行政書士と生活保護~士業の光と闇その実態~

女性特定行政書士の三木ひとみです。今日のブログでは、私が生活保護専門行政書士と堂々自称できるほど、これまで多くの、延べ1万人以上の方の生活保護相談に対応してきた中で扱った、『行政書士からの生活保護相談』を中心とした、生活保護にまつわる意外なエピソードを、行政書士会の裏事情と共にご紹介します。


全国対応の行政書士法人ひとみ綜合法務事務所には、日々様々なご事情を抱えたお客様が来所されます。

生活保護の相談をされる方が抱きがちな
「生活保護なんて、今までの人生で思いもよらなかった(悲しい、悔しいetc…)」
「生活保護まで落ちぶれてしまうなんて」
「生活保護申請は恥ずかしい(人に言えない、今後の人生への影響が心配)」
などなど、あらゆる生活保護へのダークなイメージが払しょくされ、
「(街の法律家が一時的に生活保護を受けるくらいなのだから)本当に困ったときには、平等公平に受けられる有難い救済制度」
という理解に繋がるかもしれません。


昔USJに娘を連れて行った頃のものですが、衣装はすべて100円ショップなどで揃えて前日に小道具を手作りしました。
「親が警察官と公立校教員で共に公務員なのに、その娘母子が生活保護なんて道理が通らない。」
苦しかったとき、恥を忍んで娘を連れて訪れた東京都内の福祉事務所の窓口でこう言われ、やはりそうかと肩を落とし、既に誰にも頼れない状況にいた私はその日の食事をどうしようかと考えながら、とぼとぼとアパートへ向かったことを昨日のように思い出します。

この辛い記憶こそが、『生活保護をサポートする行政書士なんて』と同業者に白い目で見られたり、かげで批判されようとも、行政支援の手が本当に必要な人に届かないがために悲しい命がこの世からなくなってしまう現実を変えたい、いつか生活保護に関する相談がなくなるまでは精一杯行政書士としてこの業務を全うするという、決して揺るがない私の仕事上の信念です。

若い時分はシングルマザーで日々家計簿とにらめっこの日々、後悔ばかりの子育てですが、愛情はお金では決して量れないと最近しみじみ思うのです。子どもに恥じない背中を見せたいものです。

まず、皆さんは行政書士に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。

コロナ禍下においては、一気にオンライン行政が加速され、(今不正受給での自首や逮捕者が続出し話題になっていますが)持続化給付金や、持続化補助金(コロナ型は今年五回目の公募が追加発表されたばかりです。当事務所でも持続化補助金サポートに力を入れています。)家賃支援給付金(申請さえすれば給付を受けられるのに、面倒な手続きをしても、もらえる金額がそれほどないと諦めてしまっている方がとても多いのが現状です。当事務所では家賃支援給付金についてもサポートしていますし、自力でオンライン申請をされたい方のために日本一わかりやすいと専門家に高く評価されたマニュアルも無料公開しています。→家賃支援給付金(個人事業主向け)の電子申請をやってみたので手順メモ)の申請サポート分野で知名度が上がった印象がありますが、それでもまだまだ、行政書士が何をする職業なのか知らないという方は多いでしょう。


学名でkakiの名が使われるなど、日本の秋の味覚の代表格甘くて美味しい今年一番の柿をお贈り下さったのは、遺言・相続のご相談を以前いただいたお客様でした。旬の時期でも固さと味わいがそれぞれ違って、多種多様に楽しむことができる柿、熟した柿を冷凍してシャーベット状にするのも好きです。お心遣いを本当にありがとうございました。

来年2月に70周年を迎える行政書士制度、現在4万人以上の行政書士が全国で活躍しています。個人向けの業務では、遺言・相続、契約書、自動車登録、日本国籍取得、農地転用、内容証明、公正証書、被害届や告訴状の作成や手続き支援など様々です。

法人向けでは、外国人材受け入れ、会社設立、会計記帳、許認可申請、補助金申請、知的資産、電子申請・電子調達など、中小企業支援に関連する幅広い業務を行います。このように非常に守備範囲の広い法律家であることから、調子が悪くなったら大病院へ行く前に近所の街医者にかかることを推奨されるのと同様、敷居の低い街の法律家行政書士は国民の皆さんにとって身近な相談相手といえます。

実際、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所もご相談内容に応じて必要であればお客様の状況に適した専門家(弁護士、司法書士、税理士、社労士あるいは不動産会社や金融機関なども)をご紹介できるよう、いわば町のクリニックが必要に応じて紹介状を書いて大病院に患者さんを紹介するように、ワンストップサービスの提供に努めています。こうすることで、同じ相談をあちこちにして時間や費用を無駄にすることの回避に繋がります。

私からすれば、行政書士という仕事は、急速にデジタル行政が進められる現在の日本社会において本来引っ張りだこの存在であり、いくらでもお客様に喜んでいただき社会のお役に立てる素晴らしい職業です。

行政側からしても、行政手続きなどに不慣れで法的知識もない一般の方に一から説明して対応するよりも、完成された要件を満たした書類を行政書士が作成し代理提出してくれた方が業務効率が上がり、役所の窓口混雑の緩和など行政サービスの向上にも繋がるので、本来行政書士の存在はお役所にとってもありがたいものなのです。

とはいえ、学歴要件もなく試験に合格さえすれば資格取得できるため、行政書士になれば食べていけるだろう的な(言葉は悪いですが)安易な考えで明確な事業計画なく行政書士登録、開業する人も、実際には少なくないかもしれません。また、電子申請が基本の持続化給付金等のコロナ支援において、パソコンを持っていない事業者さんやパソコンがあっても添付書類の電子化の仕方がわからない、電子化するための複合機やスマホ機器がない、使い方がわからないという方を親切丁寧にサポートするのが行政書士ですが、急速なデジタル化についていけない行政書士も案外いるようです。

とにかく、『行政書士になったはいいものの、月収が10万円以下でとても生活できない』という同業者からの相談を、数字を挙げれば皆さんが驚いてしまうほどには受けてきました・・・。

もちろん、守秘義務があるので私が『あの行政書士は生活保護を受けています』などと口外することは当然ながらありませんし、だからこそ同じ大阪府行政書士会という組織に所属していても、安心して同業者に相談依頼ができるわけです。また、そもそも行政書士であれ、弁護士であれ、どのような仕事をしていても(反社会的勢力に属しているといった特殊な事情がない限り)、現に生活に困窮していて憲法第25条で保障される最低生活が営めていなければ、生活保護申請は当然可能です。

余談ですが、家賃支援給付金の給付対象は中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業主などで、売り上げ減少の所定条件を満たしていれば行政書士も対象ですから、こちらも電子申請が不得意な同業者からの依頼が行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に舞い込んできます。

現在、行政書士ではない民間事業者などが不法に申請業務を請け負って法外な報酬を請求するケースが問題視されていますが、不法申請で逮捕されている業者などは私が現時点で把握する限り行政書士資格を持たない非行政書士ばかり。法制度の趣旨に則り、適正な報酬で対応するのが、我々街の法律家の看板を掲げる行政書士です。ただ、残念ながら、せっかく行政書士に相談したのに『コロナ給付金の業務は取り扱っていない』などと断られてしまい、ようやく対応してくれる行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に行き着いてよかったという、一般の方々のお声も沢山コロナ下において聞きました。これまた、行政書士としては、非常に複雑でもあります。

大阪府が行政書士費用を全額負担するという英断に至った休業要請外支援金の事前確認業務においても、
「行政書士事務所の看板を見て連絡したけれど3軒連続で断られて悲しかった」
という事業主様。
パソコンを持っていないお客様で情報収集できず確定申告の書類のコピーなども用意できていないと電話口で言ったら、
「自分で調べてください。全て書類を用意して行政書士事務所に来なければ、確認はできません。」
としか言われなかったなど、同じ行政書士として遺憾に思いました(もちろん、それぞれの事務所の方針ですから自由とはいえ)。


↑こちらは大阪府行政書士会の理事役員さんのツイッターですが、見たときは同業者として目を疑いました。休業要請外支援金の申請期限は当初より延長されましたが、これはコロナ禍で売上減の深刻な打撃を受けた府民の事業者様にとっては朗報であり、府が行政書士費用を全額負担する事業にもかかわらず協力要請を受けた行政書士会役員(大阪府の3,400人超の行政書士の代表的存在)が申請期限延長について『愚痴る』などということは、苦境に立たされた事業主様の早期救済という支援金の目的を叶えるため懸命に確認業務に当たっていた行政書士法人ひとみ綜合法務事務所だけでなく、他の行政書士まで対外的に誤解されかねない発信であり、極めて遺憾です。

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のコロナ給付金支援においては、他業務では有償の出張費なども一切免除、休業要請外支援金確認業務はご希望のお客様すべて(全体の8割以上)の事業所まで出向き、必要に応じて印刷コピーなどのお手伝いもさせていただきました。有事の際に、敷居を低くして機敏に行動することでこそ、行政と市民の架け橋になるという行政書士の職業使命を全うできると私は考えます。

生活保護の話に戻りますと、せっかく資格を取った行政書士の仕事を一生懸命して、朝から晩まで営業活動をしても、最低生活を確保できる収入に届かない。資産もなければ、他者からの経済援助も望めない。親族は助けてくれないし、財産どころか借金しかないという状況で行政書士法人ひとみ綜合法務事務所に相談されて、生活保護を受けながら一日も早く行政書士の収入だけで生活ができるよう努力されることを私は決して否定しませんし、むしろ応援しています。

また、中には通常のお客様と同じように、無年金や低年金でもう働くこともできない高齢の親御さんの経済援助をこれ以上続けられない、あるいはニートのお子さんの面倒をこれ以上は見られない、でも士業のバッジをつけて役所の生活保護窓口に出むく勇気がないというご相談は、行政書士だけでなく弁護士、税理士、医師や国家公務員など立派な職業に就いている方々からも沢山あります。

芸能人、有名人で才能に恵まれ、誰しも羨むような美貌や名声を手にしていたり、愛しい家族がいても、自らの人生に終止符を打つ選択をせざるを得なかった方もいて、その度に日本中に驚きと悲しい衝撃が走りました。

ことコロナ禍においては、予期できなかった不運に見舞われた方も大勢いらっしゃるので、困ったときには臆することなくSOSの声をあげてくださいね。行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のスタッフ一丸となって、何よりお客様のお気持ちに寄り添って全力でサポートします。


令和2年9月20日に開催した行政書士法人ひとみ綜合法務事務所のランチ会には、同じく大阪府行政書士会所属の松下秀雄先生にもご参加いただき(ビジネス思考が高い先生なので時世の流れに応じた行政書士業務に取り組んでいらっしゃって、勉強になることばかりでした)、事務所移転のお祝いと共に専門の福祉関係と国際業務について有意義な意見交換をさせていただきました。

行政書士と生活保護~士業の光と闇その実態~”へ2件のコメント

  1. アバター 福岡県 H.S様 より:

    今回のブログ、とても読みごたえがありました。感動と驚きと怒りと、いろんな感情が入り乱れました。前半の三木先生ご自身の過去の辛かった時代のお話。
    このSNS全盛の時代にご自身をさらけ出して批判を恐れずコメントを出される姿勢に並々ならぬ覚悟を感じ、とても感動しました。ぶれないその強さ❗心から尊敬してやみません❗
    他の先生方、見習っていただきたい。
    何度も読み直しました。
    元気を頂きました❗

    後半は驚きました。
    行政書士の先生といえど決して食べて行けるわけではないんですね。
    弁護士や、医師が保護相談しているとはほんとに驚きです。
    自分だけがつらいんじゃないんだと思い直しました。
    いろんなことを考えさせられるブログで読みごたえありました。どうしても今、孤立しがちで視野が狭くなります。
    ブログでいろいろ有益な情報を教えていただけるのでありがたいです。

  2. 特定行政書士三木ひとみ 特定行政書士三木ひとみ より:

    H.S.様、行政書士の三木です。今回のブログは個人的な生活保護にまつわる、福祉事務所における門前払いの体験談を書いたので、読んだ方がどう捉えるか少々心配でもありました。H.S様のコメントを拝見して、ほっとしました。ありがとうございます!

    昔は、母子家庭でお金に困っているなんて恥ずかしくて惨めだと思っていたのでしょう、目立たないように社会の片隅で自己主張することもあまりなく、娘と二人東京のアパートで暮らしていました。現実と向き合うことからも、目をそらしていたように思います。毎日毎日を、食べていくことに(娘にご飯を用意することに)必死な日々でした。

    リクルート社に入社してからは収入こそ安定しましたが、営業職で皆が終電まで仕事をするのが当たり前のような時代でしたから、保育園には一番最後に迎えに行く常連でも職場では一番早く帰る人で、どこにいても肩身が狭かったですね。それを、自業自得と冷たい目で見られることがわかっていたので、弱音も吐けませんでした。高校も大学も奨学金を借りていたので、その返済も背負って、仕事を辞めるとか休むという選択肢などありませんでした。

    今行政書士になって、街の法律家として様々な事情をお抱えのお客様と対峙する際、過去の辛かった経験もすべては糧になっていると思えます。それから、自分の経験以外にも色々な職業のお客様の話を伺ってきましたので、この大学を出たから安泰とか、この職業だからお金には困っていないだろうとか、そうした社会の認識が必ずしも事実ではないと思い知らされました。有名な政治家だった方、芸能人やプロ野球選手でも、生活保護を受給せざるを得なくなったというエピソードは週刊誌などにも載っていますが、プライバシーが露呈されてしまう有名人には同情してしまいます。

    コロナ禍で思うように外出や人と食事をする機会を持てず、孤独感を抱く方は多いので、H.S.様だけではないですよ!日光に当たる、外を歩くという行動は、人間の精神面安定にとても効果的だそうです。

    また、時世に応じた役立つ情報はなるべくブログで発信していきますね!

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