昨日令和2年5月26日、大阪府行政書士会第71回定時総会がリッツカールトン大阪で開催されました。

今回はコロナの影響もあって、時短で13時開始。総会後に毎年壮麗に開催される、立食形式の懇親パーティーも中止でした。

新型コロナウィルスの感染拡大で、世界各国の株主総会が様変わりしましたが、日本では規制がありインターネットでの開催が欧米に比べ進んでいません。

昨年の総会のことを書いたブログでも触れましたが、定時総会とは、組織の最高意思決定の場。ただ、残念ながら大半の行政書士会員は、コロナ下に限らず例年、議決権行使書のハガキを事前に大阪府行政書士会に送付することで当日の総会に参加していないのが現状です。

今年はホテルの立食懇親会(無料)がないため、例年以上に参加者は少なく、ざっと見た限り執行部といって質問回答をする役員数十名と、日当報酬が発生する名札整理や事務作業をされる運営側スタッフ以外の純粋な会員参加者は、30名もいなかったと思います。

大阪よりも登録行政書士数の多い東京都行政書士会は、定時総会に出席できるのは議決権を持つ代議員という立場の支部を代表する行政書士のみで、希望者全員が参加できるわけではありません。そのため、希望する全ての行政書士が参加可能という大阪府行政書士会の総会は、大阪府のすべての行政書士が強制加入団体に毎月支払う会費の使途の透明性や活動状況に質問を直接することができる、貴重な場といえます。

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所では今年も、特定行政書士の榎田啓と私、三木ひとみの2名で参加し、賛成できない議案については質問提起しました。


こちらは総会前に、服飾関係のお仕事をされているお客様が、『ぜひ大阪府行政書士会の総会用に』とお送り下さった素敵な抗菌マスクです。何度も洗えて使え、また服飾メーカーのマスクだけに素材も柔らかく伸縮性と通気性に優れ、大変助かりました。


総会の前後、休み時間だけでなく、平日日中はどうしても行政書士事務所常駐のスタッフだけでは対応できない、担当行政書士が直接電話で連絡しなければいけない事案が多々発生するため、電話は手放せません。


リッツカールトン大阪は、至るところに椅子が用意されていて迷路のように広いので、マナーモードにしている携帯電話が鳴るたびに会場を出て、電話対応しながらの参加でした。

質問する行政書士は毎年とても少なく、昨年も5名程度でした。今年はコロナ禍における配慮から質問は当日総会に来なくても事前に書面提出することで、回答も大阪府行政書士会HP会員ページに記載してもらえるという臨機応変な措置があったものの、当日配布された質問一覧を見て驚きました。質問者は、当事務所の行政書士以外はたった3名。対して大阪府行政書士会の会員数は3月末時点で3,408名。


検温をし、マスクを装着しなければ会場に入ることはできません。また、受け付けには飛沫感染を防ぐために、透明のシートが貼られていました。

今年は総会前に、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に当日の議事進行係の責任者である行政書士の先生から電話連絡があり、事前に提出した質問書のうち、1つは控えてもらえないかという打診がありました。

その質問というのは、議案の一つである綱紀委員の選任承認について。その昔、橋下元大阪市長がテレビで弁護士の懲戒請求を呼び掛けて問題視されましたが、同じような制度が行政書士会にも存在します。これも、昨年のブログでご紹介しました。

いわば同じ立場の行政書士を裁くという、重大な職責がある綱紀委員の選考については、昨年私がした具体的な選考基準はないのかという質問に対して、当時はその基準がなかったということで今年は『綱紀委員会の委員選任のための具体的指針』ができたようですが、その指針に基づき公正公平に選任されたのかといった質問内容の自粛を打診されたことは大変遺憾なものでした。

詳細は伏せますが、平成29年に大阪府行政書士会の綱紀委員を務めた行政書士ら複数名より、行政書士法にも抵触するのではないかと思しき発言が公式の会議の場で行われたため、私は一行政書士として当初よりその会議の録音内容を精査し、弁護士に法的問題がないかを確認すべきと考え、大阪府行政書士会に意見してきたものの、「綱紀委員会は独立した機関だから介入できない」という主張を繰り返すのみで未だ録音内容は開示されないままです。また、当該発言を為した綱紀委員に対する懲戒請求については、何らの進展もありません。


左から、行政書士の私三木ひとみ、元霞が関勤務準キャリア官僚だった中村伊知郎先生、ほぼ半世紀の長きにわたり行政書士会に貢献され昨年旭日小紋章を受賞された塩野征四郎先生、現在の大阪府行政書士会総務部長の松村先生とご一緒に。マスクを机に置いていたため、口元をハンカチで覆って飛沫が飛ばないようにしていました。

大阪府行政書士会には合計16の支部があり、各支部独自で無料相談会や研修会を開催したり、支部会員同士の交流を深めるため、懇親会や支部旅行などが行われます。

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所が所属する南大阪支部では、法人代表の榎田啓先生が10年ほど副支部長を歴任していますが、ここ最近は役員会において行政書士個人名を挙げて業務とは何ら関係のない個人的な感情だけで誹謗中傷したり、役員会においてなされた不適切な発言は一部の役員の指示によって意図的に議事録に記載されないといった恣意的な行為が見受けられたりと、街の法律家を名乗るにふさわしい公正透明な民主主義的運営がなされているとは言い難い部分がありました。

そして、こともあろうに、役員会においてキャリアの長い先生方がキャリアの浅い行政書士一人を誹謗中傷したあとに、その後の支部行事にはその行政書士が参加すると迷惑だから困るといった発言がまた偉い先生からなされ、役員による挙手での多数決によってその行政書士の若手の先生は昨年行われた支部の民法改正の前半後半分れた研修のうち、前半は参加できたにもかかわらず後半参加できなくなるという不利益を被り、行政書士として研鑽する機会を失ったのです。

支部の活動は、行政書士が単位会(大阪の行政書士なら大阪府行政書士会)に支払う会費からの支部交付金といった収入によっても支えられているわけですが、残念ながら今回この支部に関する質問については、『支部の私的自治権を害するおそれがある』といった理由等により、回答がなされませんでした。

ただし、支部の自治権云々とは別に、総会議案の収支計算書における会費収入と支部交付金支出につき、法人会費から支部交付金が個人会費とは別に所属支部に支払われていることとの整合性の説明はなされるべきものだったと私は思うので、残念でした。

法律家以外の一般の方も多く目にするこのブログにおいて、街の法律家行政書士の不適切な言動を具体的に公開することで、行政書士という国家資格の職業価値、信頼を下げることになりかねないので控えます。


総会は長丁場だったので、途中休憩では仕事のメール返信や電話対応に徹しました。

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所から大阪府行政書士会の総会において行った質問について、もう少しお付き合いください。

「役員が訴訟を提起された場合の支援に関する規則」というものが、大阪府行政書士会にはあります。大阪府行政書士会の役員が、本会の職務執行に起因する事由により、慰謝料などを求める損害賠償請求訴訟を提起された場合において、その役員の弁護士費用などを支援するものです。

さて、実は公的機関、『大阪府』の規則にも同様に「職員等の職務上の行為に係る損害賠償請求訴訟に係る弁護士費用の負担に関する規則」がありますが、多くの方はご存知ないでしょう。

大阪府行政書士会の規則と大阪府の規則は一見類似しているようですが、大きく異なる点は、大阪府は全面勝訴の場合のみ費用を負担するのに対して、大阪府行政書士会は訴訟の提起をもって支援とされていることです。

100万円(超える場合もある)という大きな金額であっても大阪府行政書士会の理事会決議で、当該訴えられた役員の支援を可能とするものなのです。

大阪府においては、明らかに役員に権利の濫用又は故意若しくは重大な過失があると判断されたときには裁判費用の支出申し出は却下しなければならないとしていますが、大阪府行政書士会においては司法が判断する以前に、弁護士費用を着手金の段階で見積額をもって仮支給が可能とされているため、令和元年もこの制度に基づいて、役員からパワハラを受けたという一行政書士の損害賠償請求について、役員側の弁護士費用の着手金仮払いがなされたようです。

役員のパワハラ等によって一会員が被害を被った場合の組織的救済の仕組みがないにもかかわらず、役員を守るための手厚すぎる保障内容は適切なものなのか、説明を求めました。この質問については、訴訟の結果によっては仮払いした弁護士費用の返還などもあり得るということを確認できたので、一定の公平性が確保されているようで何よりです。


せっかくの記念写真なのでマスクは少し取って黙って撮影しましょう、ということに。昭和48年に行政書士登録され、その5年後には大阪府行政書士会理事に就任され、支部長就任、大阪府行政書士会副会長6年、大阪府行政書士会会長8年、日本行政書士連合会副会長・・・とご経歴を挙げれば果てしない塩野先生は、現在も大阪府行政書士会の名誉顧問をされています。

日本国内で行政書士業務を行おうとする場合は、必ず単位会と呼ばれる各都道府県の行政書士会に所属しなければならず、これを強制加入団体といいます。つまり、日本で行政書士を名乗っている人は、必ず日本行政書士会連合会と各都道府県の単位会の2つの会員名簿に登録がされています。

私的団体には一定の自治権がありますが、法律専門国家資格者の強制加入団体である行政書士会については、法改正を経てより一層強い自治権が認められてきた歴史的経緯があります。

昭和35年の行政書士法一部改正によって、行政書士の品位保持、業務の改善、適正化に資することを目的として、行政書士会の自主的な指導力が強化され、この画期的改正によって行政書士は行政書士会に入会しなければ、行政書士業務執行ができなくなりました。すなわち、行政書士自ら襟を正して当然ながら法令順守でしっかりと自治を守っていく法的責任があるわけです。

重要審議については、会場封鎖の議長発言があり、リッツカールトン大阪2階の会場出入口からの出入りが一時的に禁止され、正確な得票数を計算するといった厳正な決議が行われました。

議案の一つであった、支部推薦理事補充選任という、いわゆる大阪府行政書士会の理事を増やすための審議は、重要審議の一つです。ただ、今回はコロナの影響もあって、この議案については取り下げられましたが、事前に提出していた質問については回答がなされました。この議案については、3つの質問がありましたが、内容はほぼ同一で『推薦ではなく選挙制にすべき』といったものでした。


行政書士の中村伊知郎先生、高比良正明先生とご一緒に。
『国家公務員を辞めるなんてもったいない』周囲に反対されても、何となく続けると後悔するのではないかという思いと、現場の最前線で働きたいといった好奇心が勝ったという中村伊知郎先生は、特定行政書士だけでなく、特定社会保険労務士、海事代理士、通訳案内士、マンション管理士、測量士補と数々の資格を保持されています。

ここ最近でも大阪府行政書士会の理事在任中に、行政書士業務に関して補助者と共に逮捕され全国紙において実名報道されるという「行政書士の信用・品位を害する」影響が多方面に及ぶ不祥事を起こした理事がいましたが(補助者は起訴)、こうした失態の再発を防止するためにも、理事の人選は慎重かつ公平公正になされるべきものです。

支部推薦理事は事前に誰が適任かということを支部役員会で時間をかけて協議することもなく、現支部長がほぼ独断あるいは懇意にしている理事らのみで決定しているという実態も見受けられ、慎重かつ公平公正に人選がなされているとは言い難い側面も否めないため、支部推薦という形式ではなく、支部ごとに選挙を行い民主主義に基づき理事を選出することは検討していただけないか?という質問については、おざなりですが検討します、でも難しいでしょう、といった回答でした。

安倍晋三首相は『書面提出や押印といった習慣・法令を見直す』と4月末のコロナ禍において明言しており、コロナ問題を機に、契約書の電子化や脱ハンコ文化など、行政書士が携わる法制面においてもデジタル化が加速することは間違いありません。世の中が大きく変わろうとしている中、行政書士制度の行く末を真剣に考え、未来を明るいものとしてくれる行政書士会の会務運営を期待しつつ、今後も総会においては積極的に意見発信していきたいと思います。


総会終了後、韓国語に精通(郵政省行政事務次官を退職後、朴槿恵元大統領と同じ韓国の大学をご卒業)された行政書士歴28年の中村伊知郎先生と、仕事のお打合せをしました。
昨年始まった特定技能制度と、国内外から批判も多い技能実習制度を特定技能に統合した上で定住を前提とした制度へと転換すべきではないかといった貴重な意見交換もさせていただきました。