ママ、PTAって何?
前回→PTA非加入の決意
2.ママ、PTAって何?
時は、5年前に遡る。
2010年4月、夫の転勤で東京から大阪に越してきた。

そして娘の愛子は、小学2年生になる春から、大阪市の公立小学校に通うことになった。転入と同時に、ごく当たり前のこととしてPTA会費を払うようになった。
東京ではPTA会費は安くて、たしか年間で3000円程度だったと記憶としている。
しかし、ここ大阪では、その3倍以上の、子ども1人につき年間1万円が相場だそうだ。
PTA会費は1口100円で、口数は自己申告だという。やった、それなら1口100円だけにしておけば、PTA会費は年1,200円だ、それくらいなら・・・と一瞬にして主婦の財布計算に走ったのもつかの間。
「子どもさんのためにもできるだけ多くご協力をお願いします(平均は子どもさん1人あたり月7~8口です)。」
と注意書きされたプリントが学校経由で配られたのだ。
しかも、子どもの名前を記名した上で、何口収めるかを先生に提出しなければならない。
そのため、さすがに一口や二口と書くのはどうにも気が引けた。
平均よりも低い口数を記入すると先生から、「なんて親だ」などと思われるかもしれないと、すぐに不安と心配が胸を襲ってきたからだ。
やはり、1口と書いて出すのは、何ともバツが悪い。
あれこれ思案した挙句、結局、平均とされる月700円を給食費と一緒に銀行から引き落としで支払うことになった。
(義務教育の一貫の公立小学校の給食費と一緒に、任意加入の私的団体の月会費が抱き合わせで口座引きと落としということの違和感にも、当時は全く気付かなかった。このからくりの問題点、世間一般の方は果たしてどれだけわかるだろうか。)
本当は、下の子が生まれたばかりで家計は火の車だった。夫は会社員だが、給与は入社してからほとんど上がっていない。
月給30万でも、色々引かれて手取りは25万足らず。
家の35年ローン月9万円、交通の便が悪い夫の通勤に車は不可欠で維持費はかさみ、PTA月会費は1日分の我が家の食費に相当する。でも、かわいい愛子のためなのだから、仕方ないのだ。
当時、私は専業主婦。できるだけ子どものために、PTA活動に関わって、お世話になる学校の教育活動に貢献したい、と考えていた。
東京の小学校でも、PTAの委員に立候補して運動会の受付をしたし、大阪の小学校でも東京の小学校と同じように、色々と子どものためにPTAや行事などボランティアとして手伝おうと考えていた。
私の母親は昔から働いていて、学校の行事に来ることがほとんどなかった。
そんな中、友達のお母さんが学校にPTAの用事でしょっちゅうやって来るのを見て、子ども心にうらやましかった。
だから、自分の子どもには同じ思いをさせたくない、と思っていた。
「ママ、ちょっと聞いてもいい?今日、先生に配られた紙に書いてある、PTAって何?」
「PTAのPはParent、ママとかパパのことね。TはTeachers、先生たちね。AはAssociation、組織。これはちょっと難しいかな。パパ・ママと先生で協力して、愛子ちゃんや他の子たちが楽しく学校で過ごせるように頑張る会なんだよ。たぶんね。」
この頃は、まだPTAという組織について、深く考えることはなかった。
※この連載は実話を元にしたフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


