家庭訪問同席の一週間(三重・兵庫・鳥取・島根・広島・大阪)~生活保護基準引き下げについて生の意見を伺って~


令和2年第3週は、成人の日の祝日があったので平日の役所開庁日は4日しかありません。生活保護の新規申請の審査期間は標準処理期間が2週間、最長30日ですから、12月の年末休み前に全国の福祉事務所に行政書士法人ひとみ綜合法務事務所がお客様の代わりに提出した生活保護申請書について、役所もそろそろ決定を出さなければいけない時期です。

そのため、今週はお客様から「役所の人が生活保護審査の調査のために家に来るので、同席してほしい」というご依頼が非常に多く、毎日午前と午後に家庭訪問同席が最低1件ずつある状況でした。

上の写真は、三重県志摩半島の中央部に位置する的矢(まとや)港。カキ・海苔の養殖漁業が盛んな沿岸漁業、近海漁業の基地として、また観光リゾートの拠点としても有名ですが、三重県は忍者と白亜三層の端麗な姿で白鳳城とも呼ばれる伊賀上野城の有名な伊賀(観光はできませんでしたが)、ナガシマスパーランドのある観光都市桑名(木曽川・長良川・揖斐川の木曾三川の河口にある桑名市は古くから栄えた湾岸都市で、戦災と伊勢湾台風被害によって往時の面影はあまり残されていませんが、歴史ある町の空気を感じます)のお客様の所へも伺ったので、ゆっくりはできませんでした。


家庭訪問同席については、通常の行政書士費用に加えて行政書士の交通費も発生するため、極力お客様のご負担のないようお電話やメールでサポートさせていただきます。ただ、それでも不安感から行政書士の同席を希望されるお客様は少なくありません。こちらの女性のお客様も、生活保護新規申請時の審査から保護開始後の定期訪問も毎回同席させていただいています。担当ケースワーカーとも、行政書士がお客様の代わりに電話でやり取りして都合を調整して、訪問日を決めています。

心身共に健康な人からしたら、「それくらいのこと、行政書士に頼まなくてもできるのでは?」と思われるかもしれません。

でも実際、
「役所の電話番号が携帯電話に表示されるだけで心臓が止まりそうになる」
「ケースワーカーの声を聞くだけで辛くなる」
このように訴える方は老若男女問わずいらっしゃるので、行政と市民の方の架け橋になることが使命の街の法律家として、法令に則り、行政書士の身でできることは可能な限りサポートさせていただいています。


広島や三陸のイメージが強い牡蠣ですが、三重県志摩市の「的矢かき」も極上です。冬場ならではの焼き牡蠣、美しく豊かな海でふっくらと育った甘みはまさに海のミルク、最高に美味しい仕事の合間のご褒美でした。

ただ、次のお客様先へ急ぐ必要があったので、写真にも焦りが出てブレてしまっています。


鳥取県米子市(よなごし)は県庁所在地ではありませんが、山陰地方の中央に位置する立地から、企業や医療機関が集中しています。病院に長期入院中のお客様の訪問は、病室にて行われました。他県にお住まいのご家族様の依頼を受けての同席でした。


牡丹の花が有名な島根県松江市の大根島へも足を運びました。高齢でお一人暮らしをされている、顧問契約のお客様を訪問するため、米子市から車を30分走らせました。平日日中は役所からの電話連絡がいつあるかわからないので、携帯電話が使えるように移動は基本的に車です。大阪の事務所から、沖縄以外はほぼ車で出張してきました。(通常移動は新幹線か飛行機の士業の先生が殆どですので、同業者間でも珍しがられます。)


広島への出張は、女性スタッフ3人で行きました。家庭訪問の同席がほぼ同じ時間に、広島市内と呉市であったので、女性の同席を希望する男性恐怖症のお客様のために女性スタッフで手分けしてお客様に付き添いました。
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は、とにかく人柄重視で採用するので若いスタッフも皆優しい子ばかりです。


家庭訪問出張では、お客様から宿泊費はいただかないため、日帰りです。観光をしている暇はとてもないのですが、広島市へ出張のときに原爆ドームだけは短時間でもなるべく立ち寄って、戦争の惨禍に思いを馳せ現代の平和に感謝しています。


毎年、お正月休み明けの1~3月は本当に生活保護の相談が多いのです。電話もパソコンも手放せません。来週は、関東方面の顧問契約のお客様の家庭訪問のサポートを電話でします。ケースワーカーが来る時間をあらかじめ行政書士の都合に合わせてもらったので、チャイムが鳴ったらお客様が行政書士事務所にお電話をされ(必ず繋がるよう通常使わない携帯電話を使用します)、役所の人が家にいる間中お客様が電話を女性行政書士とつないでおくということで、ケースワーカーにも了承を得ています。

以前、福祉事務所の不手際によって保護費が減額されてしまったお客様は行政への不信感が強く、家庭訪問に対応できずにいました。役所もご本人が困窮状態にあることは重々分かっているものの、上級行政庁から家庭訪問に応じていない現状を指摘され、板挟み状態で困っていたのです。

そのため、遠方から私共行政書士が出張する費用を工面することが難しいお客様、でも女性行政書士が同席しないと家庭訪問を受けられないと嘆くお客様に、苦肉の策として電話でずっと繋がっていながら家庭訪問を受けて頂く運びになったのです。
役所のケースワーカーも上司に相談し、公認の元に電話による家庭訪問サポートを行うことになりました。


この写真は、日本ではなくベトナムです。昨年、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の原さんが出張した際のものです。今回の出張は、研修生を日本に派遣するベトナムの日本語教育機関を訪問することが目的でした。

ベトナムの平均給与は、月3万円程度といわれています。でも、日本企業で技能実習生として学び帰国して、培った日本語能力を武器に仕事をすると平均収入が上がり、将来の展望が開けると夢を抱いて日本語を学ぶベトナム人学生がとても多いのです。

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の松原本社では、日本で技能実習生として生活するベトナム人の方々にボランティアで日本語を教えていますが、日本人として悲しくなってしまうような低賃金での残業を強いられたり、不当な差別をされて悲しい思いをしている若い方々を目の当たりにしてきました。

2013年から行われた厚生労働省による生活扶助費最大10%引き下げについては、現在も全国で千人余りが裁判所に引き下げ処分の取り消しと損害賠償を求めて提訴していますが、生活保護基準をさらに下回る厳しい生活をしている若い外国人も沢山います。

今週家庭訪問同席をした行政書士法人ひとみ綜合法務事務所が関わる生活保護受給者のお客様で、「今の生活保護費では到底生活が成り立たない」と愚痴をこぼされた方は一人もおらず、皆さん出てくる言葉は生活保護制度のおかげで助かっているという素直な思いばかりでした。

また、中には
「自炊をして節約して生活していれば、生活保護費で貯金だってできるし、行政書士の先生に業務を依頼するお金だって払えるのに、生活ができないなんて言っている人達はどういう生活をしているのだろう?」
とおっしゃった方もいました。

「生活保護を受けている人の方が、低い国民年金額のみで生活している人や低賃金で必死に働いている人より豊かな生活をするのはおかしい(=だから保護費は下げられて当然)」

このような意見もありますが、生活保護基準は、日本のナショナルミニマム、国の最低生活保障の指標になっていて、最低賃金や年金額にも影響します。住民税の非課税限度額、就学援助基準、医療・介護保険料などほかの47制度とも連動しているため、この基準の引き下げというのは生活保護を受けている人のみならず、実は庶民皆の生活に直結する問題なのです。

一府五県を飛び回って、同じ生活保護受給者という枠組みでも、年齢も立場も異なるお客様の様々な意見を伺い、生き様を見て、色々と考えさせられた一週間でした・・・いえいえ、まだ今日は木曜日、終わりではありません。

今朝は大阪市内で一件、午後は兵庫県で顧問契約のお客様の家庭訪問に同席しました。明日は、大阪市内で3件の家庭訪問同席を予定しているので、榎田行政書士と一緒に他の仕事もしつつ、電話とパソコンの入った重い鞄と共に近距離を飛び回ることになりそうです!

家庭訪問同席の一週間(三重・兵庫・鳥取・島根・広島・大阪)~生活保護基準引き下げについて生の意見を伺って~”へ6件のコメント

  1. アバター 福岡県 S様 より:

    すごい❗素敵な写真ばかり。

    癒されました。美味しそうなお食事の画像にお腹がぐぅ~と鳴りました。

    ほんとうに文字通り日本中飛び回られてるのですね。
    お疲れ様です。しかも車で移動とのことでびっくり❗
    事故にはお気をつけ下さい。
    いまだにあおり運転してくる車がいますからね。

    女性スタッフのお二人、ほんとに優しそう。

    私も採用の第一条件は人柄だと思います。

    スキルは後からいくらでものばせますものね。
    まずはなんと言っても素直で優しい性格が一番。

    私も保護費が少なすぎるなど思ったことはないですね。

    不思議です。もらって当たり前とかお考えなんでしょうか?
    かつては自分自身も必死で働いて払っていた血税。
    ありがたく頂いてやりくりしようといつも振り込まれた通帳を見たとき思います。

    それを忘れないようにしたいですね。

  2. アバター 長田俊明 より:

    ひとみ先生

    おはようございます。Facebookでお世話になっている長田です。
    ブログ初めて拝読しました。

    このようになかなか表に出てこない現実のことを詳細に情報発信することは
    とても重要で有意義なことだと思います。

    先生に出会えたひとは幸せです。
    応援しています!!

    長田俊明

  3. アバター 行政書士三木ひとみ より:

    S様、若いスタッフ2人(原さんと森脇さん)を「優しそう」とお褒めいただき、ありがとうございます!昨年新しく入ってくれた行政書士補助者(国家資格の行政書士も目指しています)の瀧下さんも、アルバイトの武田さんも、本当に皆誠実で真面目で、素晴らしい若い才能を秘めた行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の自慢のスタッフなんですよ。

    近年メディアでもよく取り挙げられる煽り運転は、実際何度も被害に遭っています。高速道路を毎日のように走りますし、長距離移動も多いのでリスクも当然増えますし、当法人の利点である『優しそう』な雰囲気もあるのかもしれません。

    でも、違法行為や公共の利益に反する迷惑な他者の言動については、街の法律家として徹底して法的に対抗します。煽り運転があった場合は、即座にその該当車(ナンバープレート)を写真撮影したうえで車中から110番通報し、警察にリアルタイムで実況中継しながら対応するなど、徹底しています。昨年の東京出張時は、渋谷の路上で赤信号停車中に窓を男性に叩かれ若い女性スタッフが開けそうになったので、寸前で私が止めて事なきを得ました。
    日本に在留する外国人数も急増の一途をたどっていますし、日本の安全神話はもはや過信は禁物、自衛はもちろんのこと、何かあったら一人で対応せず警察にすぐ連絡することが身を守ることに繋がりますが、若い時分は純粋で人を疑わないようなところがあるので、スタッフを守らなければという使命感もありますね。

    それから生活保護費減額ですが、今春には地裁の判決も出るので注目しているところです。

  4. アバター 特定行政書士三木ひとみ より:

    長田俊明先生、ブログをお読みいただいてのコメント、ありがとうございます!
    Facebookは当初、この行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のブログやお客様の声を広く世に発信できるように(どうしてもホームページとなると、生活保護というキーワード検索する方など最初から生活保護について関心がある方にしか発信できないので)、偏見の目で見られがちな生活保護について正しい理解を一人でも多くの方にしていただくことで、憲法第25条および生活保護法で具体的に保障される「健康で文化的な生活水準」が保たれないがために困窮し、苦しむ方が減って、気負うことなく堂々と制度に助けてもらうことで健康な自立した生活を再び営むことができるように、そんな願いを込めて一年程前から始めたのです。

    匿名のSNSと異なり、実名のFacebookは行政書士、弁護士、税理士、社労士といった士業の先生方と有意義な法令・判例知識や実務等の情報交換ができる場としても、大いに活用しています。
    長田先生は行政書士でいらっしゃるだけでなく、不動産業もメインでされていらっしゃるので、今後またご相談させていただくこともあるかもしれません。

  5. アバター 松下ひでお より:

    先生今日はありがとうございました
    また色々と教えてください!
    実際会ったら倍々で魅力的でした!
    またよろしくお願いします!

  6. アバター 行政書士三木ひとみ より:

    松下秀雄先生、大阪府行政書士会天王寺支部の新年会では、こちらこそ貴重な意見交換をさせていただきありがとうございました。
    街の法律家である行政書士が扱える分野は非常に幅広いので、それぞれの先生は特化された専門分野をお持ちで、私共行政書士法人ひとみ綜合法務事務所で直接対応するよりも専門の先生をご紹介した方がお客様の利益に叶う場合などは他の先生をご紹介させていただいています。行政書士会や支部の集まりは、そうした専門分野をお持ちの先生方と横の繋がりを強化できる貴重な場なので、今後も積極的に参加して参りたいと思っています。
    こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。

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