昨日の朝、何気なく日課である新聞を読んでいたところ、社会面で行政書士逮捕という平穏ではない見出しが飛び込んできました。

続いて、よく知る名前が載っていたので、最初は見間違いかと思わず目を見張りました。朝日新聞、毎日新聞、日経新聞、読売新聞、これらすべての全国紙で本事件を取り上げていました。

逮捕されたのは、大阪府行政書士会の理事であり、風俗業許認可や旅館業許可では他県からも依頼が多く、業界では有名な雨堤孝一先生でした。

心覚え

大阪の行政書士は、事務所所在地を管轄する支部に所属しています。大阪府内には16の支部があります。当行政書士法人ひとみ綜合法務事務所代表の榎田は、南大阪支部所属で副支部長を長年務めています。

私行政書士の三木は、雨堤先生と同じ北支部所属です。支部では区役所や駅前などでの無料相談会や市民の方向けの無料セミナーを定期開催したり、研修や支部に所属する行政書士同士の交流会もあります。

昨年の夏の支部懇親会や、大阪府行政書士会の行事では、何度か雨堤先生とご一緒させていただきました。

穏やかで優し気な印象の雨堤先生とは、直近では5月に大阪南港のハイアットリージェンシーで行われた行政書士会の総会でご挨拶しました。そのときも雨堤先生は、私が探していた先生があそこにいるよ、と気さくに教えてくれたことを覚えています。

逮捕容疑は捜査情報漏洩のそそのかし

報道によると逮捕容疑は、風俗店に関する捜査情報を現職の警察官から仕入れる目的での贈賄容疑。

2015年に警察官を依願退職した大阪府警OBで、翌2016年から雨堤先生の事務所に勤務していた男性が、事務所得意先の風俗店経営者から
「内偵捜査の情報を取ってほしい」
という依頼を受けた雨堤先生からの指示で、捜査情報を漏らしてくれそうな現職警察官に多額の接待を繰り返したようです。

※ただ、本日の新たな報道では、顧客からの依頼のみならず、もともとこちらの行政書士事務所では警察からの捜査情報の入手を前提としたような営業を行っていた疑いもあるようです。

キャバクラなどで多額の飲食接待を受けた見返りとして、行政書士に風俗店の捜査情報を漏らした現職警察官二人は、加重収賄と地方公務員法違反(秘密漏えい)の疑いで逮捕されました。

大阪の銀座といわれる北新地で、計4回約40万円の接待ということで、(意外と北新地も高くないんだな)という私が受けた第一印象はさておき、警察官であれば生涯安定した収入を得られていたであろうに、大きな代償を払うことになってしまったようです。

行政書士の間でも、警察の信頼を損なうような事案を行政書士が積極的に生み出したという事の重大性、逮捕された行政書士が大阪府行政書士会の役員を歴任していたことなどから、だいぶ注目を集めています。

警察(公務員)にとって情報漏洩はあってはならないこと

私の父親は長年神奈川県警の刑事課強行犯部署の勤務でしたが、家族であっても守秘義務があり情報漏洩は絶対にできないと常に言っていました。

大酒呑みの父は羽目を外すこともありましたが、酔っているときに娘の私が気になっている刑事事件について尋ねても、絶対に秘密を漏らすことはありませんでした。

「現職警察官を接待して、顧客から求められた操作情報を取ってこい」
と行政書士が元警察OBの部下に指示をしたということが事実であれば(逮捕者四人全員が容疑を認めているそうですが)指示をした側、実行した側、そそのかされた側、全員の倫理観の欠如があまりに甚だしいですし、事の重大性を認識していたのかを疑問に思ってしまいます。

「赤信号みなで渡れば怖くない」
このような集団心理が働いたのかもしれません。

「俺は平成の色男だ」などと豪語する自由奔放な父でしたが、警察官としての守秘義務、法律遵守に関しては、当然のこととはいえ完璧な職務遂行だったのだと尊敬の念を抱きます。

私は子どもの頃より父からずっと、
「警察の世話にだけはなるな」
と言われてきました。

起訴が見込めないような軽微な事件では告訴の受理をしたがらない警察職員の相談を行政書士として受けることも多く、そういうときは警察も公務員なのだから、市民のために公平に奉仕すべきだと憤りを覚えることも多々あります。

ただ、父からの教えは私の倫理観の根底に根付いていて、刑法に限らず、法律に触れるようなことはどのような理由があれども絶対にしないよう固く心に決めています。

士業の業務は法律の境目ギリギリな部分も多いが

士業者は、いわゆるグレーゾーンと呼ばれる法の盲点を突くような業務や助言をすることもあるようですが、行政書士法人ひとみ綜合法務事務所では常に最新の法令、判例、上級行政庁への確認などたしかな裏付けに基づいた明瞭でクリーンな業務を遂行しています。

法令を遵守する事により、当事務所を信頼してご依頼されたお客様を守ることにもなるからです。

「生活保護の審査は通ったけれど、知らぬ間に親が自分の名前で貯金をしていた。どうしよう。役所に隠していてもいいですか?」

このようなご相談を受けたことも過去にありますが、国家資格を持つ行政書士として不正には関与できないこと、また収入があるのに隠して生活保護費をもらうことは刑法の詐欺罪にも該当しうるため刑事罰をお客様が受けるかもしれないリスクの事実を伝えます。

ただ、よく事情を聞くと、実際にはそのお金は名義だけが自分で、通帳もカードも親が保管していて渡してくれないため自由にならない、といったケースで申告をきちんとしても収入扱いにはならず生活保護費が減額にならないケースも少なくありませんでした。

そのようなケースでは、不安感の強いお客様の希望に沿って役所への申告に同行したり、事情を書面に記して福祉事務所長に代理提出しました。

われわれ行政書士の使命はこのように、「正当な」行政に関する手続きの円滑な実施に寄与することであり、同時に、一般市民の方々の法的保護に値する権利利益の保護、利便性を向上させることなのです。言うまでもなく、違法行為により国民の利便に資するようなことは、行政書士の使命ではありません。

当行政書士法人の方針

行政書士法人ひとみ綜合法務事務所では、お客様の気持ちに寄り添い、法律の最上位にある憲法において保障された最低限度の生活、その他の国民の権利が守られるよう多様な行政サポートを行っています。

憲法をはじめとした法律遵守を行政側に求める以上、市民と行政との架け橋になるべき行政書士が法令を遵守することは、当然のことなのです。