行政書士試験対策と行政書士業務①行政手続法と生活保護

Law Study Skills Guide to pass the National Gyoseishoshi Lawyer Licensing Examination and about services of Gyoseishoshi Lawer
~①Administrative Procedure Act and Public Assistance in Japan

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所には、行政書士になるために行政書士試験合格を目指しているスタッフも複数います。
Some of Hitomi Law Office’s staff are studying to pass the Gyoseishoshi Lawyer examination to become a Gyoseishoshi Lawyer.

法分野の学習範囲は膨大なので、熱意を持って一生懸命に勉強するというより、効率的に学習することが成功の秘訣と言えるかもしれません。
As the field of law provides a diverse and vast opportunity for knowledge acquisition so the key to success is studying smarter and not harder.

働きながら勉強をすることで、ローンを組むなど借金を背負うことなく経済的な自立がしやすいという側面だけでなく、常勤でもパートでも職歴に空白ができないといったメリットがあります。
Working while studying not only lessens the financial burden and makes self-funding more realistic (avoiding the need to take out a loan), but also it can be professionally beneficial as you have the option to continue working, either on a full or part-time basis.

弊所の行政書士は、私(三木ひとみ)も代表の榎田啓先生も独学で、フルタイムで仕事をしながら行政書士試験に合格しました。
Take it from us, I, Hitomi Miki and Gyoseishoshi Kei Enokida at our Hitomi Law Office paased te Gyoseishoshi Lawyer exam while working full-time.

LECや大原学園といった予備校を利用せず独学するメリットは、なんといっても節約、あまり費用をかけずに行政書士になれることです。私が行政書士試験に合格するために費やしたのは教材、書籍購入費と行政書士試験の受験料で、10万円もかかっていません。
One of the main advantages of choosing to forego vocational schools like LEC or O-HARA Gakuen is the cost savings. I only paid less than \100,000 yen for some study materials, books and registration fees related to preparing to take the Gyoseishoshi exam.

実際に独学合格した行政書士の私が書くこの行政書士試験対策ブログも、無料学習ツールの一つとして頂ければと思います。
行政書士の実務に関することや、最新法令や判例、実際の現場での出来事など、机上の学習内容に絡め様々な話題にも触れていきたいと思いますので、行政書士試験受験生の方だけでなく一般の方にも役立つ充実した内容にするつもりです。
So I decided to write this Gyoseishoshi exam study blog as anyone can read it for free. I’d like to choose real-life episode from the business world as a Gyoseishoshi Lawyer to highlight and analyze law principles.

行政書士試験合格を目指す人が覚えておくべき、超重要な部分は□で囲ってあります。
□の部分は最重要知識ですから、行政書士になった後、不服申立ての手続き代理、その手続について官公署に提出する書類の作成を業とすることができる特定行政書士になるための試験においても必須の内容です。
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の行政書士2名は最初の試験でこの特定行政書士に合格しましたが、一度で合格できない行政書士の先生方も案外多いようです。ただ、例えば生活保護申請書の作成にしても、『万が一不当な却下があった場合に、特定行政書士に不服申し立て代理をしてもらいたいから依頼したい』と考える一般のお客様が多いので、行政書士になるのであれば特定行政書士になった方が良いと私は考えています。

令和3年秋の行政書士法人ひとみ綜合法務事務所定例ランチ会での一コマ。右奥の原優美さんは、令和4年行政書士試験を受験予定です。

1.行政手続法を制す者は行政書士試験を制す

年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験できる国家試験が行政書士試験です。試験科目は『行政書士の業務に関し必要な法令等』が46題、『行政書士の業務に関連する一般知識等』が14題。問題と配点の圧倒的多くを占めるのが、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法が中心)その中でも行政手続法は行政書士実務において必要不可欠な条文が多いので、行政書士試験で最も重要な行政三法(行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法)の一つとされています。

行政手続法は条文数が46条までと多くないのに、その中から毎年5択問題で3問出題されていて、多肢選択式や記述式でも出題されやすいのです。また、試験に出ようと出まいと、実務において役立つというかお客様への説明において必要な条文ばかりですから、行政手続法があやふやでは行政書士として仕事がまともにできないでしょう。

(例)
お客様から行政書士に相談:
『ケースワーカーから、ハローワークに週一回通うことや、ほか就労指導ということで色々言われました。でも、口頭で言われたことは覚えられないことも多いので、言われた内容を文書にしてほしいと伝えたのですが、もう口頭で伝えたのだから書面では出せないと言われました。』

行政書士からお客様に助言:
『生活保護法第27条で指導及び指示、27条の2で相談及び助言が定められています。こうした指導指示は、まず口頭により行われることとなりますが、これは行政指導と位置付けられるものです。行政指導については、行政手続法という法律に定められています。ケースワーカーは、就労指導を口頭で行った被保護者の方からその指示について書面の交付を求められた場合は、これに応じる必要があります。』

参考条文:行政手続法 第四章 行政指導

第32条(行政指導の一般原則)
行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

(Gneneral Principles of Administrative Guidance)
(1) In rendering Administrative Guidance, persons imposing Administrative Guidance shall take care that their actions must not exceed, in the slightest degree, the scope of the duties or affairs under the jurisdiction of the Administrative Organ concerned and that the substance of the Administrative Guidance is, to the utmost degree, realized based solely upon the voluntary cooperation of the subject party.

2.行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取り扱いをしてはならない。

(2) Persons imposing Administrative Guidance shall not treat the subject party of Administrative Guidance disadvantageously owing to the subject party’s non-compliance with the Administrative Guidance in question.

2.知っておいて損はない、国民の権利利益に関わる身近な法律が行政手続法。

また、行政書士と関係なく、実は一般の方にとってもこの行政手続法の条文を知っておくことで役立つことが多々あるのです。

たとえば、あなたが正当な許可を受けて営業しているにもかかわらず、役所から『このまま営業を続けると営業停止処分をすることもあるから営業内容を変更してほしい』と執拗にせまってきたとします。

行政手続法を知っていれば、これはおそらく不当な行政指導であるということがわかります。許可を受けて行っている営業の停止を命ずる処分を行うような権限がある役所が、営業停止命令という大きな処分ができるなどと言って、行政指導に従わざるを得ないようなことをしてはならないことになっているのです。そして、行政指導に従わないと営業停止処分もあり得ると言われたときは、その権限の根拠条項等を書面で示すことを求めることができます。

行政手続法第34条(許認可等の権限に関連する行政指導)
(Administrative Guidance related to Authority over Permissions, etc.)

許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する行政機関が、当該権限を行使(こうし)することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更(ことさら)に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。

With regard to Administrative Guidance rendered by an Administrative Organ with the authority to grant some permission, etc. or to render Dispositions pertaining to some permission, etc., where the Administrative Organ is either unable to or has no intent to exercise its authority, a person imposing Administrative Guidance shall not engage in conduct in the nature of compelling a subject party to comply with the Administrative Guidance in question by deliberately suggesting that he or she is capable of exercising the said authority.

行政書士法第35条(行政指導の方式)
(Method of Administrative Guidance)

行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。

(1) Persons imposing Administrative Guidance shall make clear to the subject party the purpose and content of, and the persons responsible for, the Administrative Guidance in question.

2.行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。

(2) Where Administrative Guidance is rendered orally, the person imposing the Administrative Guidance in question shall, if so requested by the subject party, provide the matters prescribed in the preceding paragraph in writing, so long as no extraordinary administrative inconvenience arises thereby.

令和4年2月は大阪から片道4時間近くかかる京都府の天の橋立付近、雪降る丹後半島へ出張しました。不当な行政指導が過去にあったことなどを理由に、生活保護の家庭訪問等で行政書士の同席を求める保護受給者の方やご家族さん、知人の方からのご依頼で、全国へ出張もしています。このような相談がなくなる日が一日も早く来るよう、生活保護行政の適正化を願います。

3.行政手続法とは何か?

行政手続法とはどのような法律ですか?
このような質問をお客様から行政書士の私が受けたら、行政手続法第一条をご紹介するでしょう。
行政書士なら暗唱できるはず、と私が考える重要条文、行政書士試験にも必須の条文です!

行政書士法第一条(目的等)(Purpose, etc.)

この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。第四十六条において同じ。)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。

(1) The purpose of this Act is, by providing for common rules concerning procedures for dispositions, administrative guidance and notifications, and procedure for establishing “Administrative Orders, etc.”, to seek to advance a guarantee of fairness and progress towards transparency (here meaning, that there be clarity in the public understanding of the contents and processes of administrative determinations: the same shall apply in Article 46.) in administrative operations, and thereby to promote the protection of the rights and interests of citizens.

このように、行政手続法は、行政(お役所)が一定の活動をするに当たり守るべき共通のルールを定めています。そして、そうしたルールを定めることにより、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るだけでなく、国民の権利利益の保護に資することを目的とした法律なのです。

具体的には、下記の手続きについて定めています。

1.申請に対する処分
例)営業の許可などの申請に対して許可する、あるいはしないという処分のこと。
※辞書で『処分』を調べると、ルールを破った者への罰といった意味がありますが、この行政手続法においては意味が異なるため要注意!独学だと、このあたりが理解しにくいので強調しておきます。

実際の生活保護法による保護申請に対する「処分」の通知書。保護の申請を却下する場合も同じ「処分」なのです。
そして、同じ処分であっても却下の場合は、事後の救済手段として行政不服審査法と行政事件訴訟法に定めがあります。これは、また後日のブログで解説します。

2.不利益処分
例)許可を取り消す、一定期間の営業停止を命じるといった、義務を課す又は権利を制限する処分。
ただし、一見不利益処分のように見えるのに、不利益処分にならないものが4つあります。これが行政手続法第二条の(定義)に定められています。この定義も全て重要で、行政書士実務においてもお客様にいつでもすらすら何も見ずに説明することができるレベルであるべきと私は考えていますので該当条文を丸ごとご紹介します。

行政書士法第二条(定義)(Definitions)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
In this Act, the meanings of the terms listed in the following items shall be as prescribed respectively in those items.

四 不利益処分
行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

(iv)Adverse Dispositions
Dispositions in which administrative agencies, acting pursuant to laws and regulations, designate specified persons as subject parties to the Disposition and directly impose duties upon them or limit their rights; excluding however, those fall under any of the following specified provisions:

イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分

(a) De facto acts and Dispositions in the nature of procedures that may be required by laws and regulations to clarify the scope, timing, etc. pertaining to de facto acts;

→普通は、この法律上の文言『事実上の行為』の意味がわからないですよね。行政法上は、行政機関の法律効果を有しない活動とされていますが、やはりわかりにくいでしょう。例を挙げると理解しやすいと思います。
事実行為の例)行政指導、公共事業、
①違法な広告物の除去②違法デモの強制解散③人の収容④物の留置→この4つは行政法上『即時強制』とされるもの。これも理解しづらい、行政書士試験でも間違いやすい故に狙われやすいところなので、しっかり説明します。

即時強制とは、義務を命ずる暇のない緊急事態や、泥酔した人の保護など義務を命ずることでは目的を達成しにくいケースで、相手方に義務の存在を前提としないで行政機関が直接に身体または財産に実力を行使して、望ましい状態を実現する作用をいいます。行政書士の実務に関連するところでは、収入国管理及び難民認定法において退去強制令書などで退去強制を執行できることも、即時強制に当たります。

この即時強制は、事実上の行為として行政手続法2条4号イによって、不利益処分にはならず、行政手続法第三章に定められる不利益処分の手続(いきなり不利益処分を問答無用で課すのは酷ですから、事前の手続きが設けられているのです。)の適用対象にもならないのです。

ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分

(b) Dispositions which refuse the permission, etc. requested by Applications and other Dispositions that are rendered based upon Applications and which specifically designate those who made the Applications as the subject of the Disposition.

申請を拒否する『処分』は、『不利益処分』ではありません。独学だと、やはりどうしても条文だけでは理解しがたいところです。

ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分

(c) Dispositions rendered with the consent of the persons who are to be the subject parties to the position;

実際の不利益処分を受ける本人が同意している場合は、法律上の不利益処分とはならないのです。文化財保護法に基づく、管理団体の指定などがこの例です。

ちなみに、行政書士試験においてはこうした条文の『例』を選択させるものもありますから、このブログを読んでぜひ自然と学習してくださいね。いったん納得、理解して得た知識は忘れにくいものです。予備校や市販のテキストでは効率よく行政書士試験に出るところだけをクローズアップすることが多いようですが、私が独学のときはあえて条文そのもの、判例そのものを読み理解するようにしていました。その方が全体像から理解できるので、実際に行政書士になってからも実務において役立っています。

このブログでは、試験に全くでないであろうことには触れず、だからといってキーワードだけ丸暗記するような内容ではわざわざ市販のテキストとは別に読んで頂く意味がないので、試験にも実務にも社会生活を送る上でも役立つ内容を厳選して、行政書士試験合格を目指し実務にも携わる弊所スタッフのためになる内容を意識して書いています。

ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

(d) Dispositions which nullify the effect of any permission, etc. and which are rendered because that the facts on which the applicable permission, etc. had been based have ceased to exist.

たとえば、国家資格者が廃業届を行政に提出したことを理由とする登録の取消処分がこれに該当します。その国家資格者に対する懲罰的な理由で登録取消処分をすれば、これは通常は不利益処分になります。

さて、行政手続法が定める具体的な手続きのうち、1.申請に対する処分、2.不利益処分までご説明しましたので、3.を見てみましょう。

3.行政指導
例)役所が営業内容の改善を求めることや、生活保護受給者に規則正しい生活をするよう助言することなど。

行政指導を正しく理解することは、もはや行政書士としては当然も当然のこと。誤解されやすい点として、行政指導は1.の処分(申請に対する処分)でも、2.の不利益処分でもありません。そして、強制でもありません。

行政指導とは、役所が一般市民の方や事業者さんなどに対して、ある行為を行うように、または行わないように、具体的に求める指導や助言、勧告などのことで、大事なポイントは『任意の協力要請』であることです。

役所の行為が、処分に当たるのか、行政指導に当たるのか、実際の場面では明確に判断しにくいことが多々あります。私も行政書士として、お客様から行政指導に関して、次のような相談を受けたことがあります。

お客様「生活保護申請をしても、年金が多いから保護をもらえても少ししかもらえないし、生活保護申請を取り下げで家族に援助してもらうように言われました。」

役所は確かに、自主的に申請を取り下げるように行政指導をすることもあります。これは最後のセーフティーネット生活保護に関しても同様で、扶養親族から経済援助を受けることを助言することもあります。ただ、申請者がその行政指導に従わないことを明らかにしたときは、役所はこれに反して行政指導を続けたり、行政指導に従うまで審査を開始しないなど、申請者本人が行政指導に従わざるを得ないようにさせて、申請者の権利の行使(こうし)を妨げてはいけないことになっています。

このような場合は、とにかく行政指導を拒否して申請書を提出すれば、役所は審査を開始しなければいけません。

行政書士法第33条(申請に関連する行政指導)Administrative Guidance related to Applicantions
申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

With regard to Administrative Guidance seeking either withdrawal or modification of the contents of an Application, persons imposing Administrative Guidance shall not act in disregard of an applicant’s manifestation that he or she has not intent to comply with the Administrative Guidance in question to obstruct the applicant’s exercise of rights by conduct such as continuing the Administrative Guidance in question.

このような質問も、行政書士実務においてよく受けます。

「行政指導に従わないと、あとから役所の人に差別されたり、嫌がらせのようなことをされませんか?」

行政指導に従わないからといって、役所がそのことを理由に不公平な対応をしたり、差別的、制裁的な取り扱いをすることも法律で禁止されています。

行政書士法第32条(行政指導の一般原則)General Principles of Administrative Guidance
行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

(1) In rendering Administrative Guidance, persons imposing Administrative Guidance shall take care that their actions must not exceed, in the slightest degree, the scope of the duties or affairs under the jurisdiction of the Administrative Organ concerned and that the substance of the Administrative Guidance is, to the utmost degree, realized based solely upon the voluntary cooperation of the subject party.

2.行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取り扱いをしてはならない。

Persons imposing Administrative Guidance shall not treat the subject party of Administrative Guidance disadvantageously owing to the subject party’s non-compliance with the Administrative Guidance in question.

この「いやしくも」という言葉は法律の条文中の文言でよく登場します。こうした言葉の意味を問う問題も、行政書士試験でよく出題されます。街の法律家にお金を払って相談をしたのに、法律に出てくる言葉の意味を聞いても『わからない』などと言われては、国家資格者の面目丸つぶれですから、当然といえば当然のことですね。

このブログにおいても、重要な法律用語や間違えやすいもの、お客様への説明など実務上も使うものなどを中心に随時紹介、説明していきます。

さて、「いやしくも」の意味ですが、①仮にも②万一、もしも③(~ないという打消し後が後に続く場合)いい加減に、おろそかに④不相応にも、柄にもなく⑤まことに、こうした意味があります。
こうした意味合い的に「いやしくも」が入っている条文には、注意喚起が必要なものが多いのです。

4.処分等の求め
例)法令に違反する事実を是正するための処分等を求めることなど。

この行政手続法に基づく処分等の求めの申出書の作成もまた、行政書士業務です。行政書士が実務としてこの処分等の求めの申出書を作成するときは、「下記の通り法令違反を認知したため、行政手続法第36条の3の規定に基づき、是正のための処分又は行政指導を行うよう求める。」といった文言と共に、法令に違反する事実の内容・求める処分又は行政指導の内容・その求める処分又は行政指導の根拠となる法令の条項・その処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由等を申出書に記載します。こうした書類作成をするのが、行政書士なのです。

行政手続法 第四章の二 処分等の求め
行政書士法第36条の3
何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。

2.前項の申し出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項

3.当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。

ここでも、大事な用語がいくつか出てくるので解説します。行政書士試験にいつ出題されてもおかしくない基本的な押さえておくべき事項です。

独学だと、行政手続法第36の3(2)に登場する「行政庁」と「行政機関」の違いについて考えることなく、読み飛ばしてしまいがちですが、この用語の意味を選択式で選ばせたり、記述式問題で出る可能性があります。なぜなら、こうした行政法上の文言についてお客様から質問されることも少なくないので、国家資格者の行政書士が答えられないということでは、やはり社会的な行政書士の存在意義、職業価値が問われてしまうでしょう。

まず、行政機関については、行政手続法第2条5項で定義が明確にされています。条文だけだとわかりにくいので、私が補足説明や例も入れています。行政機関の例を選択式で選ばせる問題も出るかもしれませんよ。行政書士実務においても、わからない、では困る町の法律家として必須の知識です。

行政手続法第2条5号 行政機関 Administrative Organs
次に掲げる機関をいう。

イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(例:内閣府、復興庁、内閣官房、内閣法制局等々たくさんあります)若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関(例:人事院)、宮内庁(宮内庁は皇室関係の事務を担当する庁のこと。)、内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項に規定する機関(金融庁、消費者庁、個人情報保護委員会、国家公安委員会、公正取引委員会のこと。)、国家行政組織法第3条第2項に規定する機関(いわゆる省庁のこと。)、会計検査院(国の決算などの検査を担当するのが会計検査院)若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員

(a) organs within the Cabinet or organs under the jurisdiction of the Cabinet which were established pursuant to Acts, the Imperial Household Agency, organs provided for in Article 49, paragraph 1 or 2 of the Act for Establishment of the Cabinet Office, organs provided for in Article 3, paragraph 2 of the National Government Organization Act, the Board of Audit or organs established by one of these organs, or the personnel of the above mentioned organs who are authorized by Acts to independently exercise such authority; and,

ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)※知事、市長、副知事などのこと。

(b) Organs (excluding assemblies) of local public entities

このように、行政機関というのは国や地方公共団体(国と地方公共団体は「行政主体」)のために行政事務を担当する機関のことをいいます。そして、行政機関が権限に基づいて行った行為については、国や地方公共団体といった行政主体に法律効果が帰属します(国や地方公共団体が責任を持つということ)。

地方公共団体の行政機関については、地方自治法等でも定められています。

行政機関の種類として、「行政庁」、補助機関、諮問機関、参与機関、執行機関、監査機関などがありますが、ここで大事な「行政庁」についてもしっかりと学びましょう。

行政庁というのは、行政主体(国や地方公共団体でしたね)の意思を決定し、かつ、これを外部に表示する権限を有する行政機関のことをいいます。
例が大事です。行政庁の例として、各省大臣、都道府県知事、市町村長などが代表的に挙げられます。原則として行政庁は独任制(一人)ですが、公正取引委員会など合議制(複数人で構成)のものもあります。

後日のブログで解説する、行政訴訟法(この行政手続法と同様、行政書士試験に必須、試験に出題される問題数もとても多い法律です)で、行政処分の取り消しや無効確認の対象になる行政処分をするのが、この「行政庁」です。

5.届出
例)営業開始の届出を役所に出す、自動車免許証の住所変更の届出など

行政法を勉強し始めた頃は、申請と届出の違いがよくわからないものです。役所からの処分(不利益処分と処分は意味が違いましたね。許可をする/許可をしないといった申請後の応答が処分です)を前提とするのが申請ですが、届出は役所に一定の事項を通知するという行為なので、届出をしたら手続上の義務が完了します。

ただし、必要な書類がそろっている、定められた様式で届出が記入されていることなど、法令が定める届出の形式上の要件を満たしていること、提出先とされている役所に届くことが必要です。

届出についての行政手続法上の条文はこちら。短いので、このまま覚えてしまいましょう。

行政手続法第2条7 届出 Notifications
行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待うる一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

Acts taken to notify administrative agencies of given matters (excluding Applications) as may be expressly obligated by laws and regulations (including those notices which become necessary by virtue of being prerequisite for bringing about some hoped-for legal effect).

行政書士として届出に関してこんな相談を受けたことがあります。

「届出をしたいのに、役所が受け取らないと言って困っています。」

役所は、形式上の要件を満たす届出が正しい提出先に到達したら、その届出なかったものとして取り扱うことはできません。そのため、届出を受け取らないとか、返却するなどはできません。ただ、よくよくお客様のお話を聞いてみると、形式上の要件を満たす届出ではないとか、正しい提出先でないといったことが多いのです。また、届出を提出しても、その届出の内容に誤りがある場合や、届出の根拠となる法令の要件を満たしていないものは、届出としての法律的な根拠が発生しません(届出がされていないという状態)。

令和4年2月16日、津裁判所にて行政書士の私が三重県の行政書士からインターネット上で誹謗中傷された名誉棄損につき為した刑事告訴が起訴され、公判において人証尋問があったため出張した際に立ち寄った三重県行政書士会。津駅から徒歩すぐの便利な場所でした。大阪府行政書士会は谷町四丁目駅からすぐ、立派な築浅の自社ビルです。現在の立派な大阪府行政書士会館があるのは、こちらの塩野征四郎先生の功績といっても過言ではありません。塩野先生には叙勲祝賀会にもお招きいただき、尊敬する行政書士の大先輩です。この写真は、塩野先生の事務所に弊所代表榎田と共にお招きいただいたときのもの。

6.意見公募手続(パブリックコメント)Public Comment Procedure

意見公募手続については、行政手続法の実質最後に定められています。わりと条文も長いので、要点をまとめて説明します。

意見公募手続とは、「命令等(内閣または行政機関が定める、法律に基づく命令または規則、審査基準、処分基準、行政指導指針のことで、政令や省令などのこと。内閣が定める命令は政令、各省大臣が定めるのが省令です。)を定める機関が命令等を定めようとする場合に、この命令等の案を公示し、広く一般から意見を公募する手続き」のことをいいます。いわゆる、パブリックコメントとも呼ばれます。(意見公募手続・行政手続法第39条)

国の行政機関は政策を実施していく上で、さまざまな政令や省令を作ります。これらの政令案、省令案をあらかじめ公表し、広く国民の意見を募集する手続きが、意見公募手続です。これは平成18年に始まった比較的新しい制度です。

この意見公募手続が用意されていることで、国民の多様な意見・情報を行政機関が把握し、その内容が適切であれば命令等を定める機関がいかしていくことができるわけです。多数決を導入するものではなく、外国人や法人も意見を述べることができるので少数派の意見にも耳を傾けてもらえる制度になっています。

行政書士でもこのパブリックコメントを積極的に活用している人がいます。皆が積極的に意見を提出することで、公正で透明な行政の運営に繋がっていくので、私も気になる命令等には行政書士として意見を出すこともあります。
単に試験のために暗記するよりも、実際に総務省行政管理局の電子政府の総合窓口にアクセスして、各府省等が行っている意見公募案件を確認すると理解しやすいですよ。

意見公募手続で意見を提出できるのは、具体的には次のようなものの案に対してです。

政令:憲法および法律の規定を実施するために、内閣が制定する命令

府省令:それぞれの府省の大臣が、主任の行政事務について制定する命令

告示:国の行政機関がその決定した事項などを、広く一般に知らせるためのもの
(告示のうち、処分の要件を定めるものの案に対して、意見を提出できます。処分と不利益処分の違いを思い出してくださいね。申請に対する営業許可処分、不許可処分どちらも処分ですよ。不利益処分は、「行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分」と行政手続法2条4号で定義付けされていましたね。)

審査基準:申請に対して許可などをすべきかどうかなど、判断するための具体的な基準

処分基準:許可や免許の取消などの不利益処分をすべきかどうかなどを判断するための具体的な基準

行政指導指針:複数の人に対して行おうとする行政指導に共通する事項

意見公募手続の流れとしては、まず政令などの案が作成され、その案や関連資料がインターネットにより公示されます。これは、原則30日間以上にわたり、広く意見を募集するとされています。そして、提出された意見を考慮して政令などが策定され、結果が公示されます。政令などを定めるのと同時期に、提出意見やそれを考慮した結果などを、インターネットにより公示されます。(提出意見の考慮については行政手続法第42条、結果の公示については同法第43条、公示の方法は同法第45条に規定されています。)

やはり、条文にも目を通しておいてください。行政書士の私の上記わかりやすい説明の後なら、条文も理解しやすくなっているはずですから。行政書士実務においても、法令の条文が基本です。残念ながら、法令をしっかりと読み込まずに実務に携わる士業も(行政書士に限らず)一定いることは紛れもない事実で、その結果として相談者である一般の方が不利益を被ってしまうことは包み隠さず申し上げて、(本来あってはならないことですが)あります。
ですから、行政書士試験合格を目指す方々には、法令の条文そのものを読み理解する習慣を付けてほしいと、一行政書士として私は切に思います。

第六章 意見公募手続等 Public Comment Procedure, etc.

第三十八条 命令等を定める場合の一般原則
General Principles relating to Establishment of Administrative Orders, etc.)
命令等を定める機関(閣議の決定により命令等が定められる場合にあっては、当該命令等の立案をする各大臣。以下「命令等制定機関」という。)は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。

(1) The Organ which is in charge of establishing Administrative Orders, etc. (in the case that Administrative Orders, etc. are established by the Cabinet Decision, the Minister in charge of drafting Administrative Orders, etc. Hereinafter referred to as “Organs Establishing Administrative Orders, etc.”) shall establish the Administrative Orders, etc. accommodating them to he purpose of the laws and regulations which will be the grounds for the Administrative Orders, etc.

2.命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適性を確保するよう努めなければならない。

(2) After the establishment of Administrative Orders, etc., Organs Establishing Administrative Orders, etc. shall endeavor to maintain the rightness of the Administrative Orders, etc. by considering the implementation of the Administrative Orders, etc., and the development of the social and economic situation, and, where circumstances make it necessary, by examining the content of the Administrative Orders, etc.

第三十九条 意見公募手続 Public Comment Procedure
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。

(1) Organs Establishing Administrative Orders, etc., when establishing Administrative Orders, etc., shall publicly notify in advance the proposed Administrative Orders, etc., (meaning the draft showing the contents of the anticipated Administrative Orders. The same shall apply hereinafter. ) and any materials relating to the proposed Administrative Orders, etc., and shall seek Comments (including information. The same shall apply hereinafter.) from the public, showing the address to which the Comments shall be submitted and the period of time for the submission (hereinafter referred to as “period for submission of Comments”).

2. 前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。

(2) Proposed Administrative Orders, etc., publicly notified pursuant to the provision of the preceding paragraph shall have concrete and clear contents, and shall show the title and the specific provisions of the laws and regulations which will be the grounds for the anticipated Administrative Orders, etc.

3.第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない。

(3) The period for submission of Comments set pursuant to the provision of paragraph 1 shall be 30 days or more from the date of public notice set forth in the same paragraph.

4.次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定は、適用しない。
一 公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、第一項の規定による手続(以下「意見公募手続」という。)を実施することが困難であるとき。

ニ 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。

三 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。

四 法律の規定により、内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する委員会又は内閣府設置法第37条若しくは第54条若しくは国家行政組織法第8条に規定する機関(以下「委員会等」という。)の議を経て定めることとされている命令等であって、相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として、法律又は政令の規定により、これらの者及び公益をそれぞれ代表する委員をもって組織される委員会等において審議を行うこととされているものとして政令で定める命令等を定めようとするとき。

五 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき。

六 法律の規定に基づき法令の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める命令等を定めようとするとき。

七 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。

八 他の法令の制定又は改廃に伴い当然必要とされる既定の整理その他の意見公募手続を実施することを要しない軽微な変更として政令で定めるものを内容とする命令等を定めようとするとき。

第四十条 意見公募手続の特例
Special Provisions concerning Public Comment Procedure
命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、三十日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、前条第三項の規定にかかわらず、三十日を下まわる意見提出期間を定めることができる。この場合においては、当該命令等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。

(1) In cases that, when establishing Administrative Orders, etc., there is some compelling grounds for not setting the 30 days minimum period for submission of Comments, Organs Establishing Administrative Orders, etc. may, notwithstanding the provisions of paragraph 3 of the preceding Article, set the period for submission of comments at less than 30 days. In this case, the Organs Establishing Administrative Orders, etc. shall show the grounds at the same time as the public notice of the proposed Orders.

2.命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとする場合(前条第四項第四号に該当する場合を除く。)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続きを実施したときは、同条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。

When establishing Administrative Orders, etc. following deliberation in committees, etc. (except for cases fall under paragraph 4, item 4 of the preceding Article), in the case that the committee has implemented a procedure equivalent to the Public Comment Procedure, notwithstanding the provisions of paragraph 1 of the same Article, Organs Establishing Administrative Orders, etc. shall not be required to implement the Public Comment Procedure.

第四十一条 意見公募手続の周知等
Making Public the Public Comment Procedure
命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。

In establishing Administrative Orders, etc., implementing Public Comment Procedure, Organs Establishing Administrative Orders, etc. shall, where circumstances make it necessary, endeavor to make public the implementation of the Public Comment Procedure, ad endeavor to provide the public with information relating to the implementation of the Public Comment Procedure.

第四十二条 提出意見の考慮
Consideration of Submitted Comments
命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。

In establishing Administrative Orders, etc. implementing the Public Comment Procedure, Organs Establishing Administrative Orders, etc. shall adequately consider all comments submitted to it (hereinafter referred to as “submitted comments” )within the period for submission of Comments.

第四十三条 結果の告示等
命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布(公布をしないものにあっては、公にする行為。第五項において同じ。)と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。

一 命令等の題名
二 命令等の案の公示の日
三 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)
四 提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由

2. 命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該公示の後遅滞なく、当該提出意見を当該命令等制定機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。

3.命令等制定機関は、前二項の規定により提出意見を公示し又は公にすることにより第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるときは、当該提出意見の全部又は一部を除くことができる。

4.命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第一項第一号及び第二号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。

5.命令等制定機関は、第三十九条第四項各号のいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。ただし、第一号に掲げる事項のうち命令等の趣旨については、同項第一号から第四号までのいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しなかった場合において、当該命令等自体から明らかでないときに限る。

一 命令等の題名及び趣旨
二 意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由

第四十五条 公示の方法
第三十九条第一項並びに第四十三条第一項(前条において読み替えて準用する場合を含む。)、第四項(前条において準用する場合を含む。)及び第五項の規定による工事は、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うものとする。
2.前項の公示に必要な事項は、総務大臣が定める。

(1) The public notice pursuant to the provision of Article 39, paragraph 1, and to the provisions of Article 43, paragraphs 1 (including the case where it is applied mutatis mutandis with replacement of terms pursuant to the provisions of the preceding Article), 4 (including the case where it is applied mutatis mutandis pursuant to the provisions of the preceding Article) and 5 shall be provided by the method using electronic data processing system or other methods using information and communications technology.

(2) The Minister for Internal Affairs and Communications shall provide the necessary matters concerning the public notice set forth in the preceding paragraph.

地方公共団体の機関がする処分や地方公共団体の機関に対する届出のうち、その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているもの、地方公共団体のする行政指導、地方公共団体の機関が命令等を定める行為に関する手続きについては、行政手続法の規定は適用されません。地方分権の精神に則り、地方公共団体の行政手続条例などが定めることになるわけです。その条文が、この第七章第四十六条です。
行政手続法は第46条まで!すなわち、最後の条文です。

第七章 補則
第四十六条 地方公共団体の措置
地方公共団体は、第三条第三項において第二章から前章までの規定を適用しないこととされた処分、行政指導及び届出並びに命令等を定める行為に関する手続について、この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

Local Public entities shall, with regard to procedures for Dispositions, Administrative Guidance and Notifications, and the procedure for establishing Administrative Orders, etc. to which the provisions of Chapter 2 to 6 inclusive are made inapplicable by Article 3, paragraph 3, endeavor to take necessary measure in order to advance the guarantee of fairness and progress towards transparency in administrative operations, consistent with the purpose of the provisions of this Act.

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所で行政書士試験合格を目指しつつ、実務にも携わっているスタッフのため、独学合格した行政書士の私の視点で可能な限りわかりやすく行政手続法の解説をしました。

いかがでしたか?この行政手続法は、行政活動の事前手続を規律する法律として、平成5年に制定、平成6年10月1日から施行されています。当初の規律対象は、処分、行政指導、届出でしたが平成17年の改正によって命令等制定手続に対する規律も設けられました(この改正は平成18年4月1日から施行されました)。
このあたりの話も余談だと思っていたら、案外試験に出るかもしれません。一般市民の方が国家資格者である行政書士に、行政法に関して質問をした際にしどろもどろ、あやふやでは、困ってしまいますからね。

次回以降の試験対策ブログでは、不当や違法な行政処分によって国民の権利利益が侵害された場合に、事後の救済手段として定められた行政不服審査法と行政事件訴訟法について解説していきたいと思います。

ただし、実務と一般のお客様に対する最新の情報発信が最優先のため、試験対策ブログ更新の時期は未定不定期、不確定です。ご容赦くださいませ。

今後も、国家資格者行政書士として最新、正確な情報をわかりやすく、責任を持って発信しますから、気長に楽しみにしてくださいね(行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のHPブログのほかYouTubeでも行政書士三木ひとみのアカウントで不定期に情報発信しています。)。

左奥は大阪府行政書士会で圧倒的最大の会員数を誇るマンモス支部、中央支部の支部長大林徹先生、右奥は行政書士法人ひとみ綜合法務事務所の榎田啓先生。手前左は旧郵政省勤務、元大学教授で韓国に特化した国際行政書士で行政書士歴もうすぐ30年の大ベテラン中村伊知郎先生。中村先生は行政書士資格のほか、特定社労士、通訳案内士等数十もの公的資格をお持ちです。
行政書士法人ひとみ綜合法務事務所では専門分野の士業の先生や業者さんを必要なお客様にご紹介することで、お客様が複数の事務所やプロに相談に出向き時間、労力、費用をかけなくて済むよう、ワンストップサービスに努めています。専門分野に秀でた実績はもちろんのこと、お客様に自信を持ってご紹介できる誠実な方々との関係構築に重きを置いています。

行政書士試験対策と行政書士業務①行政手続法と生活保護”へ3件のコメント

  1. 桃山 裕美 より:

    行政書士試験を今年受験しようと勉強している者です。
    ブログがとても分かりやすく、どこを勉強するべきか良く理解出来ました。
    行政手続法はちょうど今勉強しているのですが、覚えるべき条文も多く苦闘していました。
    三木先生のブログには説明と一緒に大事な条文も載せてあり、例えなども使っていてすごく楽しく分かりやすく、理解しながら覚えることが出来ました。

    情報量が多い中、どこから勉強すればいいのか、どこまで頭に入れればいいのか困っている部分もあり、すごく助かります。
    行政事件訴訟法も勉強はしたので、特に大切なところを復習も兼ねてブログで教えて頂けたらと思います。第2弾も期待しています!

  2. N.M より:

    はじめまして。女子SPAで先生のお名前を拝見し、TwitterでフォローさせていただきましたNと申します。ももばあという名前で、ツイートしております。
     過去ケアマネ業務をしたおりました。元職が看護師なので、悲惨な虐待事例を引き受けることが多く、たいていは背景に貧困が見えました。当時は今ほど景気が悪くなかったし、その頃の生保担当、介護保険担当の行政窓口は真剣に相談に乗ってくれた記憶があります。それでも介護保険の改悪や制度の狭間に落ち込む利用者さんの苦しみに疲れ果て、認知症を勉強したいという思いもあって看護師に戻りました。成年後見制度の仕事がしたい希望もあり令和3年度の行政書士試験に合格して今後短い職業人生をどう過ごすか色々調べているところです。
     行政書士業務と生保が繋がることは思いもよらず今後もいろいろ勉強させて頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

  3. 佐々木和仁 より:

    僕は今年の行政書士試験に受験しようとしています。
    行政書士試験に、向けて勉強していたところでこのブログを見つけました。
    このブログは、三木先生の解説もあり、
    忘れていたところを復習するのに、丁度良かったです。
    今まで僕が勉強して、分かったことを自分の言葉で説明したいと思います。
    僕が説明するのは、強制執行と即時強制の違いです。
    強制執行とは、行政上の義務を履行しない者がいる場合に、その義務の履行を行政庁が強制力を用いて、確保することを言います。
    即時強制とは、国民に義務を課し、その義務を国民が履行しない場合にその義務の履行を行政庁が強制力を用いて確保すること(強制執行)を行う余裕がない場合に義務の不履行を前提とせずに行政庁がいきなり強制的な措置をとることができることをいう。
    そして、強制執行と即時強制の違いは、
    強制執行の場合は義務の不履行を前提とするが、即時強制の場合は義務の不履行を前提としないことです。

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