行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に毎日全国から寄せられる生活保護相談のうち、『コロナによる失業で住まいも失った』という方が顕著に増えています。

経済的理由で住まいを失った方や家賃が払えなくなった方から、役所への公営住宅の入居相談も、緊急事態宣言後に急増。リーマン・ショックを上回る勢いで、住まいの危機が深刻化していることが、今朝の毎日新聞一面でも報道されていました。

東京都はネットカフェ難民への独自支援でビジネスホテルに一時受け入れ後、都営住宅に移ってもらう計画をしています。国土交通省も、公営住宅を無償提供するよう都道府県に要請しています。でも、実際には支援からこぼれ落ちてしまう人が多くいることが、お客様のご相談を受けているとよくわかります。

40代男性のお客様は、収入が不安定で家賃が払えなくなってしまい、半年ほどゴミ収集などの派遣の仕事をしながら、ネットカフェを転々としていました。コロナ不況により、労働単価の高い派遣スタッフは打ち切られてしまい、東京で休業要請が出たためネットカフェにも居られなくなってしまったのです。

路上生活寸前のところで役所に相談に行くと、無料の一時滞在施設を紹介されたとのこと。用意された簡易ベッドで身体を休め、ウーバーイーツの配達員を始めたものの、コロナに感染してしまうかもしれないという恐怖心で夜眠れなくなってしまったと、深夜2時に行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に電話があったのです。


こちらは少し前に頂いた、別のお客様からのお手紙です。この方も職と住まいを同時に失い、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所とお付き合いのある家主さんの善意によって初期費用免除で賃貸物件に入居させてもらい、生活保護決定したものの、刑事事件を起こしてしまったのです。しっかりと罪を償って、再び社会に出たときには、行政書士としてまたできるサポートはさせてもらいますと伝えています。家主さんが優しい方で、荷物もすべて出所までそのまま無償で預かってくれています(※逮捕された日から生活保護は打ち切りになったため、役所からの支給は一切ないのです)。

お客様の緊急時に備え、夜間の電話も行政書士の携帯電話に転送しているものの、行政書士にも生活があるため翌日あらためてお電話していただくようお願いすると、9時ちょうどに再度お電話がありました。眠れず朝を待ったということで、心が痛みました。

『実家は鹿児島にあるけれども、年老いた親のところへ、コロナ感染しているかもしれない自分が帰るわけにはいかないんです。』

安定した住まいを確保して、病院に通って不眠症など健康状態を回復させたうえで、コロナによる休業要請や外出自粛がある程度解除されてから、就職活動をしたいという結論に至りました。

仕事の多い都内近郊で生活したいというお客様の希望に合った物件を、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の提携する民間の不動産会社さんのご厚意により、初期費用免除で入居審査を通してもらい、公的施設から賃貸物件に引越をする日に合わせて行政書士が福祉事務所にお客様の生活保護開始申請書を提出しました。


コロナ前は、お客様がよく来られていたご相談スペース。緊急事態宣言発令後は、基本的にスタッフも出来る限りテレワークでしたが、行政書士2名は変わらず全国から寄せられる不要不急ではないご相談に対応していました。


ここは行政書士の自宅兼事務所なので、このようにお客様とご一緒に食卓を囲むことも時折ありました。こちらも、コロナ前の今年の1月の様子です。今は極力対面相談ではなく、電話・メール・ネット相談をお願いしています。生活保護申請後の家庭訪問は避けることができませんが、短時間で済むよう役所も配慮してくれています。

福島県にお住いの50代女性のお客様は、東日本大震災の被災者でもありました。当時、自営業の元ご主人と数千万の借金を抱えて倒産。離婚後、夜のスナック勤務だけで払えないときは、風俗店に勤務することもあったそうですが、ずっと負債を払い続け、あと少しで完済というところでコロナ禍により水商売も風俗店勤務もできなくなり、絶望的という切羽詰まったご相談でした。

もっと以前にご自分で役所に相談に行ったところ、自己破産をしなければ生活保護は受けられない、子どもの学資保険も解約して解約返戻金をまず生活費に充てるよう言われて諦めてしまったとのこと。

『自業自得ですが、毎月の家賃支払いと借金返済、生活費が払えるか、この年になると夜の仕事も風俗の仕事もお客さんに指名してもらわないとお店を辞めさせられてしまうし、気を休めることもできませんでした。』

働きづめの毎日で、どれほどご苦労されたことでしょう。私も今は行政書士として仕事をしていますが、高校、大学と日本育英会の奨学金や学校独自の奨学金を借りていたため、社会に出たときには既に1千万近い奨学金という名目の負債を抱えていました。あの負債がなければ、もっと精神的にも楽で、楽しい20代を送れたのではないかと思うこともあります。


この写真は、今からもう20年近く前のものです。生後1ヶ月の娘の記録を残したいと、3万円という当時の若いシングルマザーには大金を払って写真屋さんで撮影してもらいました。純白のベビードレスは、善意の方から譲っていただいたもので、他人様の優しさに支えられて懸命に生きていました。

色々とお客様の胸の内をお聞きし、生活保護制度の中身をご説明したうえで、最終的にお客様のご判断で生活保護申請に至りました。でも、借金はもともと背負った金額からすると、あとわずか。完済してしまって、コロナが収束したら今まで信頼関係を築いてきたお客様も待ってくれているから、いずれ自分のお店を開きたいという夢をお持ちだったのです。生活保護を受けながら生活費を切り詰め、借金返済を続けるというご決断をされました。

ペットもいる、家賃も高いということで、お一人で悩んで苦しまれていたそうですが、ペットを手放す必要もないし、家賃が高いと生活保護を受けられないわけでもないことをご説明すると、とても安心されていました。

コロナさえなければ、まず生活保護とは無縁だったであろう、若く健康かつ才能あふれる方からのご相談も増えています。劇団員の方や芸人さんの中には、本業だけでなく生活を支えてきたアルバイト収入も途絶え、極貧生活を余儀なくされている方も少なくないようです。緊急事態宣言は一部地域は既に解除されたとはいえ、閉鎖空間に大勢が集まる劇場は、まさに3密(密閉、密集、密接のすべてに当てはまり、感染リスクが非常に高いこと)。

宝塚歌劇も6月末まで全公演を休園としていますし、劇場街はそこも閑散としています。何の補償にも該当しない若いスタッフさんたちは、仕事の見通しも立たない中、窮地に追い込まれています。このままでは、日本の演劇や芸術の灯が消えてしまいかねないと危惧しています。