ABC予想という難解な数学の問題が最近になって証明されたとニュースになりました
女性特定行政書士の三木です。ついに、令和2年4月7日、安倍晋三首相が緊急事態宣言を発令しましたね。
海外で行われているような都市封鎖(ロックダウン)ではないので、公共交通機関は運行されますし、道路封鎖もありません。買い占めの必要はなく、冷静な行動を国民一人一人がより一層心がけることが大切でしょう。
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は通常通り、年中無休にて対応します。
全国対応の行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は、年中無休で緊急相談にも変わらず、当日相談対応します。これまでの電話、メール、対面相談に加え、Webex(セキュリティ対策においてZoomよりも優れています)、Zoom、Skypeでのビデオ動画相談にも対応を始めました。
とはいえ、不要不急とはいえない対面相談や家庭訪問同席、役所同行の業務も結局は日々沢山あります。対面する役所の職員やお客様との距離感を適正に確保し、アルコール除菌も適切に行い、無症状でも他人に感染させる厄介な新型コロナウイルスに感染しないよう対策を強化しています。
令和2年4月8日、緊急事態宣言の翌日、行政書士事務所が提携する不動産会社の担当者との打ち合わせを行った大阪市内ホテル喫茶店は閑散としていました。ホテル従業員は小まめに除菌清掃に徹していたので、安全な環境にて事務所外での業務も遂行しています。
こちらは、生活保護を受けている高齢認知症の方のご親族から届いた、収入申告書、資産申告書です。これらの記入、提出は生活保護を受けている人の義務ですが、今回はコロナ感染拡大による行政の配慮から、珍しく返信用封筒もつけてくれました。行政書士が代筆し、使者として提出します。
ここからは、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所代表の榎田啓行政書士にバトンタッチします。休業要請や外出自粛に伴って、ご自宅で多くの時間を過ごし暇を持て余していらっしゃる方も多いようなので、今回はこれまでのブログと少し趣向を変えて「役立つ最新の教養」をお届けします。
ABC予想という難解な数学の問題が最近になって証明されたとニュースになりました。この論文は投稿されてから約7.5年という長い歳月を経て、証明が正しいと検証されました。
「なぜ論文完成から評価まで、こんなに時間がかかったの?」
「新聞記事を読んでもわかりにくいから、小学生でもわかるように解説してください!」
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の女性スタッフ陣から求められ、理系の男性スタッフで知恵を絞り、この証明が今後世の中にどう役に立つのか、できるだけかみ砕いて書いてみました。
通常、数学の論文は投稿すると投稿先の組織がレフリーと呼ばれる他の数学者に、投稿された論文が正しいのか検証を依頼します。レフリーにはその分野の著名な数学者が選ばれ、日本人にもたくさんレフリーをされている数学者がいます。レフリーには守秘義務に近いものがあり、不特定多数に検証論文のことを相談できません。
ですから、名だたる有能な数学者が選ばれます。依頼された論文は検証され、正しいと証明されて、晴れて公に出ます。普通の論文であれば半年、長くても1年程度で検証が終わり世に出ます。それが今回の論文は7年以上という異常な期間を経て検証が完了しました。〜予想、〜問題という形で世に残る数学の課題は、提示した数学者が自分で解決できないまま世を去ったものが殆どであるので、予想、問題の背景から熟知していかないと考えることすらできません。
私もABC予想の証明を完璧には理解できませんでした。証明された京大の望月教授は独特な思考の持ち主で、異端者といえるほどの数学者。彼の証明は人智を超えているように個人的には感じます。
今回世間の注目を浴びているABC予想について、数学に馴染みのない人にもわかりやすい、「簡単にした」解説をする前に、もとの超難解な内容いわゆる純粋数学(※純粋数学とは、数学の中で、概念だけを抽出して扱う抽象的な数学。算数のように理科とかと直接関係があるものは純粋数学とは違います。)を初心者に判るように説明することがいかに難しいか、その理由の説明から。
まず、数学とは、式や文字を使って概念を研究する学問です。
理科なら自然現象のような研究対象が目に見えるものなのでイメージはしやすいかもしれませんが、数学は概念なので目に見えるものが少ないです。
目に見えないものをイメージする為には、構造などをどのようにイメージして考えるかの基盤が必要です。実際に大学で数学を学ぶ学生も、高校までと異なる数学に戸惑っています。
概念のもとになるものを定義といいます。数学は定義を重んじて論ずる学問ですから、既成概念が邪魔をします。
極論を言えば、定義されてることだけを使って、それ以外は使えない、という感じと思ってください。ふつうに当たり前とされていることでも、無視したり、否定したりすることもあります。定義が全てなのです。ですから感覚的には論じることはできません。俗に言う、論理的思考の塊が数学です。
小学校での算数は、数学の中で、身の回りにあるものを対象とした部分だけを集めたものです。足し算、掛け算や三角形、円など見たり経験することが容易なものであるので、定義はありますが、ある種の直感的な理解でもなんとかなるものなのです。
中学高校になると「算数」から、「数学」になります。文字の導入による抽象化が始まります。これが数学が分かりにくいとされる理由の一つです。
国語、英語、社会、理科が世の中にあるものを対象としているのに、数学はそこから少し脱却して抽象化しようとします。それを乗り越えるには、少しの想像力と「これはこういうもの!」という開き直りのような考えが必要です。
言い方を変えると、定義さえ信じていれば、他に予備知識は要らないと言えるかもしれません。この極端な振り幅が数学の面白さでもあり、難しさでもあります。
それでも高校までは、まだ図に描いたりして視覚的に捉えようと努力できる部分も多いのでクリアすることも、努力次第ではできないことはないです。しかし、大学で扱う純粋数学は、高校までの数学からさらに抽象化が進みます。
ちょっと例を出すと、算数では自然数や分数、小数を扱いますが、これだと引き算で、小さい数から大きい数が引けません。これを可能にするために負の数を中学で導入して、整数や有理数まで話を広げます。
高校になると円周率や平方根などの無理数を有理数に合わせた実数を作り、更に二乗して負になる虚数というものを導入して、複素数という大きな数の集合を考えます。
大学では、数字の表記をなくし、計算ルールだけが成り立つ文字の集合を考え群、環というものを作って研究対象とします。環の特殊なものが複素数や実数という感じで抽象化されたものへ対象を変え、研究するのが純粋数学です。
世の中にある算数の概念からどんどんと目に見える部分をなくして、成り立つルールだけを残していくことで、より一般化された課題を考えることができます。既成概念がなくなるので、ある意味、自由になる面もあり、一般化されたからこそ考えられる課題もあります。
このように、純粋数学を考えるには面倒かもしれませんが、算数や初等数学を順に学び抽象化に慣れていく必要もあります。そこを飛ばして、いきなり純粋数学を理解するのは、かなりのセンスや才能がないと無理といえるかと思います。この抽象化が数学の面白みでもあるので、皆さんもコロナ感染拡大による自粛生活で時間を持て余しているのでしたら、一度ぜひ数学の学びにチャレンジしてみてください。
ここから、本題です。
ABC予想はすでに世に出ているのでご存知の方も多いとも思いますが、整数論になります。
1以外に公約数を持たない正の整数a、bに対して、整数cをc=a+bとします。
整数は素数(※素数とは、1とそれ自身以外では割り切れない自然数のこと。2、3、5、7、11、など。6は2で割り切れるから素数ではない。)と呼ばれる整数の積で表せるので、3つの整数の積abcも素数の積で表されます。これを素因数分解といいます。素因数分解に出現するすべての素数因数の積をdとすると殆どが、c
※①「高々」とは、「多く見積もっても」という意味とお考えください。数学では数量の限界を表現するときにその数量をどのように考えているかで使い分けるものなのです。数学的には異なりますが、「最大」と似たような感じでイメージしてもらえると分かりやすいかと思います。
※②有限個とは、無限でない個数のこと。1000個、100000000個、など個数がはっきり言えるのは有限個です。
この内容で大切なのは、存在する整数が高々有限個というところです。存在する個数が有限と無限で証明のルートが全く異なります。整数の問題で難しいのは成り立つ整数の個数が分からないので、どういうルートに進めるべきかという点です。極端なことを言えば、有限個なら全部チェックすればいいので、労力を惜しまなければ解決の糸口が見えます。
もちろん、それでもすぐ解決できるわけでもありませんが、光明になるということです。詳しく展開を説明するのは容易ではありませんが、整数に関する問題は世にたくさん残っています。証明されたものでもフェルマーの定理のような難解なものもあります。それがひょっとしたら、さらに容易な証明ができるかもしれません。
また整そのものの組み合わせを暗号キーに利用して、複雑な暗号化にも転用できます。このデジタル時代においてはセキュリティのための暗号化の課題があります。今のパソコンは性能がいいので、256bit暗号程度なら全部チェックすることにそれほど時間はかからず終わらせられます。単純な暗号化は時間さええれば解読できるのでアルゴリズムの複雑な暗号が必要とされます。ABC予想が世に利用される形で浸透すれば、さらに安全な世の中ができるかもしれません。
a=3、b=5とすると、 このようなことはほとんどの人にとっては数字の遊びにしか見えません。ですが、整数の組み合わせを利用したシステムは結構多くあります。最近はスマホが身近なものになり、誰もがデジタルツールを利用する時代になりました。 Suicaのような電子決済も頻繁に利用されるようになりました。紙幣や硬貨なら財布に入れ、財布を管理するということを長年やってきたと思います。無くなればすぐに気づきますから、無くすことは少ないと思います。 では、電子決済ではどうでしょうか?スマホやカードに記録されている残金を消費することをレシートやパソコンなどで確認することはできますが、正確な残高を記憶しているでしょうか?気づかない程の変化なら見落としてしまうかもしれませんよね?ですから、このようなデジタルデータは簡単に改竄ができないように暗号化され守られています。でも中には悪意のある人がハッキングしてデータとなっているお金を盗もうとするかもしれません。ですから簡単にデータを盗まれないようにする為の鍵のようなものが暗号です。暗号が解読に長時間を必要とするならば、ハッキングの最中に見つかって未然に防げるはずです。 ですから暗号は長いもの、複雑なものがよいとされています。電子データはすべて0と1の並びで表現される世界なので、数字の並びはデータそのものになります。数字も0〜9以上のものもアルファベットを使って表されるのでかなり多くのデータ表記があります。その数字の並びを盗まれないように記録するときに数学の並びをあるルールに則って書き換えるのが暗号化です。このルールを作る段階で、整数の組み合わせの理論をよく使います。ですから組み合わせを見つけるのが複雑になればなるほど、計算方法が複雑になればなるほど、安全な暗号化となるのです。 ABC予想のような複雑な整数論は有能なパソコンがあったとしても、解読できるものではありません。難解なABC予想が解決されたということは、複雑な組み合わせを利用できる光明が見えたことになります。これが我々の生活をより安全なものにしてくれることを期待したいと思います。 以上で、いったんブログ終了のつもりでしたが・・・。 「文系人間にはさっぱりわかりません」 ABC予想とは、次のような内容です。 1以外に公約数をもたない2つの自然数a、bに対して、c=a+bとなる自然数cを考えます。a×b×cを素数の掛け算で表現したとき、そこに出てくる素数を一種類ずつ選んで掛け算した数をdとします。 素数とは、1とそれ自身しか割り切れる自然数がない自然数です。 公約数とは、2つの自然数を割り切れる自然数のことで、4と6の公約数は1と2になります。 a、b、c、dに関係を具体的に説明してみます。 ①a=8、b=27は互いに素であり、 ②a=5、b=27は互いに素であり、 a、bの組み合わせにより、c この様々な組み合わせの中で、c>dとなるものが有限しかない、つまり、無限にはないという主張がABC予想です。 こういう約数との関係は、ルールが一定ではなく、その数ごとに考える必要があります。ですから、一般にはコンピュータなどで計算させるにも結局は、人間よりも速く「全部チェックする」ということになり効率的ではありません。 これが分かると何がいいのか? 主に数学の話になるので、一般的には分かりにくいものになります。 有名なフェルマーの定理の証明にむりやり適用してみると、a=x^n(xをn回掛けたもの)、b=y^n(yをn回かけたもの)、c=z^n(zをn回掛けたもの)とすると、c=a+b→z^n=x^n+y^nとなり、フェルマーの定理の形になります。 ここで、xとyは互いに素な自然数とすると、aとbも互いに素になります。ほとんどの場合で、c dはa×b×cに出てくる素数の掛け算なので、a×b×c=x^n×y^n×z^n → d=x×y×zとなりますから、 これが何?と思うかもしれませんが、 nが3以上の自然数で、x^n+y^n=z^nとなる自然数の組x、y、zは存在しない というのがフェルマーの定理なのですが、上記の内容が正しいとするとn<6、つまり、n=3、4、5のときだけ検証すればよいことになります。 この話はかなり無理やりな適用なので、本来はこんなに簡単な話ではありません。 ただ、他の難しい問題をより簡単に検証ができる可能性が出てくることになります。
c=3+5=8となります。
このとき、a×b×c=3×5×8=3×5×2×2×2となるので、d=3×5×2=30となり、c
同業の士業の先生方(いずれも文系大学出身)に読んでいただいたところ、このような感想でした。
「文系にもわかりやすい説明でした」
「途中が全然わかりません。」
簡単に説明することは至難の業ですが、さらに説明します。
令和元年大阪府行政書士会公式行事のボーリング大会にて。新型コロナウイルスによる感染が収束に向かい、また大勢で集まって何の心配もなく楽しめる日が、一日も早く来ることを願っています。
このとき、c>d^(1+e) (e>0)となるa、b、cの組み合わせは高々有限個しかありません。
例えば、2、3、5、7、11などは素数になります。
aとbの公約数が1以外にないということは、a、bをそれぞれ素数の掛け算で表現したとき、同じ素数は出てこないということです。
このとき、aとbは互いに素であるといいます。
10と9は公約数が1だけなので互いに素であり、10=2×5、9=3×3となるので、10と9で同じ素数は出てきません。
c=a+b=8+27=35となるので、
a×b×c=8×27×35=2×2×2×3×3×3×5×7
→d=2×3×5×7=210
このとき、35<210、つまり、c
c=a+b=5+27=32となるので、
a×b×c=5×27×32=5×3×3×3×2×2×2×2×2
→d=5×3×2=30
このとき、32>30、つまり、c>d
そのため、コンピューターに計算させてすぐに結果が出るものでもなく、数学の問題として難解なものとして存在しています。
と思う人がほとんどだと思います。
z^n
となるので、z>x、y
であるから、
z^n
nが6以上では成り立たないことを証明したことにもなります。
これにより、数学の諸問題が解決されるかも?と注目されているのです。
世の中が大変な状況の中毎日お疲れ様です。
ロックダウンではないので食料品などの買い物に制限はないとの事。とは言え私は買い物に行く前、買うものをメモしてから最短時間で終えるようにしてます。
今日も極力、最短で済ませようとスーパーに行ったらまぁびっくりするくらいの家族連れ。隣接するレンタルDVDショップやホームセンターは車がびっしりでした。
なんか、びっくりするやら悲しいやら呆れるやら。まだまた他人事と思ってる人が多いように感じてしまいます。
ちなみに今回のブログは数学なんですね❗
難しすぎですね、私には((笑)学生の頃から数学と聞くだけで拒否反応を起こしてました。数学者と言われる人の脳内ってどんな風になってるんだろうと昔、思ってました。数学なんかできなくても生きていけるんだって自分に言い聞かせつつもこの歳になってもう少し勉強しておけば良かったなと唯一の後悔です。
HS様、コメントをありがとうございます。先日、別のお客様から、このようなメールを頂きました。
『いつもブログ楽しみにしてます♪
勉強になる事もありますしいつも楽しく拝見させて頂いてます!
僕個人的には三木さんに凄く興味があるので、三木さんの生い立ち(私と生活保護)や榎田先生と生活保護(前編、後編)のブログは特に夢中で読んでいました☆
僕の思ってた事と全然違うかったり凄く読みごたえがありました♪
コメントはHSさんみたいに毎回書きたいのですが、
なかなか何て書いたら良いのか分からずいつもコメント欄とにらめっこ状態なんです_(^^;)ゞ』
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のホームページの全体アクセスは月平均3万PVほど(1日大体千人の方が見て下さる計算です。)なので、HS様のコメントもまた多くの方にとって参考になっているはずです。いつもありがとうございます。
勉強は何歳からでもできますし、実際私の周囲で今回のコロナ感染拡大防止のための自宅待機要請によりできた時間を資格取得の勉強や興味があったことに費やすことにした、という方は少なくありません。
現在は外国からの旅行者も激減していますが、インバウンド需要は必ず戻るといわれています。来年夏のオリンピックでは通訳も不足するといわれていますし、外国語の学習を始めるのも素敵だと思います。私は学生の頃から英語が好きで好きで英語ばかり勉強したものですが、その理由が「英語で映画をそのまま理解したい」「英語の本を沢山読みたい」というものでした。次のブログで書けたら書いてみたいと思っていますが、今回の新型コロナウイルスに関するニュース報道も、日本のものと英語で書かれた国際メディアによるものでは、視点が異なる場合も多々あって、興味深いです。