「弁護士JP生活保護連載」 第17回記事 令和7年5月25日

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過酷な労働環境で“頑張る”人ほど「地獄」を見る? 社会保障制度の落とし穴…行政書士がすすめる“回避方法”とは

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※障害年金に関する箇所については社労士・山田六郎氏に監修していただきました。厚くお礼申し上げます。

障害年金の申請を考える前に知っておきたい、もう一つの大切なこと
── 労災か私傷病か、初診日・納付要件・就労状況の確認がカギ

病気やけがで生活や就労に支障を感じ始めたとき、選択肢の一つとして「障害年金」の申請を検討される方は少なくありません。ですが、実際の制度は複雑で、申請の可否はさまざまな要件や制度間の関係性に左右されます。
今回は、記事本編に入りきらなかった【労災の適用可能性】や、【障害年金制度における重要な要件】について補足解説します。


■ 労災の可能性がある場合は?
まず確認すべきは、「その傷病が業務に起因するものかどうか」です。
たとえば、仕事中の事故や、通勤途中の転倒、長時間労働・ハラスメントなどが原因の精神疾患など、「業務上または通勤による負傷・疾病等」である場合には、労災保険制度(労働者災害補償保険法)の適用対象となる可能性があります。
この場合、原則として障害年金ではなく労災による障害補償給付等の対象になります。障害年金と労災は「選択制」ではなく、原因(私傷病か業務起因か)に応じて適用制度が決まります。
業務起因性や業務遂行性の有無といった判断は、医学的・法律的な観点を含み非常に専門的なため、判断に迷う場合は社会保険労務士(社労士)などの専門家への相談が不可欠です。


■ 障害年金の申請に必要な3つの基本要件
障害年金の受給には、以下の3つの要件をすべて満たしている必要があります。

①初診日要件
障害の原因となった傷病について、初めて医師の診療を受けた日(初診日)がいつかを確定する必要があります。この日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であることが原則です(例外あり)。

とくに、20歳前傷病(たとえば先天性疾患や若年発症の精神疾患など)の場合は、保険料納付要件が不要で障害基礎年金の対象となるため、初診日の確定が極めて重要です。

②保険料納付要件(一般要件および特例要件)
初診日の前日時点で、次のいずれかの要件を満たしている必要があります:

•原則要件(3分の2要件):
初診日の前々月までの期間において、被保険者期間の3分の2以上について保険料を納付済または法定免除されていること。
•特例要件(直近1年間要件):
初診日の前々月までの直近1年間に、未納が1か月もないこと。
※これは、原則要件を満たさない人向けの「時限的な特例措置」です。

なお、免除期間の保険料については、後から追納することにより納付済期間として扱われ、要件を満たせる可能性があります(ただし、初診日以前の追納に限る)。
また、現在は令和8年3月31日までの時限措置として、特例要件が適用されています(法改正等で延長・終了の可能性あり)。

③障害認定日の障害状態(現況)
障害等級は、原則として「初診日から1年6か月経過した日(障害認定日)」時点での症状をもとに認定されます。また、支給継続のためには定期的な診断書提出が必要であり、現在の生活状況や就労状況が審査に影響します。
たとえば、精神疾患での障害年金申請では、就労や一人暮らしといった事実が「ある程度の社会適応能力がある」と判断され、等級が軽くなることや不支給となることもあります。


■医師との連携が不可欠。診断書は「正確さ」が命
障害年金の審査において、最重要書類は「診断書」です。申請者の生活実態と診断書の内容が一致していないと、適切な等級認定がなされません。
そのため、自分の症状・困りごとを主治医に具体的に正確に伝えることが大切です。「嘘」は絶対NGですが、「実態を過小評価せず、正しく共有する」姿勢が必要です。


■制度を「知っておくこと」こそが最大の備えに
障害年金制度には多くの例外や特例が存在し、専門的知識なしでは正確に理解することが難しいのが実情です。
特に、納付要件や追納制度の存在を知らずに「自分は対象外だ」と誤解してしまうケースも少なくありません。申請を急がない場合でも、将来に備えて情報を収集し正しく制度を理解しておくことが、生活と権利を守る一歩につながります。

障害年金の申請件数は増加傾向にある一方で、不支給となる割合は高止まりしています。その背景には、社会保障費の抑制という観点からの審査の厳格化や、精神障害や発達障害など目に見えない障害に対する認定基準の曖昧さに加え、複雑な申請手続きを障害のある方が自力でやるのが困難であるという事情があります。専門家に依頼すると費用がかかるからと障害があっても自力でやろうとし、結果として厚生年金の対象外となってしまったり、あるいは生活費等を捻出するため無理をして働くことが仇になるケースもあります。

病気やけがにより働くことも日常生活を送ることも困難となった状態で、冷静な判断を自力ですることは至難の業です。自助も共助も期待できない状態で、公助につなげるための手助けをする公的支援が今求められていますが、弁護士JP/ヤフーニュース本編の記事を読まれた方には、何があっても日本では最低生活が守られることを知って頂けたのではないでしょうか。


卵と鶏肉煮込み


初夏の定番、手巻き寿司とスナップエンドウ


具材を切って並べるだけで、簡単なご馳走夕食に


ピザをデリバリーしてもらうより、手作りは安くて安心おいしいです。


青じそとシラスのピザなんて、お店になかなか、ないでしょう?生地は薄く、ヘルシーピザ。


2025年5月20日大阪府行政書士会舘談話室にて
行政書士の三木ひとみ、中川清行先生とご一緒に