桃に託された、静かな祈り──和歌山から届いた想い

長年、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所と交流のあった、今年最初の弊所ブログでもご紹介した「信子さん」。
四季折々、日本の津々浦々からお便りを下さっていたのですが、元日にお亡くなりになりました。もう、恒例の季節の便りは届かないと思っていたのに・・・ご主人が送ってくださいました。
ひまわりは、信子さんのイメージそのものです。

「岸和田SAにて 唯一無二の相棒を失って半年
いつも助手席に黙って座っていて、
話しかけたらふんふんと心地よい響き
大雨のなか助手席に向かってひとり
話しかけてもやはり返事はないよね。
さあ〜和歌山に向かって」

これは、長年連れ添った最愛の奥様を亡くされたご主人の道中のお言葉。

後日、和歌山から、見事な桃が届きました。奥様がご存命の頃、毎年のように贈ってくださっていた、あのやさしい甘さと香りの桃です。

今年も変わらず箱を開けた瞬間、私たちの胸は熱くなりました。そこには、夫婦の絆と、かけがえのない時間が、確かに詰まっていました。

私たち行政書士法人ひとみ綜合法務事務所では、お仕事を通してご家族のさまざまな節目に立ち会わせていただくことがあります。だからこそ、この桃に込められた意味が、私たちには痛いほど伝わってきました。

生前の奥様が、どれほど大切にご主人と日々を重ねられていたか。ご主人が、今も変わらぬ思いでその存在を感じておられるか。そのすべてが、桃のやさしい色と香りに宿っているように思えました。

助手席に座る相棒に向かって、雨の中そっと語りかけるその姿を想像すると、目頭が熱くなります。返事はもうないと分かっていても、つい、語りかけずにはいられない・・・それは、深く愛した証であり、今もなお心をともにしている証です。

お贈りくださった桃は、スタッフ一同でいただきました。
「信子さんが毎年届けてくださっていた桃ですね」
「今年は、なんて優しい味」
そんな会話が、自然と事務所のあちこちから聞こえてきました。

人の想いは、目には見えないけれど、こうして確かに受け継がれていきます。たとえ言葉が交わせなくなっても、ふとした瞬間に、懐かしい声が聞こえてくるようなことがあります。それが「記憶」や「感謝」や「愛」という、何よりも尊い絆なのだと思います。

今年もまた、変わらず和歌山の桃が届いたこと。
そのことに、私たちは深く感謝するとともに、
ご主人のお心に、そっと寄り添いたいと思います。

どうか、これからもお身体を大切に。
助手席には、きっと今も奥様が静かに座っておられます。
雨の日も晴れの日も、同じ景色を見つめながら──。


トマトとひまわりと梅ジュースを頂きました。

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