「弁護士JP生活保護連載」 第46回記事 令和8年1月19日

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虐待受けた生活保護受給者への“引越し費用”支給認められず…「運用の地域格差」が生み出す“悲劇”はなぜ後を絶たないのか

Yahoo!ニュース
虐待受けた生活保護受給者への“引越し費用”支給認められず…「運用の地域格差」が生み出す“悲劇”はなぜ後を絶たないのか

いつも本連載をお読みいただき、ありがとうございます。
Yahoo!ニュースにて公開された「生活保護“地域格差”の実態…住む場所が違うだけで起こる“悲劇”はなぜ後を絶たないのか」この記事では、憲法が保障する「生存権」を揺るがす地域ごとの運用の違いについて、法的根拠や具体的な事例を交えて解説しています。

ニュースメディアとしての公平性や読みやすさを考慮したヤフーニュース記事の「編集稿」に対し、こちらのページでは、著者の三木ひとみが執筆した元原稿をありのままに掲載いたします。

行政書士が感じた憤りや、受給者、家族など当事者の切実な叫びが、より直接的な言葉で文字数制限なく綴られています。

紙幅や構成の関係で編集稿に含めることのできなかった、神奈川県での「行政によるたらい回し」の実例は、当事者の方が公開を強く希望された内容ですので、あえてこちらで公開しています。

「法の下の平等」とは何なのか。日本のセーフティネットが抱える矛盾を、ぜひ多角的な視点からご覧ください。

「住む場所が違うだけで」生活保護の過酷な地域格差

日本国憲法第25条は、すべて国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有すると定めており、この生存権を具現化する最後のセーフティネットこそが生活保護制度です。本来、この制度は「法の下の平等」の理念に基づき、生活に困窮する全ての国民に対し、その要件を満たす限り無差別平等に適用されなければなりません。

しかし、行政書士として全国の相談を受けてきた実態から見れば、現実は法の理想からあまりに遠く離れています。全く同じような困窮状況にありながら、住んでいる自治体や担当ケースワーカーという偶然や運によって、審査結果が大きく異なってしまう地域差の問題が長年にわたり指摘されているのです。

ある都道府県では救われる命が、別の地域では見捨てられる。法律による行政の原理に基づき、全国一律に適正かつ統一的な運用がなされるべき公的扶助の世界において、決してあってはならない地域格差の実例を解説します。

認められた「引越し」と、見捨てられた「SOS」

『私たちは無事に安心できる環境への転居が叶いましたが、自分たちさえよければいいとは思いません。こうした実例があることを知ることで、誰かの役に立てるかもしれないと思うので、記事で私たちの事例をぜひ公開してください。』

生活保護制度において、住環境の変更に伴う一時金の支給、いわゆる「引越し費用」の認定基準は、地域格差が最も顕著に現れる分野の一つです。昨年、兵庫県内の福祉事務所で認定された事例を紹介します。この世帯は二度目の引越費用申請だったため、当初は『支給はなかなか難しいだろう』と身構えていました。一度目は世帯人数の増加に伴う転居で、スムーズに認められた経緯がありました。数年は転居先で平穏に暮らしていましたが、精神疾患を抱える女性が、新たに越してきた隣人による騒音被害で病状を悪化させてしまったのです。外出もままならず、主治医も「転居が必要である」と診断。二度目の申請でしたが、結果は実にすんなりと支給されました。これは生活保護手帳の問答集にある「病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合」という基準に照らせば、至極真っ当な判断と言えます。

しかし、同じ日本の空の下、他の福祉事務所では信じがたい「非情な却下」が平然と行われています。

連載33回記事で取り上げた、千葉県内の介護施設に入所していた高齢の女性・ノリコさんの事例です。ノリコさんは全盲に近く、重い病を患いながら、施設で「水分を与えてもらえない」と自ら訴える凄惨な状況にありました。院内感染を理由に施設への帰還も拒まれ、娘さんが「このままでは行き場を失った母が死んでしまう」と悲鳴を上げ、安全な施設への転居費用を申請しました。ところが、福祉事務所はわずか2週間足らずで「却下」を決定。主治医への十分な調査が行われた形跡もなく、人命の優先順位が驚くほど低く設定されていたのです。結果、ノリコさんは避難先で発作を起こし、院内感染を起こした施設に戻れないまま救急搬送先の病院で亡くなるという、もっとも悲しい結末を迎えました。

さらに戦慄を覚えるのは、公務員による性被害が絡むケースです。東京で一人暮らしをしていた20代女性・エリコさんは、あろうことか担当の男性ケースワーカーから、家庭訪問中に立場を利用した性被害を受けました。(連載第31回記事で掲載)

加害者が自分の住所も間取りも完全に把握しているという絶望的な状況下で、彼女は自宅で自殺未遂を図るまで追い詰められました。夜中、エリコさんから届いた『今までありがとうございました。もう生きていけないです。』というメールに行政書士が気付き、警察へ通報。駆け付けた警察官が玄関で倒れているエリコさんを発見し、一命を取り留めました。

福祉事務所側は当初「書類が出ていない」と申請を退けましたが、後に行政書士が追及すると、信じがたい事態が露呈します。福祉事務所長の名前と捺印がある公式文書に記載の理由に対し、担当ケースワーカーは「(その理由は)関係ない(真実ではない)」と平然と言ってのけたのです。

騒音被害で引越しが認められる地域がある一方で、公務員による性被害や高齢者の生命に関わる危機があっても「認められない」と突き放される。この「命の査定」とも呼べる極端な地域格差は、もはや法の解釈を超えた人権侵害です。

実際に人が亡くなるという最悪の事態に至っても、その多くは報道されません。テレビや新聞で報じられる事件は氷山の一角です。だからこそ、「死んで抗議しよう」などと絶対に思わないでください。死をもっての抗議すら、闇に葬られる可能性が高いのが現実だからです。生きて、皆で声をあげて、この仕組みを変えていきましょう。

責任を押し付け合う行政の「たらい回し」

地域格差は、支給基準の不透明さだけでなく、行政としての「責任感」の欠如にも現れます。本来、生活保護の実施責任は「居住地」を管轄する自治体にありますが、居住地が定かでない場合は、今いる場所、つまり「現在地」を管轄する機関がその責を負わねばなりません。

神奈川県のある事例では、年金が少なく入院費が払えないために、生存権を脅かされていた高齢女性がいました。ところが、前居住地の市と、現在地である病院を管轄する福祉事務所との間で、実に4ヶ月もの間「管轄違い」を理由にした責任の押し付け合いが行われたのです。行政側が予算や管轄という形式論に固執している間、要保護者は入院費の滞納が積み上がり、病院から退去を迫られるという、まさに「死」を意識せざるを得ない急迫状況に置かれ続けました。

このような行政の不作為は、過去の判例でも厳しく指弾されています。例えば、北九州市で発生した門司(もじ)事件では、福祉事務所が必要な助言や援助を怠り、申請を断念させた行為が違法であると認定され、自治体に対して国家賠償責任が認められました。また、広島高裁岡山支部の判決でも、法令の要件に形式的に固執するのではなく、生活困窮者の実態に即して判断を行うべきであるという是正の姿勢が示されています。しかし、こうした司法の警告を嘲笑うかのように、現場では今もなお、形式的な解釈による「たらい回し」が横行しています。

「親族の協力」を盾にした水際作戦と強要

さらに地域差を際立たせているのが、生活保護法第4条の「扶養優先の原則」の恣意的な運用です。法律上、扶養義務者からの援助は「保護の要件」ではなく、あくまで「優先」されるべきものに過ぎません。実際に援助が得られないのであれば、直ちに保護を開始し、その後に必要に応じて親族への調査を行うべきなのです。

しかし、現場では耳を疑うような対応が横行しています。ある県の事例では、認知症で無年金の妻を抱え、自身の体重が10キロ以上短期間で激減するほど疲弊していた夫に対し、担当職員は「親族がもっと協力すれば、保護を受けさせてやる気はあった」「夫は嘘をついている」などと暴言を吐き、申請を却下にしました。

施設代は滞納状態で、無年金。申請却下になる法的要素は見当たりませんでした。却下書面には、不可解な理由:親族が調査に協力をしなかった、と記載されていました。体重が10キロ以上激減し、自身も通院しながら、もはや婚姻継続が困難となり別居中の夫は体調が悪い中、役所から送られてきた書類に震える手で記入し、返送するなど協力していたにもかかわらず、です。そのため、福祉事務所を管轄する県にも事情を説明し、再申請に至りました。

福祉事務所は、「強制ではなく親族に任意の調査協力のお願いをした。その協力を得られなかったため、却下にした」と説明しました。しかし、長年無年金の妻を支えてきたために男性は栄養不良で体重が大幅に減少し、健康状態が非常に悪化していました。さらに、婚姻関係が破綻していても、認知症の妻の離婚届を勝手に書いて出すわけにもいかない事情もありました。それでも、申請に必要だと言われ、周囲の手を借りてなんとか書類に記入したというのに、その申請が却下されたのです。協力しても、さらに協力を求められ、その協力を得られないとそれを理由に却下にする。これは、任意のお願いなどではなく、間接的な強制にほかなりません。また、実際に本人が無年金で明らかに困っている現状に見て見ぬふりをして、病気の家族に扶養照会を強要する行為は、明らかに法の趣旨に反しています。

一般的には、一度目の申請で却下にされれば、もう生活保護は受けられないのだと諦めてしまう善良な人々がほとんどです。「家族に面倒を見てもらえるはずだ」と言われ、自分の食費を削り、貯金を使い果たし、借金をしてまで高齢家族を支え続け、共倒れになるケースが日本中で散見されます。働いても働いても苦しい、ぎりぎりの生活をしている、そんな家庭が少なくありません。

『お袋に保護を受けさせたことでこんなに楽になるのなら、家族の保険をすべて解約し、貯金も使い果たし借金までする前に、申請をすればよかった。もう、自分も定年間近なのに、老後の資金もありません。』

このような悲痛な声を、私は幾度となく聞いてきました。民間の行政書士事務所に生活保護の相談など、しなくて済む社会であるべきです。

さらに悪質なのは、親族を「追い込む」手法です。神奈川県では、親族が「家族の収入源や病気のために、これ以上の支援は不可能だ、生活の平穏を守るために訪問調査は控えてほしい」と明確に伝えていたにもかかわらず、職員がアポなしで親族宅を訪問。居留守と見るや窓を叩いて怒鳴り散らすといった、まるで取り立て屋のような威圧的行為に及びました。家族から相談を受けた行政書士の抗議に対し、県側は謝罪しましたが、「覆水盆に返らず」です。執拗な扶養照会、調査によるストレスから、ご家族の一人が体調を崩し、入院する事態にまで発展しました。

厚労省の通知では、親族関係が著しく不良な場合や、扶養照会によって自立に支障を及ぼす恐れがある場合は調査を控えるべきとされています。しかし一部の自治体では、「親族を追い込めば申請を諦めるだろう」とばかりに、悪質な水際作戦の道具としてこの調査が悪用されているのが実態です。

「法の下の平等」を取り戻すために

絶望的な状況下で、第三者が介入し、「全く同じようなケースで、〇〇県〇〇福祉事務所で〇年〇月〇日、支給が認められています」といった具体的な先例や判例を突きつけると、驚くほどあっさりと、しぶしぶながらも、決定が覆ることがあります。これは、行政側も自分たちの判断が法の統一性を欠き、「法の下の平等」に反していることを自覚している証拠でもあります。行政の現場では、生活保護手帳や問答集といった「共通のルールブック」が存在しているにもかかわらず、それが各自治体や担当者の独自の解釈によって捻じ曲げられ、地域差として現れています 。

一般の申請者にとって、窓口で「ダメだ」と言われることは、国家から「お前は見捨てる」と言われるに等しい衝撃です。しかし、そこでの判断が必ずしも正しいとは限りません。

一人の担当者の偏見や、一自治体の予算節約の犠牲になって、憲法で保障された生存権を諦める必要はないのです。生活保護制度における地域差を是正するためには、行政の恣意的な裁量を許さない厳格な運用体制の構築、そして不当な決定に対して声を上げる「権利意識」の向上が不可欠です。

この記事を読んでいる皆さんに知ってほしいのは、日本という国において、救われるべき命が地域という偶然によって選別されることは、断じて法が許すところではないという事実です。行政側が個別の事情に真摯に向き合い、法の理念に立ち返って公正な判断を行うその日まで、私たちは現場の矛盾を指摘し続けなければなりません。


ロールキャベツの出来上がり鍋


令和8年1月10日阪急インターナショナルで大阪府行政書士会賀詞交歓会


奥村会長からご挨拶して下さいました。目が合ったら自分から挨拶、素敵です。


政治家の先生のご入場を花道をつくってお出迎えします。


政治家や役員さんは、胸に赤い花をつけていらっしゃいます。


あれは維新の・・・お名前が出てこない・・・梅村みずほ先生は今年はお見えにならず残念でした。梅村先生も、目が合うと必ず笑顔で手を振って下さる気さくな先生。テレビや報道で見るのと、実際にお会いするのとでは、全く雰囲気がちがう方も少なくありません。自分自身で判断したいと常々思います。どの政治家に窮状を訴えても聴く耳を持ってくれなかった、でも、梅村みずほ先生は陰で支えになってくださった、そんなお話を直接伺ってきました。政治の世界に限らす、女性が潰されず生き残るためには、時に理不尽にも耐えなければいけないのでしょう。


私が新人行政書士の頃から親交の深い、尊敬する元警察官の岩見先生。大阪府行政書士会会長選挙に立候補した際も、推薦人になって下さいました。


2019年の大阪府行政書士会賀詞交歓会でも2ショットを撮らせて頂いた辻元清美先生。当時よりさらにお若くパワフルになられた印象。笑顔が素敵で気さくな先生。平和の党との共闘、応援しています。


弊所の力強い提携先の特定社会保険労務士、山田六郎先生と。


春色のお着物が素敵なフルノヒロコ先生と共通の話題で笑顔。


大阪府行政書士会の重鎮、中村伊知郎と知財の大先生とスーツの話題で盛り上がりました。


日本行政書士会連合会会長の宮本先生は、会場でもずっと携帯電話でお仕事をされているご様子。お忙しそうなので、遠目に。


お電話終わられてご挨拶できました。


政治家の先生もそうですが、腰が低く謙虚で尊敬します。皆さん、立派なご経歴の方々が私よりも深く頭を下げられるので、後から写真を見て反省も。今後の教訓に。


中村伊知郎先生にご紹介いただいたこちらの先生は、維新を最近離脱されて無所属とのこと。次期衆議院選を見込みがんばっていらっしゃいました。


立食パーティーの前に、こうして政治家の先生のお話を聞きます。


家ですき焼きは卵を沢山消費します


ピザで楽ちん


お正月の余ったカニで第二弾


令和8年1月17日大阪府行政書士会天王寺支部新年会は昭和レトロなお店


大阪府行政書士会長の奥村先生、支部長の池田先生


わかるでしょうか・・・このテーブルは動かせないのでスリムな人しか座れない壁側の席、なんともレトロ!


「この場面は三木さん、写真に撮らなきゃ!」と言ってくださったのは、前の腕(笑)前々大阪府行政書士会長の高尾明仁先生(前日本行政書士会連合会会長候補)。奥村会長も高尾会長も、明るく気遣いが素晴らしい先生方。最近の法改正(特に生活保護に関連する住所地特例のことなど)の意見交換をさせて頂き、非常に有意義な時間でした。


壁伝いにお立ちになって熱気の中スーツも着用で、頭が下がります。さすが会長。


ちょっと早く着いたので、御堂筋で自撮り。イルミネーションは万博~年始まで一年近く続きましたが、もう消えていました。イルミネーションのない御堂筋も落ち着いて良いものです。


親子丼は家のが一番おいしいです


きつねうどん冬のテッパン


令和8年はじまったばかり!何があっても負けずにがんばって生きましょう!

「意志あるところに道は開ける」
Where there’s a will, there’s a way.
奴隷解放宣言、「人民の、人民による、人民のための政治」という演説でも有名。南北戦争による国家分裂の危機を乗り越えたことなどが評価され、最も偉大な大統領とも言われるアメリカ合衆国第16代大統領(任1861年~1865年)。南北戦争終結後、観劇中に暗殺。