「弁護士JP生活保護連載」第2回記事 令和7年2月9日

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生活保護基準“引き下げ”のため政府が「物価偽装・統計不正」? 行政裁判で「国の敗訴」が相次いでいる理由【行政書士解説】 | 弁護士JPニュース

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生活保護基準“引き下げ”のため政府が「物価偽装・統計不正」? 行政裁判で「国の敗訴」が相次いでいる理由【行政書士解説】(弁護士JPニュース) – Yahoo!ニュース

日本一のポータルサイト、もっとも多く人の目に触れるヤフーニュースに、この記事が掲載されたことに感銘を受けています。

長らく報道されなった、あまりにも大きな問題。

2013~2015年に国が史上最大幅の生活保護の基準額引き下げを行ったことは、生存権の侵害にあたり違憲だとして、全国で訴訟が提起されています。国や自治体等の公権力の行使の適法性を争う行政訴訟で、原告たる国民側が勝つことは容易ではありません。しかしながら、この生活保護費減額をめぐる同種の裁判では、当初こそ敗訴が続いたものの、ここ最近は連勝続き。全体的にも、原告勝訴が原告敗訴を上回っている「異例事態」となっています。これには、明確な理由があります。

裁判の勝因として、本来生活保護受給者が日常的に買う機会の少ないパソコンやテレビなどの電化製品の値下がりにより、実態に見合わない保護費減額だったという報道が目立ちますが、事態はより深刻です。この記事では、その核心部分をわかりやすく説明しています。

生活保護費を減らすという「目的」のもと行われた物価偽装、統計不正は、不正が容易にわからないよう巧妙な計算がなされました。そのため、これまで報道されにくく、国民に正確な情報が伝わっていないもどかしさを、生活保護行政に日々関わる行政書士として感じていました。あってはならないことが起きたこと、そして今なお、その状態が継続し国民の生存権が侵害されている事実を一人でも多くの方に知ってほしいと思っています。

直近の令和7年1月29日にも、福岡県の生活保護受給者が、自治体の生活保護費の減額処分取消し、国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決では、一審福岡地裁判決を変更し、減額処分を取り消しました(賠償請求は退け)。松田典造裁判長は、判決理由を「厚生労働省が改定をした判断は、生活保護法に反し違法」と指摘しました。

今はまだ何とか仕事をしているけれど、体調が悪いのに病院にも行けないギリギリの生活。高齢で、職場からも退職を促されている。それでも、せっせと貯金に励んできたので無職になっても、貯えでしばらくは生活ができそう。でも、貯金がなくなったら、生活保護を申請できますか?

将来を見越したこうした相談も行政書士事務所には、日々寄せられています。今はまだ何とか生活できていても、貰える年金が少ないと将来的に貯蓄が尽きて生活保護に至るケースは、医療が発展した長寿化社会において必然ともいえます。

いざ、資産が尽きて収入も途絶え、生活保護申請が通っても、支給明細を見て、こんなに少ないのか・・・と、愕然とする方もいます。

「これで、どうやって生活しろというのですか?」
「そもそも、介護施設からの請求額の方が、生活保護費よりも多いのに、どうすればいいのですか?」

こんな悲痛の声も沢山聞いてきました。それもそのはずなのです。本来、生活保護費が増額されるはずだった高齢者世帯まで、2013~2015年にかけて生活保護の基準額が不当に減額されてしまった事実は、あまり知られていません。

この記事では、報道が少なくまだ国民に浸透していないこの問題の真相部分と、少ない生活保護費が足りなくなったときの具体的、現実的な対処法について書いています。

◆そもそも統計とは何か?

統計とは「個々の事柄ではなく全体を集めて計算し、その姿を観察する手法」のことを指します。「統べて計る」、言葉の通りです。「データを分析して特徴を理解したり、未来の予測に役立てたりする」ために統計は存在します。個々のデータからでは分からない特徴を見つけることで、個々のデータを俯瞰し、価値を見出せるのです。

経済動向を予測したり、マーケティングに利用したりと、統計によって得た情報の活用は無数にあります。高校数学でも、数学Bで「統計的な推測」という章で確率分布などを学びます。50代の人であれば「統計学」の教科書があったことを覚えている人もいるでしょう。統計は決して遠い世界のものではなく、身近にあるものなのです。その重要性が高いからこそ、学ぶべき分野として残っています。統計を計算するうえで、個々のデータを確率変数として利用しますが、そのデータが正しいことが前提で計算は行われます。

ところが、全国民の最後のセーフティネットであり、憲法第25条で保障された生存権を確保するはずの生活保護費の減額の舞台裏では、元データや基準年、計算式などの恣意的な選択がなされました。目的のために手段を選ばないとは、このことです。

元データを改ざんするということは、統計そのものの根幹が崩れることを意味します。また、2つの計算式を部分的に利用して、1つのデータ軸に乗せることも言語道断です。1つのデータ軸に乗るものは同じ基準(計算方法やデータの種類など)のものでないと、結果そのものが破綻するからです。

もはや上辺だけを繕った、統計とはいえない、稚拙な数値の羅列です。数学への冒涜ともいえる所業です。ただ残念なのは、数学に疎い人は、数値が正しいと鵜呑みにする傾向にあり、正しいかどうかを検証することをしません。

普通、「国が統計不正をした」「厚労省が物価偽装を行った」などと言えば、そんなはずがない、そんなことを言う方の頭がおかしいと思われるかもしれません。

・・・でも、この記事を読まれてもなお、そう思いますか?


左端、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の代表榎田の隣にいらっしゃるのが、元中日新聞ジャーナリストの白井康彦さんです。この生活保護費の大幅減額の背景にある物価偽装、統計不正の大問題にいち早く気付き、新聞社在職中から声をあげ、退職後は退職金を費やしてこの裁判の支援のため全国を飛び回っていらっしゃいます。
正義のため、大きな権力の不正と闘う目白井康彦さんという個人の存在がなければ、行政訴訟の逆転連勝劇は起こり得なかったかもしれません。日々、Youtube白井康彦チャンネルで、「いのちのとりで裁判」について発信されています。

白井康彦さんのYoutube→物価偽装物語シリーズ⑪「問題の本質を超ストレートに語り合う=女性2人(行政書士とその補助スタッフ)と意見交換㊤」 – YouTube

早ければ今年、最高裁の司法判断がおりる可能性があります。

被害者が全日本国民であるこの問題は、これまでに世を騒がせた宗教やジャニーズ問題以上に、本来、注目されるべき大問題といえるでしょう。この史上最大幅の生活保護費の減額の背景にある厚労省、国ぐるみの物価偽装、統計不正の問題に国民が声を上げ、国民の代表である政治家を動かし、一日も早く生存権が確保される透明性のある公正な制度に正されることを切に願います。

政治を、司法を、動かすのは、主権者たる国民です。


イワシと常夜鍋