生活保護相談を担当しています、行政書士の三木ひとみです。
今回は、私が最近危惧している今年の生活保護費見直しと、それに伴う子どもを持つ生活保護受給家庭への影響について書きたいと思います。

2018年生活保護基準の見直しで保護費が減額

生活保護の受給金額は、居住場所や家族構成、家賃額や収入・仕送りを受けている金額などによって変動しますが、算定基準額の見直しが今年秋から始まります。今回の見直しでは、全国の生活保護受給者の3分の2の世帯が最大で現在の受給額に比べて、5%減額になるといわれています。

生活保護費、160億円削減=減額幅最大5%-財務、厚労両省:時事ドットコム

Falling down - feeling low
Falling down – feeling low / Maria Eklind

この保護受給額は5年ごとに見直しがされますが、前回2013年の生活保護減額の際は、生活保護費が減額となったことで小中学校の学費や給食費が免除あるいは減免される修学援助を受けられなくなった世帯が多く混乱を招きました。

小中学生のいる世帯に学用品や給食費を援助する就学援助は、各自治体が生活保護受給額を参考に対象者を決定します。そのため、この生活保護費の基準が下がったことで、受けられていた子供関連の援助までなくなってしまい、二重の生活苦を強いられた世帯が多かったということです。

生活保護費の減額による子ども達への影響

今回2018年秋の保護費見直しにおいても、都市部を中心に受給額が減額となる見通しのため、就学援助についても縮小が予想されます。

メディアでも最近ようやく子どもの貧困がクローズアップして取り上げられるようになりましたが、私はこの生活保護相談の仕事を通して、日々深刻な子どもの貧困に直面することが多々あります。

日イヅル國ノ
日イヅル國ノ / yosuke watanabe

栄養不足の状態のお子さんを連れて当事務所に相談に来られるお客様は多く、中高年のひきこもり状態の親御さんが半数以上を占めます。中には、まだ中学生高校生のお子さんが、ひきこもり状態の親を連れて当事務所に来られるケースもあります。

ひきこもりは従来、子どもや若者の問題とされてきましたが、学童期の不登校がきっかけで大人になってからもその延長で社会に出ていくことができないケースが増えています。

学校に通う年齢の子を持つ親で、父母共に引きこもりというお客様のサポートも当事務所は数多くしているので、この現状は日々目の当たりにしているわけです。長年引きこもりだった方は性質も穏やかで優しい方ばかりで、それゆえに社会とのかかわりに他者からみると過剰なまでに恐れを抱いています。

生活保護費が減るだけでなく、子どもさんへの就学援助までカットされてしまうと、引きこもり状態で生活保護受給をされている親御さんはますます追い詰められてしまうのではないかと危惧しています。

また、引きこもり状態で生活力のない親御さんを連れて当事務所に生活保護相談に来られた学生さんのことを考えると、これ以上の生活保護費の削減は、生活保護受給世帯のお子さんの進学や将来の可能性を閉ざしてしまうことになるのではないかとも思うのです。

関連記事

生活保護費の過誤払いは返還不要 東京地裁... 一般的にはあまり知られていませんが、生活保護に関する裁判は毎年全国各地で多数起こされています。福祉事務所のミスにより多く支給されていた生活保護費の返還を求められ、裁判に訴えていたシングルマザーの全面勝訴判決は、一部メディアにも取りあげられました。 生活保護の返還金額の決定処分が取り消される ...
生活保護受給者が多数暮らす自立支援住宅での火災事故を受けて... 北海道札幌市にある、生活保護受給者の方も多く暮らしていた自立支援住宅で先日火災が起こり、多数の死者を出したことは記憶に新しいでしょう。 →生活保護者の自立支援施設で火事。11人が死亡 札幌・東区 P1140740 / Truthiness こうした生活困窮者の方々が入居する施設の劣...