コロナ下において急増した在宅勤務の導入により、ZOOMなどウェブ会議の画面を通した、上司から部下へのテレワークハラスメント(テレハラ)、リモートハラスメント(リモハラ)の被害に遭われた方からのご相談が増えています。


行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の事務スタッフの原です。私もコロナ禍の緊急事態宣言下においては、人混みの通勤を避け在宅勤務を基本としていました。

テレワークが新型コロナウィルスの感染拡大を契機に日本社会に一気に浸透しましたが、その変化に適応できず、部下や同僚のプライバシーに不当に関与する厄介な人が職場にいるために精神的に苦痛を感じて仕事に身が入らなくなってしまったというケースは、男女問わず見受けられます。

ウェブ会議後、いわゆる『ウェブ飲み』に誘われ、不要不急の外出自粛要請や在宅勤務の縛りからうまい断り文句も浮かばず、仕事でもないのに上司と『ライブチャット』をすることになってしまったという20代の女性のお客様。

ノートパソコンを持って家の中を歩いて、部屋を見せてほしい。
立ち上がって、服装を見せてほしい。
今家に誰かいるの?

これらの発言は、女性が苦痛を感じたこと、また仕事に関係のない内容でもあることから、明らかにセクハラ行為です。

また、40代男性のお客様は、子供の保育園と学校が休みでウェブ会議の途中に騒いでしまったために、子どもを黙らせろと上司に叱責され、その怒声がご家族にも聞こえてしまい居たたまれない気持ちになってしまったとのこと。


狭い空間でずっと作業をしていると思考が停滞してしまいますので、このように同じ部屋でも視界が変わるように配置転換して、気持ちが暗くならないよう心掛けていました。

こうしたご相談にはケースバイケースで、お客様の状況(勤務形態や勤続年数、年収を踏まえ今後その会社に勤務継続を希望するのか、慰謝料や解決金など金銭解決によって円満退社して転職するか、あるいはかなり精神的に参ってしまって当面休んで通院治療に専念したいなど)によって行政書士として対応、助言、必要に応じて弁護士の先生に繋げることもあります。

中でもやはり多いのが、テレハラ、リモハラによる辞職や解雇に至った方からの生活保護の相談です。

被害の度合いに応じて民事訴訟を起こして損害賠償請求したり(この場合は弁護士の先生をご紹介)、傷害罪で刑事告訴や被害届(これは行政書士業務のため直接書類作成することも)の提出に至ったケースもあります。ただ、金銭解決がなされるまでには通常時間を要するので、それまでのつなぎとして生活保護制度を利用することが得策の場合も多々あります。実際、弁護士さんに依頼して訴訟までいっても、結果的に思ったような慰謝料ももらえず、ただ精神的、経済的ダメージが蓄積されてしまう可能性もあるので、先々後悔しない選択をお客様自身でできるよう、丁寧にご相談対応に当たります。


令和2年6月27日(土)は、新しく行政書士補助者登録予定の左端から2番目の黒いマスクの村田佳建さんの歓迎会を兼ねて、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のスタッフ一同と特定社会保険労務士・特定行政書士の中村伊知郎先生も交えて1時間ほど昼食会を開催しました。

村田佳建さんは、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所で働きたいと強い意欲のある方で、履歴書と職務経歴書を自ら郵送してきてくれました。あくまでも補助者は行政書士資格を保持しないため、裏方の縁の下の力持ち的な業務が中心ですが、今後行政書士資格取得も目指していきたいとのことで、期待しています。


大阪府行政書士会の令和2年賀詞交歓会の会場にもなった、阪急インターナショナルホテルのフランス料理店を予約したので、スタッフもみんなおしゃれして集まりました。長らく新型コロナウィルス感染拡大に伴う自粛要請があったため、このように皆で集まって会食をするのはとても久しぶりでした。


こちらのお店も緊急事態宣言明けに営業再開がされたものの、このようにとても広い席間で個室を用意してくださいました。また、出入り口では接触をしなくても噴射できるタイプの除菌アルコールスプレーで手指を清潔にできる配慮がなされていたので、日ごろ高齢の方と接することの多い私たち行政書士、スタッフも、安心して久しぶりの会食ができました。

さて、前回のブログで、愛知県名古屋市の生活保護事情について触れました。その愛知県の生活保護受給者18人が自治体と国に対して、2013年8月以降の生活保護費引き下げは憲法違反として減額取り消しや慰謝料を求めた訴訟で、全国で初めてとなる司法判断が令和2年2月25日木曜日、名古屋地裁で下されました。結果は、請求棄却、つまり訴えをした生活保護受給者側の敗訴となりました。ただ、原告側には弁護団がついており、控訴する方針を示しています。

以前にもブログに書きましたが、国は2013年8月から3回に分けて、生活保護費のうち食費や光熱費に充てる生活扶助費を平均で6.5%、最大で10%引き下げました。当時はデフレ傾向で物の値段が下がっていたため、それを考慮した保護費減額が生活保護法に定められた厚生労働省の裁量権の範囲に収まるか否かが、裁判の争点でした。

司法判決においては、物価下落を生活保護基準に反映させたことは、実質的に当時の生活保護費は増えたと判断でき、判断が不合理と言えない、とされました。国が保護費減額に際し、専門家の検証を行わなかったことについては認めつつも、手続きの過誤は見られないと判断されました。また、厚生労働省は当時の国民感情や国の財政事情を踏まえて生活保護費を引き下げたとして、その妥当性も認められました。

この判決については、専門家の検証を経ずに物価下落を生活保護基準に反映させ、厚生労働省が算出した物価の下落幅が恣意的に広げられたという原告側の主張に正面から向き合っていない、という批判も専門家からされています。物価の動向を考慮するのであれば、保護費引き下げ後に物価上昇されたこともまた、反映すべきだというのが批判の根拠です。

生活保護費引き下げを巡っては、全国で千人以上が29裁判所で訴訟を起こしています。名古屋地裁が初の判決でしたが、物価の動向を考慮することを司法が肯定したこと自体は妥当といえるでしょう。ただ、生活保護費が憲法で保障された生存権の保障に十分かどうかは常に慎重に判断されるべきこと。また、今回の判決でなされた、国民感情という非常に曖昧ともいえるものを妥当な引き下げ理由とすることは根拠に乏しく、今後の裁判の行方に注目しています。