令和の幕開けと行政書士としての使命
令和の幕開け日の5月1日は、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の顧問契約のお客様のご親族にご不幸がありました。
この長い10連休は役所が閉庁しているため、お客様もお困りのご様子。
身近な法律家である行政書士としてサポートすることでお客様の精神的ご負担が少しでも軽くなればと思いますし、そのために行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は土日祝日も通常通り対応しています。
海外メディアでの報道
令和初日の新聞にも、昨日ようやく目を通すことができました。
そこで気になったのは外務省の「令和」の英語での説明。令がorder(命令)という意味合いで海外メディアで批判されていることから、beautiful harmony(麗しき調和)と外務省自ら発信したとのこと。
ところが、日本のyahooやgoogle検索をしても、国内メディアの同じような報道内容しか出てきません。
外務省のホームページにも肝心なところが見当たらず、海外媒体で検索したところ、newserという媒体の英文記事に発見!以下記事の引用と私の意訳です。
Naruhito’s wife, who is now Empress Masako, and their daughter, Princess Aiko, were not allowed to witness the ceremony because the rules of succession ban female royals from being present at a coronation.
There were no words spoken during the ceremony, which marked the beginning of the new “Reiwa” era, meaning “beautiful harmony,” the Guardian reports.
~意訳~
徳仁天皇の妻であり皇后となった雅子とその娘である愛子王女が、戴冠の儀を見ることは叶わなかった。女性皇族は参加できないことが皇位継承時のルールとして存在しているからだという。
儀式は終始無音で、麗しき調和を意味する令和時代を象徴していた。
うーん、なんとも、皮肉たっぷりの海外報道のようです(苦笑)。これは一部なのでしょうけれど。
以前はアメリカの歴史あるニュース雑誌、TIMEを毎週定期購読していたのですが、高いなーと思って更新しませんでした。国外からどのように日本が見られているのか、また国内であまり報道されない海外のニュースの扱いなど、視野を広げるために購読を再開しようかなと思います。
もちろん行政書士業務にも役立つでしょうし、経費にできるのか税理士の先生に確認しなければ。
意見を言えないムラ社会
さて、冒頭でご紹介した令和改元に伴う海外ニュースのように、海外から日本は「閉鎖的なムラ社会」「主義主張をしない多勢同調主義」など批判されることが少なからずありますね。
父親は警察官、母親は公立校の教員で、いわゆる公務員家庭で育った私。両親共に口癖は、「公務員にはならないほうがいい」でした。
警察組織も今は変わったのかもしれませんが、私が子供のころは警察官の家族が何か問題を起こすと「依願退職」を「させられる」という日本語としても矛盾する、不可思議なことがまかり通っていたようです。
国立大学出身で頭脳明晰な母は、キャリア志向が強く、時に家事育児そっちのけで仕事に没頭し、学校管理職を目指していました。
勉強は得意で、試験は一発合格できる自信はずっとあったそうですが、そもそも現役の管理職(校長、教頭先生)に推薦されなくては登用試験も受けられず、推薦枠は1名のみ。つまり、上司に気に入られなければ、昇格の試験を受けさせてもらえないわけです。
毎年推薦されては試験に落ちるを繰り返していた同僚がいて、母は努力が報われず、土俵にさえ立たせてもらえないことを嘆いていました。
子どもだった私は、公務員両親のそうした愚痴を聞いて、
「そんなのおかしい!ママもパパも、職場で声に出して言ったらいいじゃない?こんなのおかしい!変わるべきだ!って。」
と意見したのですが、父母は笑って言いました。
「そんなことを口に出したら、社会、組織の中でやっていけなくなるんだよ。お前も大人になったらわかる。」と。
言いたいことが言えた会社
大人になって社会に出た私が最初に入社したリクルート社は、さすがの大手企業。就職したい企業ランキング上位に常に入っていることもあって、透明性の確保された、コンプライアンスのしっかりした会社でした。
上司は皆尊敬できる人ばかりで、中には人間ですからソリの合わない人はいましたが、少なくとも周りの空気を読んで発言を躊躇する必要などは皆無でした。仕事の提案など思ったことは臆することなく発信できましたし、リクルート社ではむしろ意見することを推奨していたように思います。
だからこそ、時代に対応するスピード感がある企業として、一躍成長を遂げられたのでしょう。優良企業ゆえに、そもそも理不尽なことも起こらず、製品にしてもサービスにしても、社内外問わず何ら問題なく、人間関係もスムーズでした。
それは私においてだけでなく、周囲でもパワハラに悩む人など全くいなかったのです。それだけ、良い会社に恵まれたということなのでしょう。
その後、色々あって転職した先では、中小企業ならではの組織ぐるみの隠ぺいらしきことやパワハラ、職場いじめなど、沢山ありました。リクルート社時代が天国に思えるほどでした。リクルートに中途入社した先輩が言っていた言葉を、よく思い出したものです。
「最初にこの会社に入ったあなたは幸運だけれど、リクルートは特別良い会社。だから転職して、社会の現実を見たらショックを受けるかもしれない。」
(でも、世の中の雑踏に揉まれたことで、今の仕事に活かせていることが大いにありますのですべての経験は財産です。)
行政書士業界では
さて、行政書士はどうでしょうか。私があれこれ書くよりも、日本行政書士会連合会の現会長(いわば行政書士の内部組織のトップ)である遠田和夫会長の言葉を紹介した方が伝わるかもしれません。
以下、月刊日本行政(日本行政書士会連合会発行)4月号より抜粋です。
「日行連の会務に当たっていると、時として、これだけ世の中が変わろうとしている中にあって、一部の役員は目の前の物事しか見ていないのではないか、行政書士制度の行く末を真剣に考えているのか、と考えてしまうことがあります。」
「単位会や日行連の中で政策論よりいわゆる派閥争いが加速することになれば、内なる戦いが生じて会が疲弊し、前に進めなくなります。行政書士法の改正や制度発展に向けた施策の実現が遠のいてしまいます。」
これは、毎号の冒頭記事「遠田和夫(会長)の眼」からの引用です。桜の季節の号でしたが、記事全体を読み終わる頃には、目頭が熱くなっていました。
オフレコでは勢いがあっても、人前では当たり障りのないことを述べるに留まるトップが多いという私の偏見的思考が恥ずかしくなるほど、遠田会長は組織としての問題に目を背けることなく、正面から発信していました。
新しい時代も信念をもって
「日本行政書士会の会員はぬるま湯につかることを望んでいない」
遠田会長のこの言葉にも深く共感すると同時に、ここまで書いてしまう遠田会長の勇気と理想と信念に感銘を受けたものです。
全国を飛び回る超多忙の行政書士会・会長職であり地位も名誉もある遠田会長が、おかしなことにはおかしいと疑問を呈し、正しいことを意見発信できる風土に安堵すると同時に、行政書士としての誇りを感じます。
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は、令和の時代も変わらず、当然の法令順守の下、保守的立場や他者の眼に躊躇することなく、正義の道を歩んでまいります。
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