行政書士法人ひとみ綜合法務事務所で生活保護相談を担当している、行政書士の三木ひとみです。

お盆明けの今週も、蒸し暑さと激しい熱波の日が続き、無職無収入、誰からも助けを得られず一人暮らしの女性のお客様がご無事でいらっしゃるか、気になって仕方ありません。

安否が気になるお客さま

一人暮らしで生活に困窮している高齢女性タラさん(仮名)。ご本人は携帯電話がなく、ご家族は仕事もあり遠方在住。この暑さのなか、全く連絡が取れません。

そして何より、何度言っても役所が動かないので、今日仕事の合間に炎天下の中、ご本人が住んでいるはずのマンションへ行政書士の私一人で出向きました。

でも、チャイムを何度鳴らしても、応答なし。

ドアを何度も何度もたたき、お名前を呼びましたが、お出になりません。躊躇しながらもドアのポストから中を覗きましたが、様子は伺えません。ポストの中の郵便物はたまったままでしたが、そこに私の名刺と、連絡くださいと書いたメモを入れてマンションを後にしました。

動いてくれない役所

ご家族にメールで(お電話はお仕事中で出られないとのことなので)写真と共にご報告し、すぐに役所にも、福祉事務所とその本庁に連絡し、生命の危険もあるため早急に家庭訪問して安否確認してくださいと伝えました。

が、17時半の役所閉庁時間になっても連絡はなく、こちらから福祉事務所に再度連絡して緊急・生命の危険も及ぶことを何度も伝えましたが、
『担当者は帰りました。もう庶務の者しかいないので、わかりません。』
と、冷徹な対応。

これぞ、役所の怠慢にほかなりません。特定行政書士が申請書を代理作成し、使者として代理提出、生活保護申請をしてから一週間経とうというのに、重い腰を上げない大阪の某福祉事務所。

『生命の危険もあるため早急に家庭訪問をして本人の安否確認と、生活保護審査を進めてほしい』

再三にわたり、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所から要請をしているにもかかわらず、未だ担当者は涼しいエアコンの効いた室内にいて、熱中症の危険もある中、病気で役所に行くことのできない申請者の実態を把握しようとしません。

家主から追い出される寸前まで追い詰められた生活保護申請者

無職無収入、一人暮らしの高齢女性タラさん(仮名)。今までどうやって生活してきたか?

タラさんはいわゆるニート状態で、親御さんが元気で収入があるうちは、仕送りをしてもらって生活できていました。が、お父様は急逝、お母様は認知症により後見人に弁護士が就任し、お母様の収入資産を管理するようになりました。

その後見人弁護士の判断で、これまで命綱だったタラさんへの仕送りが打ち切られ、家賃を何か月も滞納し、家主より滞納を理由に裁判を起こされる事態に発展したのです。

疎遠だったタラさんのご兄弟は、最近になってタラさんの生活困窮のことを知り、食料を買うお金もないタラさんのために、ごくたまに家を訪問してスーパーで買ったお寿司を差し入れる程度はしていたそうです。

ただ、ご兄弟も自分たちの生活もあり、正直タラさんのことを疎ましく思うところもあったようで、本当にかろうじて命をつなぐ程度の援助しかできていなかったようです。

経済的なことだけでなく、もうタラさんに関わりたくないという思いもあったようで、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所にタラさんの生活保護申請手続きを
『すべてやってほしい』
と委任されてきました。

ご本人さんは携帯電話もなく、ご兄弟も連絡は取れないので、行政書士さんにすべて任せます、と何度もおっしゃいます。

生活保護申請を受理しながら動きが鈍い福祉事務所

そもそも、タラさんはここまで生活困窮する前に、ご兄弟が一緒に福祉事務所まで付き添って生活保護の相談に行かれていたのです。

でも、そのときに親身に相談にのってもらえず、門前払いされ、結果として家賃滞納がかさみ裁判を起こされ、ご本人もご家族もますます辛い状況に追い込まれてしまったのです。

このようなケースは、タラ様だけではなく、全国で沢山あり、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所にも同様の相談はしょっちゅうです。そのため、私は行政書士としてできることを迅速に、即日申請書を作成し翌日には福祉事務所に使者として申請書を代理提出し、早急な家庭訪問と必要な緊急支援を福祉事務所に求めました。

通常は、ここで福祉事務所が動いてくれます。

生命の危険があるのですから、当然といえば、当然。福祉事務所に申請書を提出して事情を伝えるやいなや、ご本人の安否確認をするため行政書士と一緒に家庭訪問をしてくれた福祉事務所は過去沢山あります。

ところが、この大阪の福祉事務所は、ご本人が役所の窓口に来ないと審査を進めないの一点張り。

役所『ご本人が入院しているなら、役所に来れないので病院に行きますけど』

行政書士の私『お金がないので病院にも行けないそうですよ』

役所『病名は何ですか?』

行政書士の私『お金がないので病院に行けないそうなので、病名もわからないようです。そもそもご兄弟は疎遠だったので、詳しいことはわからず、ただわかることは、生活困窮し食べるものにも困っていること、病気がひどくて役所に一人で行くことができないこと、家族も仕事があり遠方在住で役所に連れていけないこと。なので、今日にでも家庭訪問してご本人に会ってください。生活保護申請は、本人申請ですので、ご本人に会って困窮具合と生活保護申請の意思確認をしてください。』

役所『だから、病名は何ですか?』

行政書士の私『・・・今、説明しましたよね?』

上記会話がエンドレスに繰り返されるのです。

上司の名前を聞いても、当初は答えませんでした。ようやく上司の名前を聞き出しても、対応は自分がします、の一点張り。

上級行政庁に昨日から何度も相談していますが、上級行政庁は上級行政庁で、
『こちらには権限がないので、申請した管轄福祉事務所に相談してください』

行政書士の私『何度も今日も連絡していますが、担当者不在と言われ、折り返しの連絡もありません。上級行政庁から、当該福祉事務所に伝達してください。』

役所『はいはい、わかりました。伝えておきます。』

このようなやり取りが月曜朝から続き、今日の午後、どうにも心配になって行政書士の私がご本人の居住マンションを訪ねましたが、冒頭の通り安否確認ができなかったのです。

過去には同じような事例で最悪の事態になったケースも

一昨年、同様のケースが神奈川県横浜市でありました。申請者の方は、役所が家庭訪問をしてくれない間に、
『役所に行かないと生活保護を受けられないなら、死ぬ』
とパートナーの方に言い残し、自殺してしまったのです。

そして、ご本人の死後、生活保護は皮肉にも決定し、ご本人の火葬代が生活保護費として支給されました。

上記の横浜市での悲しい出来事も、今回大阪の福祉事務所の担当者に伝えましたが、
『そうですか。大阪は大阪、横浜は横浜。』
と、意味のわからない、血の通っている人間とも思えないような反応、返答でした。

何度も大阪の公益通報システムから電子でも要請していますが、一昨年の横浜の二の舞は何としても避けなければいけません。

横浜の件では、結局報道もされず、行政も何も責任は取りませんでした。同棲していて、一緒に生活していたパートナーの女性が自殺に追い込んだと親族や知人は思いこみ、パートナー女性は自死により男性を失った悲しみから精神疾患を発症し、女性もまた自殺未遂をその後起こしています。(それでも行政書士の私のことを信頼してくれ、その後生活保護申請と引越しのご相談をいただき、現在は無事に生活保護を受けながら病気の治療に専念されています。)

この話は現在進行形です(2019/8/21)

何より、人命優先。

明日も役所が動かなければ、再度ご本人宅へ行き、応答がなければ警察に通報して安否確認をしてもらっても構わないか、現在ご家族さんからのメール返信待ちです・・・。

ご家族様から仮にご返信がなかったとしても、明日役所が動いてくれず、行政書士がマンションへ行っても生活困窮状態のご本人の安否確認が取れなければ、110番通報するしかないでしょう・・・。

外は暑いのに、心が寒くなるお盆明けとなりました。