本日施行パワハラ防止法~いじめの法的責任と急増し続ける生活保護申請


個人情報をすべて伏せたこちらの文書は、検察庁から届いた、昨年特定行政書士が作成した告訴状によって被疑者が起訴されたことを知らせる、処分通知書。告訴後、犯人の特定、取り調べ、証拠収集など捜査活動が行われ、その捜査記録を元に検察官が刑事裁判を起こすことを決定したこと(起訴)が刑事訴訟法第260条に基づき通知されました。

本日、晴れて、職場でのいじめや嫌がらせ、いわゆるパワハラ(パワーハラスメント)対策が法制化されました。労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)改正が本日施行されることから、パワハラ防止のために必要な措置を講じることが企業等、事業主の義務になりました。

家庭の事情などプライベートなことに過度に立ち入る個の侵害、能力・経験とかけ離れた低い程度の仕事を命じたり仕事を与えない過少要求、それとは逆に業務上明らかに不要なことや不可能な業務を命じる過大要求、仲間外し・無視といった人間関係からの切り離し、名誉棄損や侮辱といった精神的攻撃は、パワーハラスメントに当たりうる行為です。

身体的暴力や名誉棄損、侮辱については、刑法の暴行罪、傷害罪、名誉棄損罪、侮辱罪といった刑事処罰の対象となる可能性がありますし、パワハラにより精神的損害を被った場合は民事上の不法行為責任を問うことができ、損害賠償の請求も可能です。


行政書士法人ひとみ綜合法務事務所では、被害届・告訴・告発に関するご相談も広くお受けしています。特に女性のお客様や労働者の方からのストーカー、パワハラ、DV被害など社会的に弱い立場のお客様からのご相談が多く、逆に刑の減免を求める嘆願書作成などは状況(個別具体的な事情や経緯など)に応じて慎重に判断させていただいています。

告訴および告発については、加害者・被害者それぞれの立場を踏まえた誠実な対応を警察はしなければならず、他人の中傷、公権力の不当な利用等を目的とした告訴ではないこと、虚偽や著しい誇張がされていないか、告訴要件が整っているかなどを確認しなければなりません。

また、告訴は犯人の処罰を求める意思表示なので、ご相談される方(被害者側)の加害者側に対する処罰意思の有無も充分確認する必要があります。


女性のお客様については、基本的にお客様のご希望に応じて、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の女性スタッフがすべて対応することも可能です。

以前ご相談にお越しになったシングルマザーのお客様は、数年にわたり勤務した会社で突如いわれのない中傷的な言葉による暴力を受け、さらに幸い当たらなかったものの、物を投げつけられるという、職務上の指導として社会通念上許容される範囲をはるかに超えたパワーハラスメントの被害に遭って辞職を余儀なくされました。

日々仕事をする現場で、新人社員など他のスタッフがいる前で罵声を浴びせられた羞恥心も相まって、恐怖心と居場所をなくしてしまったという不安感で押しつぶされそうになったということで、夜もあまり眠れていないということ。その後、お客様のご希望から病院受診に当事務所女性スタッフが付き添い、不安神経症と診断を受けました。

民法第709条の不法行為に基づき慰謝料を求める損害賠償請求の民事提訴も視野に、まずは内容証明を加害者の勤める会社に送付したところ、3日以内に請求額がお客様の指定口座に振り込まれたため、その後の相手の不法行為および勤務先の安全配慮義務違反による訴訟および刑事告訴など、次なる法的手続きに及ぶ前に無事、お客様の納得のいく解決に行きつくことができました。


個人情報のためモザイクだらけですが、こちらは先日発送したばかりの実際の内容証明と、現在作成中の内容証明。

内容証明による金銭(慰謝料、解決金、治療費、修理代など名目はいろいろあります)解決で早期に紛争回避できれば双方にとってメリットがありますが、実際にはそう簡単にはいかないことも多く、示談交渉や民事提訴へと発展する場合は行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の提携する弁護士の先生に引き継ぎをお願いしています。

示談交渉は当事者が自分ですることも可能といえば可能ですが、相手方と直接やり取りをすることは通常かなりの精神的負担となり、また感情的になってしまい被害者なのに脅迫といった別の犯罪の加害者になってしまうケースもあるので注意が必要です。

弁護士を代理人として立てて、代わりに示談交渉してもらい、損害や傷ついた心を実質的な金銭で示してもらうだけでなく第三者に事情が漏れないように口止めを約束してもらう、裁判にかかる時間や費用、労力の回避など、こちらも様々な利点があります。

新型コロナ関連倒産が相次ぎ、業績が見通せない企業の雇用不安も高まり、国内総生産(GDP)の落ち込み幅から予想計算できる数十万人規模の失業者発生予測など、今後も景気や消費が正常化するまでは生活保護申請が右肩上がりに増える要素が満載です。

ただ、実のところその裏に、弱い立場の労働者、中でも組織でいじめや嫌がらせなどパワハラの被害に遭っている人がもっともらしい理由で契約を打ち切られ、たちまち生活困窮に陥ってしまうリスクが内在しているように思います。実際、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に寄せられる生活保護相談の中でも、上司の自粛疲れなどストレスに起因すると思しきパワハラ被害を背景とする辞職や解雇のケースが増加しています。

本日の「パワハラ防止法」施行により、企業はパワハラについての相談窓口を定め労働者に周知することや、パワハラ相談があったときに事実関係を迅速正確に確認すること、被害者、加害者に対する適切な措置、パワハラ相談をしたことを理由とする不利益な取り扱いの禁止など、パワハラに適切に対応するために雇用管理上必要な措置を講じることが義務づけられました(中小企業では2年後の2022年4月まで猶予)。

この法改正により、パワハラ防止のために企業は今後さまざまな取り組みを行うことを余儀なくされ、またパワハラ防止措置を怠っている企業に対しては行政指導や企業名の公表も可能となりますから、より安全に安心して皆が暮らしやすい世の中になるステップといえるでしょう。喜ばしいことです。

ただ、実際のところ職場でパワハラに遭って自尊心を深く傷つけられたり、仕事に行きにくいという事態に直面したとき、労働局やハローワークの無料相談窓口に行っても親身に相談に乗ってもらえなかったとか、あるいは話は寄り添って聞いてくれたけれども具体的に解決に進展しなかったという方が、めぐりめぐって行政書士法人ひとみ綜合法務事務所にご相談に行き着いたケースは少なくありません。

行政書士は、行政法に定められた官公署等への手続きや、権利義務、事実証明(内容証明など)関係書類などに関する、法律と実務の専門家です。

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は、国民の皆さんに身近な、敷居の低い街の法律家として、生活を送る上での実質的な利便に資するよう全力で日々スタッフ一丸となって取り組んでいます。

本日施行パワハラ防止法~いじめの法的責任と急増し続ける生活保護申請”へ2件のコメント

  1. アバター 福岡県H.S様 より:

    毎日のお仕事お疲れ様です。

    このブログを拝読しまして、もう少し早く三木先生にお会いできてれば、と痛感しました。
    私も在職中に陰湿なパワハラを受けてました。
    私の足の病気は実に3000人に一人くらいの割合で発症するなかなかの難病で世間ではほとんど知られてなく理解してもらえません。
    長く歩くと激痛で立てないほどに辛く、でもだましだまししのいでましたが上司は話してもわかってもらえずただやる気がないと言われてほんとに辛い日々でした。会社の隅の会議室で密室状態でその上司ともう一人の上司と二人がかりでやる気がないなら仕事はさせない❗と攻め立てられました。必死に話を聞いて欲しいと訴えましたが全ては私が悪いと押さえつけられてしまいました。不思議なことにあまりにも言われ続けてるとほんとは私が悪いのかなと思ってきてしまうんです。
    今でも時々思い出して辛くなります。
    そのころはパワハラがあまり浸透してなかったし。

    そのシングルマザーの方、お辛かったと思います。あまりの理不尽さに悔しかったでしょうね。
    ブログに書かれていたとおり辛い思いをしてそれを誰にも言えない人はたくさんいるでしょうね。
    私もそんな嫌な過去は忘れてしまいたいんですが、なかなか、ですね。

  2. 特定行政書士三木ひとみ 特定行政書士三木ひとみ より:

    HS様、いつもコメントをお送りいただいてありがとうございます。皆さんお辛い思いをされたことほど、表に出しませんから(特に知っている人には弱いところを見せられないのかもしれませんね)HS様の率直なコメントに勇気をもらっているというお客様から個別にメールを頂くことも多々あります。(皆さんコメントを書くことには勇気がいるようで、行政書士宛てにメールをお送りくださいます。)

    東京商工リサーチによると、新型コロナウィルス関連の企業倒産数は200件をついに超え、正社員だったのに会社がなくなってしまった人が8千人近くに上っています。特にパート、アルバイトなど非正規従業員については、仕事が出来る人だけ残す、というやむを得ないけれども想像すると心が痛む厳しい雇用状況があります。

    かといって、コロナ休業から営業再開してみれば、都内の感染者増により都民に警戒を呼び掛ける『東京アラート』が発動されました。本当に厳しい時代の到来といえますが、こういうときだからこそ、お互いに思いやりを持って、優しい心でありたいものですね。

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