎月の家賃が相場より割高に設定されていたり、短期解約時の違約金や退去時のクリーニング代が厳しく設定されている物件もあり、長い目で見るとかえって生活再建の負担となるケースが見受けられます。
『選べないから仕方ない』と、不安の残る住環境で我慢する必要はないのです。生活保護制度には、新たなアパートでの生活をスタートさせるための「敷金等」や、家財道具を業者に運んでもらうための「移送費(荷造費及び運搬費)」を、公費で支給する確固たる仕組みが存在するからです。
とはいえ、現行の運用には、今の物価高に到底そぐわない金額的な問題はあります。たとえば、新生活に必要な冷蔵庫や洗濯機などの購入費として認められる「家具什器費」は、多くの自治体で2万円強。リサイクルショップを回っても、この金額で最低限の家電を揃えるのは至難の業です。そのため、中古の部品を使って激安の家具家電を売ってくれる業者が役所から生活保護受給者の紹介を受けるといった話も耳に入ってきますが、そうした仕組みにもまた疑問符がつきます。
「最低限度の生活」を保障するための制度でありながら、実際にはその最低限の物すら揃えられない、この言葉と実態の乖離もまた、再出発を志す人の大きな足かせとなっています。「2万円超」という数字に、今の日本の貧困に対する解像度の低さが表れているともいえます。
ただ、ここにも、実は「役所が一言、相談者に教えてあげたら安心できるのに」という救いの制度がいろいろとあったりはします。家具什器費は全体として安価でも、エアコンが壊れたとき、眼鏡が必要になったとき、布団やガスレンジなど最低生活に必要不可欠なものを所有していないときなど、個別の事情により福祉事業所ごとの判断ではありますが、全体の総額とは別枠で支給されるものもあります。
厚生労働省の運用基準を示す『生活保護手帳 別冊問答集(問7-30)』には、転居に際して敷金等が支給される対象として、具体的な事由が明確に列挙されています。
「退職等により社宅等から転居する場合」や「家主が相当の理由をもって立退きを要求し(中略)やむを得ず転居する場合」などがこれに該当します。
さらに、家賃20万円などの高額な物件に住んでいて保護費では到底賄いきれない場合であっても、生活保護申請は即座に可能です。よくある誤解ですが、「家賃の低い物件に引っ越すための費用を自力で工面しないと生活保護を受けられない」ということはありません。
家賃が国が定める住宅扶助費の上限額を超える高額物件の場合、「現在支払われている家賃又は間代よりも低額の住宅扶助費限度額内の住居に転居する場合」には、堂々と公費支給の対象となるのです。また、転居に伴う荷造費や運搬費(引越代)についても、生活保護法上の「移送費」として実施機関からの認定を受けることが可能です。
それにもかかわらず、福祉事務所の窓口がこうした有用な制度の存在を自ら積極的に案内してくれることは稀です。保護を決定してすぐに数十万円にも上る転居費用を公費で一括支出することは、自治体にとって大きな財政負担となるからでしょうか。当事者が制度の仕組みを熟知していないことをいいことに、暗黙のうちに「こんな高い賃料のマンションにいるのに、まず引っ越してからでないと申請は無理ですよ」「引越費用は自力でなんとかしてください」と、困って相談に来ている人をさらに追いつめるような不親切な対応が、現場にははびこっています。
どれほど「良い担当者」であっても、こちらから制度を把握して積極的に要望しない限り、役所側からすべてを教えてくれることはまずありません。役所側からすれば「言われないとわからない」のかもしれませんが、「制度がわからないから何も言えない」人が多いのです。また、精神的ショックを受けたことによる一時的な病状の悪化により、言葉で表現することができなくなってしまっている人も少なくありません。絶望の淵で「どうか察してほしい」と願うほど追い詰められている当事者が、役所や支援団体と巧みな「駆け引き」や「機転」を利かせた交渉をしなければ救われないのだとしたら、酷なことです。
しかし、国が定めたルールが存在する以上、「自治体の予算負担になるから使わせない」といった役所都合の理屈は法的に決して許されません。条件の悪い物件に追いやられて再び貧困の悪循環に陥るのではなく、公費で敷金や引越代を賄うこの制度を「生活を立て直すための正当な権利」として確実に行使し、安心してリスタートを切れるきちんとした住環境を確保すべきなのです。
3.「ハウジングファースト(住まいは権利)」の原則と、施設入所を強制されない権利
「ハウジングファースト」という支援の原則をご存知でしょうか。「安定した住まいを得たいか否か」問いはそれだけです。得たいならば、無条件に安定した住まいを支援し、必要に応じた支援はその後に行う。つまり「支援と住まいは完全に分けられる」という、生活困窮者支援における世界的な潮流です。
住まいは、人が人間らしく生きるための最も基本的な基盤であり、「まずは集団生活の施設に入って自立の準備ができたらアパートへ」といった何らかの条件と引き換えに与えられるものではありません。実は、日本の生活保護法第30条第1項でも「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」と、アパート等での「居宅保護の原則」がはっきりと定められています。さらに同条第2項では、「被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない」と、本人の意思に反する施設入所の強制を厳格に禁じています。
「自分は住まいを失った身だから、施設に入れと言われても仕方がない」と自分を責めたり、遠慮して劣悪な環境を我慢したりする必要は一切ありません。野宿という最悪の事態や貧困ビジネスの被害を避けるためにも、「私には公費で安全な居宅を確保して再出発する権利がある」と強く認識し、法律の原則に基づいて、堂々と行政に居宅での支援を求めてください。
それでも家を失ってしまったとき、そのときの「選択肢」
これもよくある誤解ですが、もし今、知人や友人宅に一時的に身を寄せているのであれば、それはまだ「家を失う前」の段階です。一切の経済的支援がなくても寝床だけは提供してもらえているのであれば、そこを出て「施設に入らなければ保護を受けられない」ということはありません。
そのままそこに滞在して生活保護を申請してください。保護決定後に「住宅が確保できないため知人宅に一時的に寄宿していた者が転居する場合」という国の規定を根拠に、公費で引っ越し費用を出させてアパートへ移るという生活再建の確実なルートがあります。
しかし、そうした一時的に寝床を提供してくれるような友人も頼る先も一切なく、着の身着のままでネットカフェや路上など完全に住居を喪失した状態であれば、迷わず近くの役所へ助けを求めに行ってください。
次に、住まいを持たない人が窓口で直面しやすい「3つの不当な対応(水際作戦の様々なパターン)」と、それを判例に基づき法的に対抗する実践的な方法を解説します。
「住所がないと申請できない」は違法な説明(現在地保護の原則)への反論
窓口で「まずは住所を定めてから来なさい」「ネットカフェ暮らしでは申請を受け付けられない」と追い返されそうになっても、決して引き下がらないでください。生活保護法第19条1項2号では、居住地がないか、又は明らかでない要保護者に対しては、その「現在地」を管轄する福祉事務所が保護を実施しなければならないと明確に定めています。 つまり、定まった住所がなくても、今まさにあなたが立っている「その場所」の役所に責任を問うことができるのです。
「ホームレスに対する生活保護の適用に当たっては、居住地がないことのみをもって保護の要件に欠けるものではない」という国からの通知も存在しており、住所不定を理由とした申請拒否は明白な法律違反です。
「若くて健康だから働けるでしょう」という理由での門前払いには
ネットカフェ難民やDVから逃れてきたばかりの若い女性などが最も言われやすいのが、「まだ若いから働けるでしょう」「シェルターなんて不便だから親を頼ったほうがいい」「まずはハローワークに行きなさい」といった言葉です。
しかし、「健康である(働く能力がある)」ことと、「今すぐ実際に就労できる環境にある」ことは全く別の問題です。 過去の重要な裁判(林訴訟・名古屋地裁平成8年判決)では、働く意思があっても「具体的な生活環境の中で実際にその稼働能力を活用できる場があるかどうか」で判断すべきであり、実際に就労する場がなければ保護を却下してはならないとされました。
また、「新宿ホームレス生活保護訴訟」(東京地裁平成23年判決)においても、確実な連絡先を持たず、身だしなみを整えて面接に赴く所持金もない状態の人に対して、一般の労働市場で就労の場を得ることを求めるのは「不可能を強いること」であり、直ちに就労の場を得ることができない限り保護の開始を認めるべきだと判断されています。 住まいや連絡先を失った過酷な状況で「ただ働け」と突き放すことは、判例上も許されない行為なのだと教えてあげてください。
「今日は相談ということで」申請書を渡さない対応には「口頭申請」で
様々な理由、名目をつけて「今日は相談ということで」と申請書を渡さず、保護を断念させようとする対応にあったときは、「生活保護の口頭申請をします」と伝えてください。
生活保護の申請は書面で行うのが原則とされていますが、過去の裁判例では「口頭」での申請の成立が明確に認められています。 例えば、「小倉北自殺事件」(福岡地裁小倉支部平成23年判決)では、相談者が口頭で「生活保護の申請をしたい」と訴えたにもかかわらず、職員が受理を拒んだため申請書を提出せずに退所した事案において、行政側の違法性を認定し、「口頭による保護申請」が成立していたと判断されました。また「三郷事件」(さいたま地裁平成25年判決)でも、相談者が生活困窮状態にあり申請の意思があることを知り得たにもかかわらず、誤解を与える発言で申請を断念させたことは「申請権の侵害」であると断じられています。
窓口で「本日は相談ではなく、生活保護の申請に来ました。今、口頭で申請します」と明確に伝えることで、行政側は「申請があったもの」として法的な審査・応答義務を負わざるを得なくなるのです。
「生きてきてよかった」と言える未来へ
日本人は、勤勉です。「楽をして怠けたい」「何でも無償の支援に頼りたい」から生活保護を受ける、という考えの人に、私はこれまで出会ったことがありません。誰もが「自分でできることはがんばりたい」と願う人ばかりです。
でも、「今本当に困っていてどこからも助けを得られない」という命の危機が迫り、全力で助けを求めているにもかかわらず、どこからも救いの手が差し伸べられない人がいるのもまた、現実です。
「皆困っているから、あとは自力で頑張って下さい」と突き放される。しかし、生活保護をはじめとするセーフティネットは、困窮した国民が再び立ち上がるために法で保障された正当な権利です。
理不尽な犯罪被害で一文無しになるも、そこからこの制度に繋がり、ようやく「今日明日、子どもに食べさせるものがない」という恐怖から解放された母親がいます。彼女は「ぜひ記事にして、多くの方にこの現実を知ってほしい」と、生の声を聞かせてくれました。
『子どものオムツ替えを躊躇しなくていい、具合が悪ければ病院に行ける。この制度がなければ、私たちはどうなっていたか分かりません。』
『私は今も大変以上の状況ですが、子供達と何とか生きてます。今の私の目標は、子供達と、あのときは大変だったけど、生きるための選択は間違ってなかったと言える未来を叶えることです。それはまだ遠いですが、1つ1つこなしていきたいです。』
行政窓口のすべてが冷たいわけではありません。役所の職域の垣根を超えて、担当者が寄り添いながら支援してくれるケースワーカーも存在します。ただ、「ハズレ」の対応をされたときは、自分たちを守る理論武装が必要という「出会う支援者の運次第」という現実があることもまた事実です。
住まいを失うかもしれない、あるいはすでに失ってしまったという方は、決して一人で抱え込まず、ためらわずに公的支援へ繋がってください。正しい知識という武器を手に、権利を行使することで自ら「生きてきてよかった」と思える未来を手繰り寄せることができます。どうかあきらめずに、生きてください。

食卓も春色

チヂミとお寿司

親子丼とタイのお刺身

手巻き春巻きと牡蠣

お昼のピザは年中

デリバリーではない手作りならではのおいしさも

お客様から頂いた牡蠣消費中



勉強が得意な子、運動が得意な子、手先が器用な子、みんなちがってみんないい。
社会の宝、子どもたちを社会全体で守っていきたいものです。


