いじめ防止法の落とし穴、PTAに関する相談

特定行政書士の三木ひとみです。政府の旅行需要喚起策『Go To トラベル』が昨日スタート、本日から4連休ですが年中無休の行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は交代制で業務を行っています。


こちらは、本日青森県のお客様から、行政書士事務所に届いたお中元のお品です。


昨年もこの時期に高級そうなメロンをお贈り下さって、恐縮しています。


こちらに美味しい頂き方や、食べ頃の日付もご親切に示して頂いているので、ありがたく思いました。

行政書士は、各省庁、都道府県庁、市区町村役場や警察署など官公署に提出する書類、手続き代理、告訴・告発状や各種契約書、遺産分割協議書、示談書、念書、協議書や内容証明といった権利義務に関する書類など、業として作成できる書類は1万種類を超えるとも言われます。

法律専門国家資格の中でも、特に幅広い業務範囲を持つ行政書士として、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所は、全国対応で国民の皆さんの生活に密着した実にさまざま多岐に渡る法務相談を受けています。


生活保護に関する相談、新規申請書類のみならず引越費用の支給を求める申請書や何らかの事情から自動車の保有使用を福祉事務所に認めてもらいたい方の申請書等、生活保護関連の書類作成数は全国的にも突出した事務所ですが(生活保護に特化した弁護士、行政書士事務所自体珍しく、法人では他に存じません)、最近じわりじわりと増えているのが、お子さんのいじめに関する親御さんからのご相談です。

いじめの被害側だけでなく、加害側のお子さん、親御さんのご相談も実は多く、割合としては7:3程度です。

平成25年に施行されたいじめ防止対策推進法、いわゆる、いじめ防止法においては、いじめを受けた児童の教育を受ける権利の保護、尊厳の保持、その対策に重点を置いていますが、いじめの定義は本人が心身の苦痛を感じる行為(インターネット上の誹謗中傷を含む)ですから、当初の加害者側がいじめたことに関する集中攻撃を先生や他の児童生徒から浴びることで、立場変わって今度はいじめの被害者に転じる場合もあるのです。

同法における、いじめの禁止や国、地方公共団体、学校の責務などは、ごく当然の内容ですが、落とし穴といいましょうか、街の法律家として日々ご相談を受ける中で権利の濫用の恐れなど危さを感じるのが、第四章のいじめの防止措置の中で掲げられる加害児童の出席停止命令です。市町村の教育委員会は、いじめを受けた児童が安心して教育を受けられるようにするために、いじめを行った児童の保護者に対して、その児童の出席停止を命じるなど、「必要な措置を速やかに講ずるものとする」と、義務的な内容として定められているのです。

これまで数多く受けたいじめ相談の中には、小学校低学年で母子家庭世帯のため放課後は鍵っ子で寂しい思いをしているお子さんが、学校までお母さんがお迎えに来てくれる他の児童をうらやましく思い、背中を押して転ばせてしまったところを目撃した被害児童のお母さんから厳しく叱られた挙句に先生からも叱責され、学校に通えなくなってしまったという切ないものや、これに類似したケースも複数ありました。


私自身も二児の母で、長女は小学校時代にいじめに遭っているので、親御さんの気持ちは痛いほどわかるつもりです。ただ、当時は加害児童を守る風潮が強く、いじめの調査を学校に求めてもなかなかしてくれない、子どもを心配して仕事を休み、様子を見守ることにも子どもの人間関係に大人が介入するのかといった、批判的な社会の目がありました。

皇室の愛子さまを献身的に見守られていた雅子さまも、当時わりと世間から色々なバッシングがあったことを思い出される方もいるかもしれません。

先日も、一方的に学校および被害児童保護者側から提示された示談書のようなものにサインしなければ子どもは学校に来させてはいけないと校長先生に言われたので、どうしたらいいか困っているという親御さんからの悲痛なご相談もありました。いじめ防止対策推進法もまだ10年にも満たない新しい法律ですが、加害児童が一方的に責められて憲法で保障されている教育を受ける権利がいたずらに容易に制限されるようなケースが相次げば、新たな社会問題も起こり得ると危機感を抱いています。

また、任意加入の私的団体であるはずのPTAに加入しなければいけないと思っている親御さんからの、仕事や介護で忙しいのにくじ引きで決まったPTAクラス委員をしなければいけなくなって困っているというご相談は、毎年4~5月にあるのですが、今年はコロナで休校が続いたこともあってか7月も数件ありました。

子どもが小学校に入学したら、PTAに加入しなければいけない、6年間で1度は何らかの役割を引き受けなければいけない、公平なくじ引きによる役員決めには従わなければいけない・・・そんな風に誤解されている方も、少なくありません。

実際には、法的にも道義的にもPTAに入らないという選択をしても、何ら問題はありません。文部科学省も、PTAが任意加入、入退会自由の私的団体であることは明確に示しています。入学式において、PTAが入退会自由であることを説明する学校も、東京を中心に少しずつ増えています。


PTAに入らなければ、運動会でPTAからの差し入れのノートや飲み物をもらえないとか、子どもが差別されるのではないかと心配する親御さんもいますが、PTAは私的団体とはいえ、義務教育機関の施設を無償で使用することが許可されているため、加入、会費の有無にかかわらず、全児童、生徒に公平にサービス提供を行わなければいけないとされています。

PTAを抜けたい、あるいはPTAには在籍しても役員は諸事情により引き受けられないということを、行政書士として保護者の方からの依頼を受けて書面にして学校に提出することも多々あります(PTA退会届や要望書など)。

やみくもにPTAを毛嫌いするのではなく、一度PTA総会やクラスの保護者会に参加してみては?と思う方もいるでしょうが、うつ病を患っているお母さんや母子家庭で忙しくそれどころではないという方もいるのが現実で、敷居が低く立ち回りのスピードと柔軟性が持ち味の行政書士に気軽に相談していただいて、安心した、よかったと仰って頂ける事は職業冥利に尽きます。

私自身が、「何でママはPTAに入らないの?」というPTAの法定問題点に絡めた本を執筆したことが過去にありますが(出版社が解散したため今は流通していません)、当時大阪府河南町議会議員の佐々木きえ先生や、東大名誉教授の上野千鶴子さん、ヤフーニュース記事なども執筆されていらした千田有紀教授にも著書を手にしていただき、PTA問題について意見交換する貴重な機会がありました。今となっては懐かしい思い出ですが、そのときに得られた知識経験やネットワークがお客様のご相談解決の糸口になることもあります。


法務局、教育委員会、弁護士会の子どもの人権相談、児童相談所にも足を運んで相談したけれども、SOSを出してもどこも助けてくれない、たらい回しにされて逆に疲弊困憊してしまった、そんなご相談も残念なことに、わりと頻繁にあります。

特に、PTAや習い事、保護者間でのトラブルなどは、私的団体だからとか、学校の外で起きたことだから、など様々な理由で行政介入を拒まれることはよくあります。

PTA加入が任意であり、PTA会費を支払わないという選択があることを一般に広く周知するのが筋が通っていると思われますが、PTAは一部の政治家議員さんの強力な支持基盤であること、また各地域に存在するPTA協議会という組織は行政職員の天下り先であることも絡み、意外と根深い問題なのです。

PTA参加する保護者や教員はボランティアでも、これを生業にしている組織があるわけです。そのため、保護者の義務である給食費の支払、銀行引き落としと抱き合わせ的にPTA会費を徴収している地域、学校も未だ多く、いわゆる既得権益の保護に繋がっているという側面があるものの、PTAに関しては新聞やテレビ局といったメディアも切り込みにくいということを、PTA本を出版した際に毎日新聞の女性記者さんから伺いました。このあたりは、書くと長くなって、行政書士事務所の業務からも脱線してしまうので、この辺にしておきます。

いじめ防止法の落とし穴、PTAに関する相談”へ3件のコメント

  1. アバター 愛知県A.T より:

    お久しぶりです。
    毎日お暑い中お仕事お疲れ様です。

    家族の事故での入院のショックや色々あってか、今月に入ってから不眠がさらに酷くなって気分が沈んで元気が出ませんでした。
    今日は少し眠れて気分がまだ良い方なのでコメントを書く事が出来ました。

    先月誕生日で、もう35歳になったんですけど、全くそんな実感が無いです。
    皆さんが経験するような(学校,青春,恋愛,社会人等)事をしてこなかったのでまだ20代で止まってるような感覚なんですf(^^;)

    気分は沈みながらもブログは欠かさず見させて頂いてましたよー♪
    三木さんお料理上手ですね!
    体に良さげで健康になりそうなお料理で美味しそうでした☆
    あとバタフライピー!
    確かアントシアニンが豊富なタイのお茶ですよね!
    僕もたまに飲んだりするんですよ(^-^)
    HSさんがコメントで僕の事を書いて下さってて嬉しかったのですが、僕はダメですね、なかなかコメントを書く勇気が出なかったです….(ノ_・、)

    コロナも感染者が増えてきて第2波が来たっぽいので、お気をつけて下さいね!

  2. アバター 福岡県H.S様 より:

    いじめというのは時代が変わってもなくなることはないですね。昨今はネットの誹謗中傷で亡くなられた芸能人がいらっしゃいましたがほんとに陰湿だなとタメ息出ます。ネットは便利ですが匿名性の怖さを感じます。誰かのSNSが炎上したらみんなそれにワーッて乗っかる。歪んだ正義感って怖いです。自覚症状がないのでしょうから。

    ブログに書かれてたお子さんは切ないです。
    寂しげな表情が浮かび胸が苦しくなります。
    昔、父が家に帰って来ず母親が一人で働いていた頃幼かった弟が仕事に行こうとする母親にすがり行かないでと泣いていたことがあったと後に母親から聞いたことがあります。それを思い出しました。
    いじめはもちろん悪いけどその背景にはいろんな人生があるんですね。幼少期の経験はトラウマになって消える事はないですものね。私もまぁまぁあります(^_^;)なんかの拍子に思い出して一瞬でそのころの気持ちに戻ってしまいます。

    ATさん、私もビビりですよ。コメントの文章もワケわからない時もあるし。もしなんかまずいこと書いてしまっても三木先生が削除してくださるだろうと思い、わりと感じたこと書かせて頂いてます。お返事のコメントがいつもあたたかくて丁寧でうれしくなるんですよねぇ。

  3. 特定行政書士三木ひとみ 特定行政書士三木ひとみ より:

    行政書士の三木ひとみです。愛知県のA.T.さまも、福岡県のH.S.さまも、コメントをありがとうございます!お二人ともいつも本名でコメントをお送りくださっていますが、念のためイニシャルにさせていただいています。

    行政書士法人ひとみ綜合法務事務所がご縁をいただいたお客様同士が、このHPブログを通して交流して頂けることは嬉しいことです。

    バタフライピーは有名なのですね。若い女性のお客さまが送ってくださったのですが、流行ものには疎いもので存じませんでした。教えて下さってありがとうございます♪

    ネット上の誹謗中傷は以前からありましたし、問題視もされていたので、もっと早く責任を持って各所が対応していればと悔やまれますね。有名人の自殺者が出たからメディアが大々的に取り上げ、世論が動き、押されるように対応策を考えるという、後手後手の対応では困ります。

    PTAは学校とは全くの別団体で、法的には老人クラブなどと同じ『社会教育関係団体』という位置付けに過ぎません。文部科学省策定の規約においても、いささかも強制があってはならない、とされています。
     
    にもかかわらず、
    「全員参加PTA」
    「一人一役」
    をスローガンに掲げるPTAは多く、仕事を持つ母親が大半だからと「公平」に、仕事も介護も言い訳にすることは許されないという「ルール」さえ存在するところは実際少なくありません。

    かつての日本社会においては、一般サラリーマン家庭では専業主婦が多かったことは周知の事実ですね。

    年功序列、終身雇用制によって、専業主婦が家庭を守るという構図が可能でした。でも現在では、小中学生の子どもを持つ家庭の過半数が夫婦双方フルタイムの共働き。夏休みなど長期間の休暇だけでなく、平日も学校から帰宅すると夜6時、7時、あるいはもっと遅くまで一人で留守番する子どもも多いです。

    空腹を感じても、小学生は一人で食事を用意することもできない。冷蔵庫に用意されていたとしても、電子レンジであたため、たった一人で食事をするという光景は、思い浮かべるだけでも寂しいものがあります。

    金銭的余裕がある家庭であれば、有料の預かり所を利用することもできるでしょうが、片親家庭も増えていて、助けを本当に必要としている家庭の子どもほど、冷たい孤独に耐えているのが現状です。特にコロナ禍においては、仕事を休みたくても休めないシングルマザー家庭のお子さんは、学校もないので日中ずっと家でひとりぼっちで過ごしているというご相談も実際にありました。

    このような貧困家庭に対しても、PTAは本来任意加入の私的団体でありながら、これを周知せず、あたかも親の義務であるかのようにしてPTA会費を給食費と一緒に徴収している実情があります。給食費であれば一定の収入以下の家庭には行政の補助がある場合が多いのですが、PTA会費は私的団体故に行政は非介入で、生活保護世帯からも容赦なくPTA会費を徴収します。

    また、両親共働き、あるいは片親家庭の子どもは、忙しい親に心配をかけまいと気を張っていることも多いです。学校でいじめに遭っても、本来一番味方になってくれる親には、頑なにいじめを受けていることを隠そうとする傾向があります。日々の仕事や家事に追われている親も、子どもの変化に気づかず、けなげな演技についだまされて、『わが子は大丈夫』と思って見過ごしてしまいがちです。

    長時間すべての子どもたちが過ごす学校で、こうした子どもたちのケアができればいいのですが、先生たちは多忙です。ここで、PTAがすべての子どもたちのために、できる人ができることで関わって、子どもたちの心の平穏と成長に繋げられるのではないかと私は常々考えています。

    大人同士が平和的に、民主的に物事を話し合って決めること。一つ一つのプロセスが誰にとっても明らかで、透明性が確保されていること。

    差別も陰口も、足の引っ張り合いもなく、困った人に手を差し伸べることが自然にできること。

    自分に余裕があるときは、率先して周りの人のために働くこと。

    仕事として教鞭を執る教職員ではない、保護者や地域の人が無償で一体となって、自分たち子どものために協力して活動してくれている。自分の親だけではなく、周囲のすべての大人が自分の成長を見守ってくれている。こうした地域ぐるみの愛情を受けることで、子どもたちは言葉で教えられなくとも、平和で民主的な社会で生きていくための術と世界平和に資する思いやりの心を学ぶことができるのではないでしょうか。
    ふと、『叶えたい理想』について長々と、お二人のあたたかな交流を目にして考えてしまった私です。

    また、ぜひブログをご覧頂ければ嬉しい限りです。今後ともよろしくお願いいたします。

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