反差別国際運動(IMADR)の機関誌IMADR通信に寄稿記事が掲載されました
世界からあらゆる差別と人種主義の撤廃をめざす、国際人権NGOが、The International Movement Against All Forms of Discrimination and Racism 反差別国際運動 IMADRです。
昨年2024年10月、スイスジュネーブで開催された女性差別撤廃委員会(CEDAW)第9回日本政府報告の審査を傍聴した日本人は、約100人。その中の一人、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のスタッフ原優美がいました。
ジャーナリストみわよしこさんにお声がけ頂き、国連に提出の英文レポートには、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の三木ひとみが執筆した生活保護と女性士業にまつわる偏見差別の内容も含めて頂いています。
そして、みわよしこさんのご紹介を通じてIMADRの小森恵さんとご縁をいただき、ありがたいことにIMADR通信No.221号(2025年2月下旬発行)への寄稿を任されることとなりました。
通信連載「本の紹介」にて、「わたし生活保護を受けられますか」特定行政書士三木ひとみの著書の紹介記事を掲載頂きました。
通信発行1ヶ月後に、IMADRウェブサイトにも記事を掲載頂けるそうです。
IMADRは、1993年に日本に基盤を持つ人権NGOとして初めて国連協議資格を取得。以降は、ジュネーブに事務所を置き、国連人権理事会を含む人権諸機関による協議の場で提言活動をされています。
被差別マイノリティに対する差別の撤廃や、権利の確立に関する具体的な課題に関し、国連による決定や勧告を導き出し、国内における問題解決や改善につながるよう、またマイノリティが国連の人権制度を活用するための情報発信の取組に関する素晴らしい活動をされています。
日本に差別など存在しないという声も聞かれますが、私はそうは思いません。
IMADR通信No.212特集ヘイトスクラムに対抗するの号で、関西大学人権問題研究室の宮前千賀子さんの記事を読んで、心が震えました。以下、抜粋してご紹介します。
学校での体験
関東の製糸工場で努めていた高橋みす江は、小学校時代の体験を次のように語る。
・・・ある日、「このうちにエタの子がおるなら手をあげなさい」「エタの子には本を読むことを許しません」と嘲笑しながら言いました。・・・無論私は手を上げることはできませんでした。それは私はエタという言葉も知らず、どういうものか知らなかった時代でした・・・ところが、お隣の級友が「みす江さんはチョウリだとみんなが言いますから」と言いました。先生は、「チョウリもエタも同じだから、本を読むことを許しません」と私の手から読本を引ったくって持っていきました。私は小さな胸がいっぱいになって泣きました。皆の級友は、大きな声で笑いました。私は泣き泣き教室を出ました。・・・「もう学校へは参りません。」
日本は、国連人権諸条約を批准していますが、それら条約の実施に必要な国内法や制度は、整備されないままです。具体的には、被害者に対する相談、調査、救済を提供する国内人権機関の不存在です。自由権規約や人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約などに備えられている個人通報制度は、国内の裁判手続きを経て救済されない人権侵害の申立てを、個人が国連に通報できる制度ですが、これも日本では導入されていません。
多くの日本人女性が、国内で差別に直面し、司法においても男性中心社会であるがために女性蔑視が存在し、正当に救済を求めても救済されない現実を私も見てきました。
弱き立場の方々の声をつなげ、政府や国連に働きかけ、社会全体の課題として世の中に認識されるよう積極的な発信を長きにわたり継続されている国連人権NGOであるIMADRの通信に記事を掲載頂けたことは、大変貴重で光栄な機会で心より感謝申し上げます。